mfさん視点
「すいませーん、」
誰かが3年A組の教室に大きい声で聞いてくる。
「1年生?3年生の誰かに用事?」
「jp先輩ってこのクラスすか」
少しチャラそうな見た目に身だしなみがなっていない。注意したいが、急に突っかかるのもどうかと思うので一旦スルー。
「jっpなら保健室にいると思うよ」
「あざす、仲良いんすね」
なんだこいつ、1年のくせに生意気だなと思いながら苦笑いをかます。こういうタイプは苦手だ。
「jっpに用があるなら俺から伝えとくけど」
「いや、落し物なんで、大丈夫です」
「尚更俺が渡した方が早いと思うけど…」
こんだけ渡すのを渋るということはさてはjっpに用があるな?と思いながら何故か不安がよぎる俺。結局相手も譲らず後輩の子に渡してもらうことに。
「あ、ちなみに保健室にいなかったらどこにいますか?」
「…いるよ、絶対」
「、笑」
yaさん視点
「失礼しまーす」
「あれ、君1年の…篠原くんだっけ」
珍しい来客が来たなと思ったらどこかへ向かう篠原くん。と思った瞬間jpが寝ているカーテンを勢いよくあける。
「ちょ、何してんの!?」
「…ほんとにいた」
「jpに用?俺が伝えとくよ」
「、笑みんな言うんすね、それ笑」
は?と意味不明だったがすぐに理解できた。
mfくんの所へ行ったんだ。
「いや、保健室に居座られても困るし…」
「というか昼食は食べたの?」
「食べました」
俺に返事は返すがjpのことを目でずっと見ている。まあ整った顔だから見たくなるのは分かるけど。良かった。今日見てなくて。
「……ん、、ぁ」
「…だれ」
「jp、その子は1年の篠…」
「urです」
「篠原って呼ばれるの嫌なんでurって呼んでください」
「ん、urね、覚えた」
「で?俺に用?」
「これ、」
篠原くんのポケットからjpの生徒手帳が出てくる。なるほど、落し物を渡したかったのか。
「…ほんとだ、ない」
「ありがと」
「でもわざわざここに来なくても1回教室行ったんでしょ?mfくんに渡してくれたら良かったのに」
「…本人に渡した方がいいのかなって」
「さては中身みたな」
「まじですいませんでした」
「んもー、まいっか、どうせ捨てるものだったし」
俺が分からない内容をたらたらと話すふたり。頼むからここでやらないでくれ。
「せんぱ──」
「せんせー、あの何分で授業始まる?」
「あと、5分もないぞ」
「めんどくさい、行きたくないーー」
「行ってこい」
尽く授業を受けたがらないjp。だがそれと同時に今は嬉しさが込み上げている。篠原…urがjpに話しかけたのにjpは俺に話しかけてきてくれた。それが嬉しくって。でも、気づいてはダメな感情で。
「んー、!はぁ、戻るか」
「よしその意気だ、もう来るなよ?」
「はーい、善処しまーす」
「ur、一緒に行こ」
「あ、はい」
「じゃーね、せんせ」
「…おう、」
urさん視点
おかしい。彼にあってから俺がおかしい気がする。まるで、いつもの俺じゃないみたいな。
「ねえ、さっきなにか言いかけてたよね」
「なんて言おうとしたの?」
「…忘れたっす」
「ふふ、そっか」
「…そのキャラは誰かに言われて?違和感あるんだけど」
「え、」
一瞬、時が止まった。今まで誰にもそんなこと言われたこと無かったから。
「あ、ごめん、嫌だった?でも、なんか無理してるようにしか思えなくて」
「…してないっす」
してない、俺がしてるわけが無い。才能がないのだから努力で這い上がるしかない俺が、してるわけが無い。だって努力をこれまで何もしてこなかったんだから。だから、皆がこうした方がいいよって言ってきたから、このキャラにしただけ。
「そお?ならいいけど」
「…もし作ってるならば、俺と同じだと思ったんだけどなー」
「あなたと同じにしないでください、そんな毎度毎度保健室に行ってないです」
「ふふ、確かにね」
「でも俺はわかる気がするよ、urの気持ち」
ムカつく。無責任な言葉、俺になげかけないでほしい。
「ただのサボりなんかに、俺の気持ちが分かるわけない!!」
「…いい顔できるじゃん、笑」
「は、?」
「俺は素のurの方が好きだよ」
嗚呼、やっぱり彼にあってから俺の心臓はおかしい。
コメント
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urさん来たぁぁああ!!そして無自覚片思い。めっちゃいいですね!urさんとmfくんはまだ初心だから恋って気付いてないんでしょうか。反対にyaくんは大人ってこともあって自分の気持ちに薄々勘づいているんですかね。最高ですか。jpさんは誰のことが好きなのか分からないけど誰のことも恋愛としては見てないってこともありますもんね。でも3人も惚れさせるとか天然タラシですか。好きです。