例のアレが導入された話
🟦🏺
事件対応が終わり、屋上から降りてきた青井は休憩所でなにやらモジモジしているつぼ浦を発見した。
「つぼ浦何やってんの?」
「あ、アオセンか、びっくりさせやがって」
背後からかけられた声に驚きながらつぼ浦はゆっくり振り向く。その姿に青井は違和感を覚えたが、すぐに気づいた。
「え、どうしたの?なんで前閉めてるの?」
「あ?べ、別にいいだろ」
いつも開けっ放しのアロハシャツ、その前のボタンを全部きっちり締めていたのだ。彼の好むオレンジ色のシャツがほとんど見えず、青井は首を傾げる。
「もしかして寒いの?お腹でも壊した?」
「チクショウ、大丈夫だから、俺に構うなよ!」
「いや気になるだろ、何?どうしたの?」
逃げようとするつぼ浦の手を掴むと振り払おうとして揉み合いになった。振り払う拍子に青井の手がつぼ浦の胸にドンと触れた。見慣れぬ硬い質感に、青井は怪訝な顔でつぼ浦を見上げる。
「お前、これ何つけてるの?」
「……ッ、気づきやがったな」
「見せてよ」
「い、嫌だ」
青井は冷や汗をかきながら逃げようとするつぼ浦の腰に手を回し、逃さぬように押さえつけた。こんなに嫌がるのはなぜなのか、誰かになにかされたのか。嫌な予感でグラグラする頭のまま上から順にアロハシャツのボタンを有無を言わさず外す。
「……は?」
出てきたのは胸のあたりを横断する真っ黒いベルト、最近街で販売されるようになったというハーネスだった。いわゆるショルダーホルスターとしても使えるだろう。
「ここに銃入れてたらすぐ構えられて便利かもなって思ったんだけどよ」
つぼ浦はそう言いながら青井の手を振りほどき、残りのボタンを全部自分で外す。その顔は少し赤らんでいる。
「……なんで隠してるの?」
その言葉でつぼ浦の顔が誰が見てもわかるほどに赤くなる。
「そりゃ、その……便利だと思ったんだぜ!俺は!」
「うん。それで?」
「でもいざつけてみたら、その……」
口ごもるつぼ浦の身体を青井は改めてしげしげ眺める。健康的な若い身体が、しっかり筋肉のついた胸が、そこに食い込む一本の黒いベルトのおかげで強調されている。
背中に手を回すとそこにも当然ベルトがあった。この元気はつらつな炎の塊が服の下ではこんなベルトに身体を拘束されている。今すぐアロハシャツを脱がせたい衝動をぐっとこらえ、青井はつぼ浦を見上げる。服を着ているからこそ生まれる背徳感もある。
「なるほど、……なるほどね」
「アァ?!なんだよ!」
「ちょっと良くないこと考えちゃった、ありがとう」
「な、なんだよ、感謝すりゃなんでも許されるわけじゃねぇぞ」
力が緩んだ青井の腕からバッと逃れ、つぼ浦は不満げに頬をふくらませる。少し距離を取って見てみても、やはりたったベルト一本があるだけでフェティッシュな魅力を醸し出している。頭の先から爪先まで眺めてから青井は悪そうな笑顔を浮かべた。
「ていうかさ、自分でこれえっちだからまずいなって思ったってこと?」
空色の目が琥珀色の目を捉えた。熱せられた炭のようにつぼ浦の顔が真っ赤になり、同時に大きく開けた口から声にならない悲鳴が漏れる。
「えーどのへんがえっちだって思ったの?」
「う、う、うるせぇ!!やめた、もう脱いでくるぜ!!」
「胸?やっぱり胸だよね?乳首に目が行っちゃうもんね、ずるいよなーハーネスって」
臆面もなく言いたい放題言う青井から殺気を感じ、つぼ浦はジリジリ距離を離す。
「俺の前だけではつけてよー」
「断るぜ」
「じゃあ俺つけようかな」
「なんでだよ!?」
「え、俺とおそろいじゃだめ?」
「……上手いこと言って俺を巻き込もうとしても無駄だぜ!」
ゆらりと踏み出した青井を置いてつぼ浦は更衣室に向けて走り出した。色々遊べそうだから後で1つ買っておくか、と考えながら青井はその後ろをゆっくり追った。
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運 営 様 あ り が と う
各方面のオタクが助かってる。🏺につけてほしいよねって話。🟦がつけたらメロいに決まってんだから…ッ!!!
すでにサスペンダーの時点でなかなかエグい🧪さんがつけたら私は気絶します、昇天
コメント
8件
ハーネス🏺ありがとうございます!!自分でもちょっとアレだなと思ってアロハの前を閉じる🏺最高です。着こんでるほうがちょっとえっっっtを感じる人間もいるんですよ!と伝えたい気持ちと知らないでいてほしい気持ちが半々に…あわよくばハーネス付き🧪も読んでみたいです…!素敵なお話をありがとうございました!
胸にある固いもの…、? 最近入ったもの、? ハーネスじゃん!!!?? となり一回心を落ち着かせるために心の中で叫び そして続きを読みハーネスだと確信してまたしても(心の中で)叫び栄養過多ですありがとうございます、!!!!!
若干むっつりなつぼ浦でニヤニヤしてしまいました。 うまく言語化できないですけど、こういう厳ついのに何故だが色気感じるものって良いですよねぇ…(伝われ)