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💫🈂️ 紫水
地雷さん🔙or自衛
キャラ崩壊大
ご本人様関係ありません
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君が俺を殺すほど、愛して。
紫 × 水
――愛されることが、こんなにも苦しいなんて知らなかった。
# 01.世界でいちばん優しい人
「水、今日もかわいいね」
朝、待ち合わせ場所に着いた瞬間、紫はそう言って笑った。
いつもと同じ黒い髪。いつもと同じ、少しだけ甘い声。
そして、いつもと同じように水の頭を撫でる手。
水は照れくさそうに目を逸らした。
水「……朝っぱらから何言うてんねん。恥ずかしいやろ」
紫「本当のことなのに?」
水「そういうとこやぞ、ほんま」
紫「ふふ、好きだよ」
水「……っ、もうええって!」
紫は楽しそうに笑った。
その笑顔を見ると、水まで自然に笑ってしまう。
紫と付き合い始めて、半年。
水にとって紫は、特別な人だった。
自分の小さな変化にも気づいてくれる。
疲れているときには無理に話させないし、落ち込んでいるときには、何も聞かずに隣にいてくれる。
水が何気なく「これ好きやねん」と言ったものを覚えていて、後日、何でもない日のプレゼントとして渡してくれることもあった。
水「紫って、ほんま優しいよな」
紫「急にどうしたの?」
水「いや、なんとなく。俺、紫と付き合えてよかったなぁって」
その瞬間。
紫の表情が、ほんの少しだけ変わった。
嬉しそうに目を細めて、それから水の手を握る。
紫「……もう一回言って」
水「え?」
紫「俺と付き合えてよかったって。もう一回」
水「なんやねん、それ。……付き合えてよかったで」
紫「うん」
紫は水の手を、ぎゅっと握り直した。
紫「俺も。水に会えて、本当によかった」
その声は、少し震えていた。
水は気づかなかった。
紫がその言葉を、何度も、何度も心の中で繰り返していたことに。
――水は、俺と出会えてよかった。
――なら、ずっと一緒にいてくれるよね。
――俺以外の人なんて、必要ないよね。
紫は水の肩に頭を寄せた。
紫「ねえ、水」
水「ん?」
紫「ずっと一緒にいようね」
水「……当たり前やん」
水は笑って答えた。
その言葉が、紫の中にどれほど深く刻まれたのかも知らずに。
# 02.少しだけ、寂しい
最初に違和感を覚えたのは、付き合い始めて七か月が経った頃だった。
水には、昔から仲のいい友人がいた。
その日、水は久しぶりに友人と出かける約束をしていた。
紫にも前もって伝えていたし、紫も最初は普通に頷いていた。
けれど、出かける直前になって、紫がぽつりと言った。
紫「今日、会えないんだよね」
水「せやで。前から言うてたやん?」
紫「……うん。覚えてるよ」
水「明日は会えるし。そんな寂しそうな顔せんといてや」
紫「別に、寂しくないよ」
そう言いながら、紫は笑った。
紫「楽しんできてね」
水「おう! またあとで連絡するわ」
水は紫の頬に軽く触れてから、待ち合わせ場所へ向かった。
その日の水は、久しぶりの再会を心から楽しんだ。
話したいことは山ほどあったし、笑いすぎて時間が経つのも忘れた。
ふとスマートフォンを見ると、紫からメッセージが届いていた。
『楽しんでる?』
『今、何してるの?』
『まだ帰らない?』
『水?』
少し返信が遅れただけで、いくつもの通知が並んでいた。
水は慌てて返信する。
水『ごめん、友達と話し込んでもうてた! 今から帰るで』
すぐに既読がついた。
紫『そっか』
紫『よかった』
紫『俺のこと、忘れたのかと思った』
水「……えぇ?」
思わず声が出た。
たった数時間、友人と過ごしていただけだ。
それなのに。
水『忘れるわけないやん笑』
紫『ならよかった』
紫『早く会いたい』
水は小さく笑った。
紫は本当に寂しがり屋なのだ。
そう思うと、少し愛おしくなった。
水『俺も会いたいで』
そのメッセージを送ったあと、水はスマートフォンをポケットにしまった。
その頃、紫は自分の部屋で、水とのやり取りを何度も読み返していた。
『俺も会いたいで』
その一言だけで、胸の奥が満たされる。
けれど、同時に考えてしまう。
水は今日、どんな顔で笑っていたのだろう。
自分といるときと同じように笑っていたのだろうか。
自分の知らない話をして。
自分の知らない表情をして。
自分の知らない誰かと、楽しい時間を過ごして。
紫「……やだな」
ぽつりと呟いた。
紫「俺の知らない水なんて、いらない」
スマートフォンを握る手に、力がこもった。
紫「俺だけが知ってればいいのに」
その声を聞く人は、誰もいなかった。
# 03.謝るのは、いつも水
それから、紫は少しずつ変わっていった。
水が友人と出かけると、寂しそうな顔をする。
水が返信を忘れると、何も言わずに黙り込む。
水が別の誰かを褒めると、笑顔のまま話題を変える。
どれも、一つひとつなら些細なことだった。
紫は怒鳴らない。
水を責め立てることも、ほとんどない。
ただ、悲しそうにするのだ。
水は、それが苦手だった。
紫に悲しい顔をされると、自分が悪いことをしたような気持ちになってしまう。
ある日の夜。
二人は水の部屋で、一緒に映画を見る約束をしていた。
けれど、水は友人から相談の電話を受け、予定より三十分ほど遅れてしまった。
電話を終えた水がリビングへ戻ると、紫はソファに座っていた。
映画はすでに再生されていたが、画面は一時停止になっている。
水「ごめん! ちょっと相談乗っとってん。待たせてもたな」
紫「……うん」
水「ほんまごめんな。続き見よ?」
紫「その人、大丈夫だった?」
水「え? ああ、うん。まあ、ちょっと悩んどるみたいやったけど」
紫「そっか」
紫は笑った。
紫「水は優しいね」
水「……なんや、急に」
紫「困ってる人がいたら、放っておけないんだね」
水「まあ……そら、友達やし」
紫「うん。そうだよね」
そこで会話が途切れた。
紫は再び映画を再生した。
けれど、水は画面に集中できなかった。
紫の横顔が、いつもより遠く感じたからだ。
しばらくして、水はそっと紫の袖を引いた。
水「……怒っとる?」
紫「怒ってないよ」
水「ほんまに?」
紫「うん」
水「……なんか、いつもとちゃう気ぃして」
紫は少し考えてから、水を見た。
紫「俺、今日、水と映画を見るのを楽しみにしてたんだ」
水「……うん」
紫「でも、水は俺より、その人の相談に乗ることを優先したんだよね」
水「それは……」
紫「ごめん。こんなこと言ったら、困らせるよね」
水「ちゃう、紫……」
紫「俺が勝手に寂しかっただけだから」
その言葉に、水は何も言えなくなった。
紫は悪くない。
自分が約束の時間を守れなかったのだから。
そう思ってしまった。
水「……ごめんな」
紫「どうして謝るの?」
水「いや、待たせてもたし……」
紫「水が悪いなんて、言ってないよ」
紫は優しく水の頬に触れた。
紫「俺はただ、水と一緒にいたかっただけ」
水「……うん」
紫「ねえ。今は、俺のことだけ考えて?」
水は一瞬、迷った。
友人の相談は、まだ終わっていなかった。
けれど、今ここで紫を不安にさせたくなかった。
水「……わかった」
そう答えると、紫は安心したように笑った。
紫「ありがとう、水」
その夜、二人は最後まで映画を見た。
紫は何度も水の手を握り、嬉しそうに笑った。
水も笑った。
ただ、胸の奥に小さな引っかかりが残った。
――なんで俺、こんなに謝ってばっかりなんやろ。
その疑問を、水はすぐに押し込めた。
大好きな恋人を疑いたくなかったから。
# 04.知らない顔
決定的な出来事が起きたのは、それから二週間後だった。
水は、紫の部屋に忘れ物を取りに来ていた。
紫は飲み物を買いに出ていて、部屋には水一人しかいなかった。
テーブルの上には、紫のスマートフォンが置かれていた。
その画面が光った。
通知が一つ、表示される。
『最近、水くんとどう?』
送り主は、紫の友人だった。
水は見るつもりなどなかった。
けれど、その下に表示された文章が、目に入ってしまった。
『相変わらずだよ』
『水は俺がいないと駄目だから』
水「……え?」
息が止まった。
もう一度、画面を見た。
見間違いではなかった。
水はスマートフォンから目を離した。
心臓が嫌な音を立てている。
――俺がいないと駄目?
そんなこと、紫に言われたことはない。
むしろ紫は、いつも水を大切にしてくれていた。
水はスマートフォンに触れなかった。
勝手に中を見るのは違う。
そう思って、その場を離れようとした。
けれど、そのとき玄関のドアが開いた。
紫「水?」
水「……お、おかえり」
紫「どうしたの? 顔色、悪いよ」
水「いや……なんでもないで」
紫は水の顔をじっと見つめた。
それから、テーブルの上のスマートフォンに視線を落とした。
紫「……何か見た?」
水「っ、いや、別に……」
紫「水」
名前を呼ぶ声が、少し低くなった。
水は思わず肩を揺らした。
紫はすぐに表情を和らげた。
紫「ごめん。怖がらせるつもりじゃなかったんだ」
水「……通知が、見えてもうて」
紫「そっか」
紫はスマートフォンを手に取った。
紫「どこまで見たの?」
水「……『俺がおらな駄目』って」
紫は黙った。
その沈黙が、何よりも怖かった。
水「……紫、あれ、どういう意味なん?」
紫「そのままの意味だよ」
水「……は?」
紫「水は俺がいないと駄目でしょ?」
水は言葉を失った。
紫「俺が落ち込んでると、すぐ謝ってくれる。俺が寂しいって言えば、予定を考え直してくれる。俺が不安だって言えば、ちゃんと安心させてくれる」
紫は一つずつ、指を折るように言った。
紫「水は、俺を大切にしてくれる」
水「……それは、俺が紫を好きやからで……」
紫「うん。知ってるよ」
紫は微笑んだ。
紫「だから、俺がいないと駄目なんだよ」
水の背筋に、冷たいものが走った。
水「……ちゃうやろ」
紫「え?」
水「俺は、紫がおらんでも生きていける」
言ってから、水は自分の胸が痛むのを感じた。
本当は、そんなことを言いたくなかった。
紫の顔が曇るのを見たくなかった。
けれど、言わずにはいられなかった。
水「そら、寂しいとは思うで。めっちゃ好きやし。でも……俺の世界には、紫以外の人もおるんよ」
紫「……うん」
水「友達もおるし、家族もおる。俺が大切にしたい人は、紫だけやないねん」
紫は何も答えなかった。
水「……紫?」
紫「そっか」
静かな声だった。
紫「俺だけじゃ、足りないんだね」
水「ちゃう! そういう意味やなくて……」
紫「大丈夫」
紫は笑った。
紫「わかったから」
その笑顔を見た瞬間、水は思った。
――ああ。
――俺、今、何か取り返しのつかんこと言うてもうたんやろか。
# 05.好きなのに、怖い
その日から、水は紫の顔色を以前より気にするようになった。
紫が少し黙るだけで、不安になった。
返信が遅れただけで、何か悪いことをしたのではないかと考えた。
友人と遊んでいても、紫のことが頭から離れなかった。
楽しいはずなのに、心のどこかが落ち着かない。
紫は、以前より優しくなった。
水が何かを頼めば、すぐに応えてくれる。
疲れていると言えば、温かい飲み物を用意してくれる。
会いたいと言えば、予定を合わせてくれる。
何も変わっていない。
そう思いたかった。
けれど、紫はときどき、何気ない声で尋ねるようになった。
紫「今日、誰といたの?」
水「友達やで」
紫「楽しかった?」
水「……うん」
紫「そっか」
紫はそれ以上、何も聞かない。
だからこそ、水は自分から説明してしまう。
水「でも、帰りに紫の好きそうなもん見つけてん。今度一緒に行こな」
紫「……本当?」
水「ほんまやって」
紫「嬉しい」
その瞬間の紫は、本当に嬉しそうだった。
水はほっとした。
紫が笑ってくれた。
それだけで、自分まで安心してしまった。
――あかん。
心の中で呟く。
――俺、いつから紫が機嫌ようしてるかばっかり考えるようになったんやろ。
答えはわからなかった。
ただ、紫が笑っている日は安心できて、紫が黙っている日は何も手につかなくなる。
それが、いつの間にか当たり前になっていた。
ある夜。
二人でベッドに腰掛けていると、紫が水の肩に寄りかかった。
紫「水」
水「ん?」
紫「俺のこと、好き?」
水「……好きやで」
紫「どれくらい?」
水「どれくらいって……」
紫「俺が水を好きなのと、同じくらい?」
水は困ったように笑った。
水「知らんわ、そんなん。比べられへんやろ」
紫「……そっか」
紫は顔を伏せた。
水は慌てて、その手を握った。
水「でも、好きやで。ほんまに」
紫「……うん」
水「せやから、そんな顔せんといて」
紫は水を見つめた。
紫「じゃあ、約束して」
水「何を?」
紫「俺を一人にしないって」
水は黙った。
紫「俺のこと、嫌いにならないって」
水「……紫」
紫「俺以外の誰かのほうが大切になっても、俺を捨てないって」
水は、握った手に力を込めた。
何かがおかしい。
そう思うのに、紫が不安そうに自分を見ていると、言葉が出てこなかった。
水「……俺は、紫のこと好きやで」
紫「うん」
水「せやけど、絶対なんて……」
紫「……そっか」
紫は手を離した。
紫「ごめん。困らせたね」
水「ちゃう、待ってや」
紫「もういいよ」
紫は立ち上がった。
紫「今日は帰るね」
水「え、なんで……?」
紫「水が困ってるの、見たくないから」
紫は笑っていた。
最後まで、優しい顔だった。
玄関のドアが閉まったあと、水はしばらく動けなかった。
自分は、何か間違えたのだろうか。
ただ、好きだと伝えたかっただけなのに。
どうして、それだけでは足りないのだろう。
水「……なんでやねん」
声が震えた。
水「俺、ちゃんと好きやのに……」
その夜、水は初めて、紫に会うのが怖いと思った。
それでも、スマートフォンを手放すことはできなかった。
紫から連絡が来るのを、ずっと待っていた。
# 06.俺だけを見て
翌日、紫から連絡が来た。
『昨日はごめんね』
『少し考えすぎてた』
『今日、会える?』
水は、すぐに返信した。
水『会えるで』
送信したあと、胸の奥が少し軽くなった。
紫に会える。
それだけで嬉しい自分が、情けなかった。
待ち合わせ場所に着くと、紫はいつも通り笑っていた。
紫「水」
水「……おう」
紫「会いたかった」
その言葉に、水は思わず目を伏せた。
水「……俺も」
紫は水を抱きしめた。
強くはない。
苦しくもない。
ただ、離れるつもりがないような抱きしめ方だった。
紫「昨日、ずっと考えてたんだ」
水「……何を?」
紫「どうしたら、水にもっと好きになってもらえるのかなって」
水は返事ができなかった。
紫「俺、もっと優しくするよ。水が嫌がることはしない。ちゃんと水の話も聞く」
水「……紫」
紫「だからさ」
紫は、水の耳元で囁いた。
紫「俺のことだけ見てよ」
水の身体が固まった。
紫「水が笑うとき、俺のことを考えてほしい。嬉しいことがあったら、一番に俺に伝えてほしい。寂しいときも、つらいときも、俺のところに来てほしい」
紫は少しだけ顔を離した。
紫「水の一番になりたいんだ」
その目は、真剣だった。
紫「誰にも渡したくない」
水「……っ」
紫「水が俺以外の誰かと楽しそうにしてると、苦しくなるんだ。水が俺の知らない話をしてると、置いていかれた気持ちになる」
紫は笑った。
紫「ねえ。これって、そんなに悪いこと?」
水は何も言えなかった。
紫「俺は水が好きなんだよ」
水「……わかっとる」
紫「わかってないよ」
紫の声が、初めて強くなった。
紫「水は、俺の気持ちをわかってない」
水は息を呑んだ。
紫はすぐに目を伏せた。
紫「……ごめん」
そして、いつもの優しい声に戻った。
紫「怒りたいわけじゃないんだ。ただ、怖いんだよ」
水「……何が?」
紫「水がいなくなること」
紫の手が、水の服を掴んだ。
紫「水が俺を必要としなくなること」
紫「俺だけじゃなくてもいいって、そう思われること」
水は、紫の顔を見つめた。
初めて知った。
紫は、自分が思っていたよりずっと不安だったのかもしれない。
誰よりも優しくて、何でもできて、いつも余裕があるように見えた紫。
そんな彼が、こんなにも怯えている。
そう思うと、胸が痛くなった。
水「……紫」
紫「うん」
水「俺は、ここにおるで」
紫の目が揺れた。
水「今すぐどっか行ったりせぇへん」
紫「……本当?」
水「うん」
紫は、水を抱きしめ直した。
紫「ありがとう」
その声は、泣きそうなくらい優しかった。
水は紫の背中に腕を回した。
――この人を安心させてあげたい。
――俺が、なんとかしてあげたい。
そう思った。
けれど、水はまだ知らなかった。
紫が求めているのは、ただ隣にいてくれることではない。
自分がいないと生きていけないほど、必要とされることだった。
そして、その願いに終わりはない。
07.知らないほうが幸せだった
数日後、水は紫の部屋で、偶然にも一冊のノートを見つけた。
テーブルの下に落ちていたそれを拾ったとき、表紙に自分の名前が書かれていることに気づいた。
『水のこと』
水「……なんや、これ」
開くつもりはなかった。
けれど、開いたページに書かれていた日付が目に入った。
先週の日曜日。
水が友人と出かけていた日だった。
そこには、紫の文字でこう書かれていた。
『今日は水が友達と出かけた』
『楽しそうだった』
『俺といるときより、笑っていた気がする』
『寂しいと言ったら、困った顔をされた』
『もう言わないほうがいいのかな』
水はページをめくった。
『水が返信をくれない』
『嫌われたのかもしれない』
『でも、きっと忙しいだけ』
『水は優しいから、俺が寂しいと言えば帰ってきてくれる』
指先が冷たくなった。
さらにページをめくる。
『水は俺がいないと駄目だ』
『俺が一番、水のことをわかっている』
『俺がいなくなったら、水は困るはず』
『だから、俺を捨てたりしない』
水「……うそやろ」
声が掠れた。
最後のページには、何度も書き直したような跡があった。
『水が俺を好きなのは知ってる』
『でも、いつか俺より好きな人ができたら?』
『俺じゃなくてもいいと思ったら?』
『俺はどうしたらいい?』
そして、一番下に。
『水が俺だけを必要としてくれたら、安心できるのに』
水はノートを閉じた。
怖かった。
紫のことが、怖かった。
でも、それ以上に怖かったのは。
自分がこのノートを読んで、紫を嫌いになれなかったことだった。
紫がどれほど不安だったのか。
どれほど自分を好きでいてくれたのか。
そんなことばかり考えてしまう。
水「……あほやろ、俺」
目の奥が熱くなった。
水「こんなん……好きやからって、許してええことちゃうやん……」
そのとき、玄関のドアが開いた。
紫「ただいま。水、来てたんだ」
水は慌ててノートを置いた。
紫は水の顔を見て、足を止めた。
紫「……どうしたの?」
水「……なんでもない」
紫「水」
水は俯いた。
紫の視線がテーブルに落ちる。
そして、ノートに気づいた。
沈黙。
長い、長い沈黙だった。
紫「……読んだの?」
水「……ごめん。読むつもりやなかってん」
紫「どこまで?」
水「……全部」
紫は目を閉じた。
数秒後、ゆっくりと息を吐く。
紫「……そっか」
水「紫、俺……」
紫「嫌いになった?」
その一言に、水は言葉を失った。
紫「俺のこと、気持ち悪いと思った?」
水「……ちゃう」
紫「じゃあ、どうしてそんな顔をしてるの?」
水「……怖いねん」
初めて、正直に言った。
水「紫のこと、好きやで。ほんまに好きや。せやけど……最近、紫が何考えとるんかわからんくて、怖いねん」
紫は黙っていた。
水「俺が友達と遊んだら悲しそうにするやろ。俺がちょっと返事遅れただけで、嫌われたんかって聞くやろ」
水「俺、紫を不安にさせたくないねん。せやから、なるべく早く返事して、紫が寂しくならんようにして……」
声が震えた。
水「でも、どんだけ頑張っても、紫は不安になるやん……」
紫の表情が歪んだ。
水「俺、どうしたらええん?」
紫「……」
水「どうしたら、紫は安心してくれるん?」
紫は答えなかった。
答えられなかった。
なぜなら、紫自身も知っていたから。
水が何をしてくれても、きっと自分は満足できない。
一緒にいてくれれば、もっと長くいてほしくなる。
好きだと言われれば、もっと強く言ってほしくなる。
自分を選んでくれれば、何度でも選び直してほしくなる。
紫「……ごめん」
やっと出た言葉は、それだけだった。
水は泣きながら笑った。
水「……謝らんといてや」
紫「……」
水「謝られたら、俺……また、許してまうやん」
その言葉を聞いた瞬間。
紫は、自分がどれほど水を追い詰めていたのか、初めて理解した。
# 08.さよならが言えない
それから数日間、二人は会わなかった。
水から連絡することも、紫から連絡することもなかった。
スマートフォンを手に取るたび、水は紫の名前を探した。
何度も、メッセージを打ちかけた。
『元気?』
『何してるん?』
『会いたい』
けれど、送信ボタンを押せなかった。
会いたかった。
声が聞きたかった。
いつものように名前を呼ばれて、頭を撫でてもらいたかった。
それなのに、会うことを想像すると怖かった。
紫の悲しそうな顔を見るのが怖い。
また自分が謝ってしまうのが怖い。
そして何より。
紫に会えば、きっと自分から離れられなくなる。
水「……なんやねん、これ」
水はスマートフォンを伏せた。
水「俺、何がしたいん……」
紫が好きだ。
それは間違いない。
でも、好きだからといって、何もかも我慢しなければいけないのだろうか。
好きだから、相手の不安を全部引き受けなければいけないのだろうか。
水にはわからなかった。
一方、紫もまた、眠れない夜を過ごしていた。
水のいない部屋は静かだった。
いつもなら、何気ない話をして、くだらないことで笑って。
帰る時間になれば、もう少し一緒にいたいと駄々をこねて。
水は呆れながらも、最後には笑ってくれた。
その日常が、今はない。
紫「……水」
誰もいない部屋で、名前を呼んだ。
返事はない。
紫はスマートフォンを手に取った。
水とのトーク画面を開く。
最後のメッセージは、数日前のものだった。
水『今日はちょっと一人で考えたいねん。ごめんな』
紫は、その文章を何度も読み返した。
――一人で考えたい。
――俺がいないところで。
――俺の知らない時間を過ごして。
紫「……嫌だ」
呟いた声が、自分でも驚くほど弱かった。
紫「水……」
会いたい。
謝りたい。
今までのことを全部なかったことにして、また笑い合いたい。
でも、もし水が。
もし、水がもう自分を必要としていなかったら。
紫「……いやだ」
目を伏せた。
紫「お願いだから、俺を捨てないで」
その願いを聞く人は、誰もいなかった。
# 09.別れよう
一週間後。
水は、紫を呼び出した。
二人が初めて一緒に出かけた公園だった。
紫は待ち合わせ時間より早く来ていた。
水の姿を見つけると、すぐに立ち上がった。
紫「水……!」
駆け寄ろうとして、途中で足を止める。
紫「……久しぶり」
水「……おう」
少しだけ、気まずい沈黙が流れた。
紫は何か言いたそうにしていた。
けれど、水が話し始めるのを待った。
水「……紫」
紫「うん」
水「俺、ずっと考えとってん」
紫「……うん」
水「紫のこと、好きやで」
紫の目が揺れた。
水「今でも好きやし、これからも簡単には嫌いになられへんと思う」
紫「……水」
水「せやけどな」
水は、一度だけ深く息を吸った。
水「俺ら、別れたほうがええと思う」
紫は動かなかった。
まるで、言葉の意味がわからないように。
紫「……え?」
水「……別れよ」
紫「……なんで?」
水「……」
紫「俺、何かした?」
水「……紫」
紫「直すから」
水は唇を噛んだ。
紫「嫌だったところ、全部直す。連絡だって、無理にしなくていい。友達と遊んでもいい。水の好きなようにしていいから」
紫は水の手を握ろうとした。
けれど、水は一歩だけ後ろへ下がった。
その動きに、紫の手が止まった。
紫「……触るのも、嫌?」
水「……ちゃう」
紫「じゃあ、どうして?」
水「……怖いねん」
紫は息を呑んだ。
水「紫のことが好きやから、離れたくない。会いたいし、声も聞きたいし、ほんまは今すぐ抱きしめてほしい」
水の目から涙が落ちた。
水「でも、このまま一緒におったら、俺……自分が何したいんか、わからんようになってまう」
紫「……」
水「紫が悲しそうにしたら、俺が悪いんやって思う。紫が寂しいって言うたら、俺がなんとかせなあかんって思う」
水は震える声で続けた。
水「でもな、俺も寂しいねん。俺も苦しいねん。俺だって、紫にわかってほしかったんよ……」
紫の目に、涙が浮かんだ。
水「……俺、紫の恋人でいたかった」
その言葉に、紫の表情が崩れた。
水「紫を安心させるためだけにおるんやなくて。紫に嫌われへんようにするためだけにおるんやなくて……」
水は、涙を拭った。
水「普通に、恋人でいたかった」
紫は何も言えなかった。
水「……ごめんな」
紫「……どうして、水が謝るの?」
水「……わからへん」
水は泣きながら笑った。
水「もう、何が正しいんかもわからへんねん」
紫は、ゆっくりと俯いた。
そして。
紫「……わかった」
水は顔を上げた。
紫「水がそうしたいなら、そうする」
その言葉に、水の胸が締めつけられた。
紫「今まで、ごめんね」
紫は笑った。
紫「幸せになってね、水」
水「……っ」
その瞬間、水は紫に抱きつきたくなった。
やっぱり別れたくないと、言いたくなった。
でも、できなかった。
水「……ありがとう」
それだけを言って、背を向けた。
歩き出す。
一歩。
もう一歩。
振り返らないと決めた。
それなのに。
紫「……水」
呼ばれて、足が止まった。
紫「最後に、一つだけ聞いてもいい?」
水は振り返らなかった。
水「……何?」
紫「……俺のこと、好きだった?」
水は目を閉じた。
水「……好きやで」
紫「……そっか」
水「今も、好きや」
言ってしまった。
言わないつもりだったのに。
水「……せやから、さよならや」
水は歩き出した。
今度こそ、振り返らなかった。
紫は、その背中を見つめていた。
涙が頬を伝っても、拭おうとしなかった。
紫「……俺も、好きだよ」
声は、水には届かなかった。
紫「大好きだよ、水」
誰もいなくなった公園で、紫は一人、立ち尽くしていた。
# 10.君のいない世界
別れてから、一か月が経った。
水は少しずつ、元の生活を取り戻していた。
友人と出かける。
好きなものを食べる。
気が向いたら、好きなだけ眠る。
誰かの顔色を気にせず、自分の時間を過ごす。
それは、思っていたよりも難しかった。
何か楽しいことがあると、紫に伝えたくなる。
悲しいことがあると、紫に慰めてほしくなる。
夜、眠れないときには、紫の声を思い出す。
水「……あかんあかん」
水はスマートフォンを置いた。
水「もう、別れたんやから」
そう言い聞かせる。
でも、心は簡単には納得してくれなかった。
ある日、友人と出かけた帰り道。
水は、偶然にも紫を見かけた。
駅前のカフェ。
窓際の席に座って、紫は誰かと話していた。
相手は、見知らぬ人だった。
紫は笑っていた。
水が大好きだった、あの笑顔で。
水「……あ」
足が止まった。
胸の奥が、ぎゅっと痛んだ。
――楽しそうやな。
そう思った。
――よかったやん。
そう思おうとした。
けれど、次の瞬間。
紫が相手の話に笑いながら頷くのを見て、水は目を逸らした。
水「……なんやねん、ほんま」
涙が出そうだった。
自分から別れを告げたのに。
紫に自由になってほしかったのに。
紫が自分の知らない誰かと笑っていることが、こんなにも苦しいなんて。
水「……俺、最低やな」
その夜、水は久しぶりに紫とのトーク画面を開いた。
最後のメッセージは、別れる前のもの。
もう、何も送らないと決めていた。
それでも、指が動いた。
『元気?』
打ち込んで、消す。
『今日、見かけたで』
消す。
『会いたい』
水は、その言葉を見つめた。
会いたい。
本当は、ずっと会いたかった。
水「……っ、あほ……」
スマートフォンを胸に抱え、目を閉じた。
水「……会いたいに決まっとるやん……」
涙が止まらなかった。
けれど、送信ボタンは押さなかった。
もう一度あの場所に戻ったら。
きっと、自分はまた紫を許してしまう。
そして、紫もまた、自分を手放せなくなる。
二人とも、同じ場所で苦しみ続ける。
それだけは、わかっていた。
# 11.それでも、愛してる
それからさらに一か月後。
水のもとに、一通の手紙が届いた。
差出人は、紫だった。
封筒を開くと、便箋が一枚入っていた。
そこには、丁寧な文字で文章が綴られていた。
『水へ。
突然ごめんね。
どうしても、一度だけ伝えたいことがあって手紙を書きました。
あの日、別れようと言われたとき、俺は何もわかっていなかった。
水がいなくなることばかり怖くて、水がどんな気持ちで俺と一緒にいてくれたのか、考えようとしていなかった。
水が俺を好きだと言ってくれるたび、もっと欲しくなった。
水がそばにいてくれるたび、いつかいなくなることが怖くなった。
だから、もっと俺を必要としてほしかった。
俺だけを見てほしかった。
でも、今なら少しだけわかる。
好きな人を大切にすることと、好きな人を自分だけのものにすることは、違うんだね。
俺は、水が好きだった。
本当に、大好きだった。
でも、好きだからって、水の気持ちを無視していい理由にはならなかった。
ごめんね。
水が苦しかったことに、もっと早く気づきたかった。
今でも、水のことが好きです。
でも、もう、水に俺のことを好きでいてほしいとは言わない。
水が笑っていてくれたら、それでいい。
……そう思えるように、ちゃんと頑張るね。
今まで、ありがとう。
紫より』
読み終えたあと、水は長い間、動けなかった。
涙が便箋に落ちそうになって、慌てて顔を上げる。
水「……ほんま、ずるいわ……」
声が震えた。
水「そんなこと言われたら……」
最後まで言えなかった。
嫌いになんてなれない。
今でも、好きだ。
紫が自分を傷つけたことも。
自分が紫を傷つけたことも。
全部、なかったことにはできない。
それでも、紫が自分を大切にしようとしてくれたことまで、嘘だったとは思えなかった。
水は便箋を丁寧に折りたたんだ。
そして、引き出しの奥にしまった。
捨てることはできなかった。
でも、返事もしなかった。
今はまだ、自分の気持ちを整理する時間が必要だったから。
窓の外では、雨が降り始めていた。
水は窓を開け、冷たい空気を吸い込んだ。
水「……紫」
小さく名前を呼んだ。
返事はない。
それでも、水は少しだけ笑った。
水「……ちゃんと、幸せになってな」
その言葉は、雨音に溶けて消えた。
#12.君が俺を殺すほど、愛して。
さらに半年が経った。
紫は、少しずつ変わっていた。
不安になったとき、すぐに誰かへ答えを求めるのではなく、自分の気持ちを整理するようになった。
寂しいときは、寂しいと伝える。
でも、その寂しさを相手に埋めてもらうことだけを求めない。
好きな人にも、自分とは別の世界がある。
頭ではわかっていたことを、ようやく少しずつ受け入れ始めていた。
水もまた、自分の気持ちと向き合っていた。
紫を好きだった自分を否定しない。
苦しかったことも、嬉しかったことも、全部自分の経験として受け止める。
そして、いつかまた誰かを好きになったときには、自分の気持ちも大切にしようと思っていた。
二人が再会したのは、偶然だった。
雨の日の駅前。
傘を差した水が顔を上げると、向こう側に紫が立っていた。
目が合った。
紫は驚いたように目を見開いた。
それから、ゆっくりと頭を下げた。
紫「……久しぶり、水」
水「……おう。久しぶりやな」
それだけだった。
二人はしばらく、雨の中で向かい合っていた。
紫「元気だった?」
水「……まあな。紫は?」
紫「うん。元気だよ」
水「……そっか」
ぎこちない会話。
以前なら、すぐに手を繋いでいた。
以前なら、どちらかが寂しいと言えば、もう一方が抱きしめていた。
でも、今は違う。
二人は、それぞれの傘を持って立っていた。
紫「……水」
水「ん?」
紫「手紙、読んでくれた?」
水「……読んだで」
紫「そっか。ありがとう」
紫は少しだけ笑った。
紫「返事をくれなかったから、届いてないのかと思ってた」
水「……ごめんな」
紫「ううん。謝らなくていいよ」
紫は首を横に振った。
紫「返事をするかどうかも、水が決めていいことだから」
水は、目を伏せた。
その言葉を聞いて、胸の奥が熱くなった。
ああ。
この人は、本当に変わろうとしているのかもしれない。
そう思った。
でも、それだけで、すべてが元に戻るわけではなかった。
水「……紫」
紫「うん」
水「俺な、まだ紫のこと好きやと思う」
紫の表情が止まった。
水「……でも、前みたいには戻られへん」
紫「……うん」
水「紫のこと、嫌いになったわけやないねん。ほんまに。せやけど……」
水は、ゆっくりと言葉を選んだ。
水「好きやからって、一緒におらなあかんわけやないやろ?」
紫は黙って頷いた。
水「俺は俺の時間を大切にしたい。紫にも、紫の時間を大切にしてほしい」
紫「……わかった」
水「……ほんまに?」
紫「うん」
紫は、少しだけ目を細めた。
紫「寂しいけどね」
水の胸が痛んだ。
紫「でも、寂しいからって、水を困らせたくない」
紫は傘を持ち直した。
紫「……会えてよかった」
水「……俺もや」
紫「じゃあ、またね」
水「……おう。またな」
紫は歩き出した。
水も反対方向へ歩き出す。
数歩進んだところで、水は振り返った。
紫も、ちょうど振り返っていた。
目が合う。
二人とも、少しだけ笑った。
それだけだった。
でも、その瞬間。
水は初めて、紫を好きなままでも、自分の足で歩いていけるのかもしれないと思った。
紫もまた、水が自分の隣にいなくても、水を大切に思い続けることはできるのかもしれないと思った。
二人の距離は、もう戻らないかもしれない。
それでも。
二人が過ごした時間まで、なくなるわけではなかった。
――好きだった。
――大好きだった。
――そして、今でも。
雨は、静かに降り続いていた。
⸻
エピローグ
その夜。
紫は部屋で、一人、窓の外を眺めていた。
机の上には、あの日、水が置いていったものと同じ色の小さなキーホルダーがあった。
二人で出かけた日に、水が「かわいいやん」と笑っていたものだ。
紫はそれを手に取り、そっと握った。
紫「……水」
もう、返事を求めることはしない。
会いたいと思っても、寂しいと思っても。
その気持ちを、水に背負わせない。
紫は目を閉じた。
紫「……好きだよ」
静かな部屋に、声が落ちた。
紫「今でも、大好き」
それは、誰かを縛るための言葉ではなかった。
ただ、自分の中にある気持ちを、初めてそのまま認めるための言葉だった。
一方、水もまた、部屋で小さな箱を開けていた。
中には、紫と過ごした日の写真が入っている。
笑っている二人。
少し照れた紫。
ふざけて変な顔をしている水。
水は一枚の写真を手に取った。
水「……ほんま、ええ顔して笑うなぁ」
少しだけ、涙が滲んだ。
水「……好きやったで、紫」
過去形にするのは、まだ難しかった。
それでも、水は写真を箱に戻した。
そして、窓の外を見上げた。
雨は、もう止んでいた。
二人は、別々の場所で生きている。
同じ空の下で。
同じ思い出を抱えたまま。
愛することは、相手を自分だけのものにすることではない。
けれど、そう気づくまでに、二人は少しだけ傷つきすぎた。
それでも。
もし、もう一度出会える日が来たなら。
今度こそ、二人は。
好きという言葉を、誰かを縛るためではなく。
誰かと生きていくために、使えるだろうか。
――それは、まだ誰にもわからない。
『君が僕を殺すほど、愛して。』
その言葉だけが、二人の過ごした時間を、静かに覚えていた。
こぬぬー(響)
る か
コメント
1件
うわあ……これ、読んでて胸がぎゅってなったわ。 紫の「愛してる」が重くなっていく過程とか、水が「なんで俺ばっかり謝ってるんやろ」って気づき始めるところがリアルすぎて苦しかった。「好きだから一緒にいる」と「好きだから離れる」の境界線って本当に難しいよなあ。でも、最後の再会シーンで二人がそれぞれ「好きだけど、前には戻れない」ってちゃんと向き合って歩き出そうとしてるところに、すごく希望を感じたわ。 1話だけでこの没入感、ヤバい。続きが気になる🔥