魔法使いと人間が住む世界-
10年前、人であり人でない『カセキ』と呼ばれる魔物と大規模な戦争があった。
ダイヤモンド一族という魔法使いが戦争を治め、新たな時代が始まった……
ダイヤモンド王国の町外れの静かな森にひっそりとたつお屋敷があった。
朝だよと鳴く鳥の声が聞こえる。
私はうっすらと目を開け、体を起こす。すると、誰かがコンコンと部屋の扉を鳴らし入ってきた。
「おはようございます。アクア様。」
そう。私は貴族マリンローズ家のアクア・マリンローズだ。そして、部屋に入ってきたのは私の執事であるサファイアだ。
「……。おはよう、サファイア。」
「今日は魔法学校の登校日初日です。早めに家屋敷を出ましょう。」
「私…魔法使えないけど、大丈夫なのかなぁ。」
私は魔法が使えない。魔法道具(ジュエリートール)を持っていないのだ。魔力はあるらしいが、こんな私が魔法学校なんて大丈夫なのだろうか。私の身支度を整えているサファイアが答える。
「ご心配なく、人間も居ますよ。それに、カセキを倒す方法はいくらでもあります。
まずは、朝食を召し上がってください。」
サファイアは人間で、戦争が終わってからの付き合いだ。両親が引き取り、私の執事として雇ったらしい。もちろんカセキを倒すための魔法学校へ行く。
朝食を済ませ、行く準備をした。魔法学校は寮生活なので、しばらく家を空けることになるだろう。
「行ってきます。」
2人は慣れない制服を着て学校へと向う…
<続く>