「せんせー、寝ていいー?」
「おまえ、今授業中だぞ?また抜け出したのか?」
「ちゃんと先生に言ったしー」
「ほんとに体調が悪い時だけ来るようにして」
「やだ、授業めんどくさい」
「おまえなぁ、…」
俺の名前はゆあん。高校の保健室の先生をしている。
そしてこいつはjp。問題児というほどでは無いが、授業がめんどくさいという理由でたびたびここにやってくる。
「保健室男の先生って珍しいと思うんだよね」
「一生言ってるな、ほんと」
「だって女子が怪我した時とかどうすんの?見れんの?」
「そういう理由で保健室の先生になったんじゃないわ」
「えーー、だとしてもじゃん」
「はいはい、静かに寝ろ」
「うい、」
一応、”こうしてほしい”といったら言うことは聞くので俺はいい子な方だとは思ってる。いや、ただのサボりなのか?正直、高校生にもなると怪我する人は少ないため俺はほぼ1人だ。そのため、たまに思うことがある。”jp来てくれないかな”と。
ここまで来たらもう末期かもしれない。だが話し相手は誰だって欲しいものだろう?
「……ねた、」
ちらっとjpの方を見てみると爆睡してる様子。寝る速さはのび太くらい早い。
この学校では整った方の顔立ちでよく女子からもモテている。なのに彼女を作る気は無いようだ。
「失礼します」
「あ、jっp、授業終わったよ」
「んえー、はや」
「ほら、帰るよ」
今入ってきたのはmfくん。生徒会長を勤めていて、よくjpの面倒を見ている。
「先生。ちゃんと言ってくださいよ」
「はい、すみません」
この通り俺が甘いため、よくこうやって正論を言われている。
「せんせー怒られてやんのー笑」
「お前のせいだわ」
「じゃーね、せんせー」
「…ん、じゃーな」
いつもこうだ。jpが来ては休み時間が来ればmfくんが連れて帰る。そんな時に、俺は少し寂しく感じる。
「はーー、まじで、よくな」
「次、体育だよ」
「んえー、うそでしょ」
「ほんと」
「めんどーい」
「早く着替えていくよ」
「うい、」
彼のめんどいに、ホントの意味が込められてると思ったことは俺はない。ずっとjっpといた、まあつまり幼なじみ的な存在だが、やることなすことjっpは全て楽しそうにしている。
「お、jp!お前またサボってただろ!」
「早く着替えていくぞ!」
「まってよ、俺そんな着替えるの早くないって笑」
教室に入れば、jっpはすぐに囲まれる。どうしてこんなにも人気者なのに保健室に行くのだろう。あの先生と話すのが楽しいのかな。
「はやくしろよ!チャイムなるぞ?笑」
jっpを取り囲んでいるクラスメイト達がjっpを急かすように呼びかける。
「先行ってていいよ」
「はぁ?なんでだよ、待ってあげてるんだぞ?笑」
「いやいいよ、俺mfくんと一緒に行くから」
「、あっそ」
さっきまでjっpを取り囲んでいた奴らが一気にグラウンドに向かう。jっpはああいうタイプの人間が嫌いだ。それを知ってるから俺は別になんとも思わない。
「人間関係ってめんどくさーい」
「ほんとにね」
かく言う俺はどちらかと言うと嫌わているタイプの人間だった。昔から勉強が好きで、流行りとかはよく分からず、クラスの輪にも馴染めてなかった。
「あいつってガリ勉だよな」
「ねー、近寄り難いっていうか」
「話し合わなさそう」
「分かるー、」
「(聞こえてるっての…)」
こういう独断と偏見で俺に近づく人は誰もいなかった。でもjっpだけは違った。jっpはそんな奴らのような考えはなく、ただ話したいという感情だけで俺に話しかけてくれた。
「jっpってさ、人間好き?」
「何その言い方笑」
「まあー、人による」
「jっpにとって俺はどういう存在なの?」
軽く行ったつもりだが内心バクバクしている。俺はこう見えても世話焼きのためいつもこうしてjっpを教室まで連れて行ったりしてるがそれが本人からしたらウザイのかもしれない。それが、怖かった。
「どうって…お世話さん?」
「え、」
「んー難しいな、面倒見のいい兄みたいな。見てると思うんだよね、俺とmfくん」
「似てるかな、俺とjっp」
「俺はそう思うだけだよ、俺嫌いだもん、独断と偏見でこういう人だって決めつける人たち」
「うん、それは俺も」
jっpのことはなんでも知ってるつもりではある。アイツらよりはね。でもそう思ったことはなかった。なんなら、俺とjっpは真逆の存在だと思っていた。言うならば月と太陽のような、そんな存在。本当は関わるべき存在では無かった。ずっとそう思ってきた。
「やべ、チャイムなる」
「行こう」
「うん」
コメント
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めっちゃ好きです。yaくんが先生だから注意しないといけないけど本当はずっと居て欲しいって思ってるとことかmfくんが不安になってjpさんに質問した時のjpさんの返しが素敵なとことか全部が好みで死ぬかと思いましたurさんも今後出てくるってことを考えると心臓が破裂しそうです