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紫 ……
本音を言えば帰って欲しくなかった。一人でいるのが憂鬱。たった2日しか一緒にいなかったかもしれない。でも俺からしたらあの2日間はとても大きなものだった。
紫 なんだろ、この気持ち…
極力あいつといたい。誰にも取られたくない。ずっと話してたい。また俺に目を向けてほしい。
俺は昔から自分の思いを伝えることが苦手だ。どうしようとしてもぶっきらぼうな言い方になってしまって他の人が離れていく。そこまでがテンプレだった。素直に言えばいいのに言えない。羞恥心を感じてるのだろうか。いや多分そう。こんな俺が急に本音を言ったら引かれること間違いなし。だかららんには当然嫌われてると思ってた。でも否定してくれた。それが嬉しかった。
桃 はぁ……
どうしてキッパリと嫌いじゃないと言えたのだろうか。今でも不思議だ。
「らん…はさ、俺の事嫌いっしょ.ᐣ」
そう言った時のいるまの目が忘れられない。その時の目は何処か悲しそうで儚さを感じられる目だった。俺はいるまに嫌いと思わせるような態度をとっていただろうか。過去の自分を振り返っても分からなかった。
桃 何が正解なんだか……
俺は幼い頃からリーダーやまとめ役になることが多かった。別に望んでやってる訳ではなかったけど。「お前にしか任せないんだ」「あなたを信用してやってるの」みんなそう言う。俺の気持ちなんてお構い無しに。そう押し付けられてく度にそれが当たり前になっていった。もう断りもせず受け入れ続けた。意見を言うだけ無駄だと思ったから。言ってもどうせ俺の意見は反映されない。分かりきっていた。初めは嫌だったけど今になればもう慣れっこ。生徒会長も辞めれるならば辞めたいけどね。
紫 ポチポチ
俺は気がつけばスマホを手にして操作してた。
桃 ピコーン
いるまかと期待してスマホを手に取る。
「紫 *なぁ、らん*」
「桃 *何.ᐣ*」
「*紫 明日って時間ある.ᐣ*」
「*桃 別にあるけど、何で.ᐣ*」
「紫 *お前に話したいことあってさ、*」
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