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アナウンスが鳴り響く彼女はそのまま話を続けた
『申し遅れました。私は案内人を努めさせていただきます。黒と申します。以後お見知り置きを…』
軽く自己紹介をしたそうすると周りのヤツらがぎゃーぎゃーと騒ぎだす
早くここから出せという声が多数だったそりゃそうなるのも分かるが言ったって何も変わらないと思う最初からあんなゲームをするのだろくでもないやつなんだろうと察しは着く
『静粛にしてください。出なければ…』
黒という案内人がそう言うと1発の発砲音が聞こえた音のする方に目線をやるとそこにはひとつのロボットが銃弾を構えている
『1人ずつ排除するまでです』
彼女はそう一言周りはまたもや空気が凍りつく『それではルール説明をさせていただきます。SECONDGAMEではある廃墟の学校で行います。とある少女からの願い事を叶えてください』
ルール概要・少女の願いを聞いて目的を達成させる・人喰いの化け物が存在・チームを組んでもよし、個人での行動も可・目的を達成し出口から出れば成功とする・ゲーム中での相手の妨害など可だが殺す手前までなどは強制退場とする・武器など配置されていますがたったの2つ、プレイヤーの方への攻撃は禁ずる・武器のひとつは銃系、もうひとつは爆弾、なおプレイヤーには効果ありません
『ルール説明は以上です。それでは準備できた方から扉の向こうへとお進み下さい』彼女がそう言うと大きい木造の扉が現れ、ゆっくりと開かれるそこには暗い森の中に包まれていたきっと奥に行けば廃墟された学校があるのだろう「なんかワクワクしますね」シスターさんは満面の笑みを浮かべるそういえば彼女はホラー好きだった「き…肝試しみたいなものですか……正直僕は早々に立ち去りたいんですが」ゲールさんはザペルの後ろにこっそりと移動し、少し震えながら話す
彼は元からこういうのは苦手な部類だ俺やザペルは平気だし大丈夫だろう「そんなこと言ってたら先に進めないっすよ?それにそんな怖がらなくても大丈夫ですってw」ザペルは軽くケラケラと笑い、ゲールさんの肩を叩きながら言うそう話していると向こうからギャーギャーと騒いでいるのが聞こえた「早く行こうっっって!!!!そうしたらカインさん達を見つけられるかもなんだよっっっっ!!」全身獣で白く毛深い狼そしてアメジストのような紫の瞳にナチュラルワンピースを着ているもう1人はてるてる坊主アバター「嫌だァァァァ!!無理なものは無理なのぉぉぉぉ!!」そうてるてる坊主が言いながら獣に首元を肉球で捕まれじたばたとしている姿が目に入る彼女は泣きながら引っ張られるが全力で抵抗し、逆方向へと前へ進む「何をしておるんでしょうな……あちらは…」レーアさんがそう言うと白狐さんは首を傾げる俺はため息をした後にそいつらの所へと近づき声をかけた
「何してんだ……テテル。モフテル。」2人が驚き、俺の方に目線をやる「「カイン/さん!!!」」息ぴったりなのか同時に言った直後、俺のふところへと飛びつく「おいっ…!がっっつくなお前らっっ……」俺は2人を引き剥がそうとするが力が強いせいか離れないしばらくして2人は満足したのか俺の体から離れるもうこれだけでも疲れた「あら?テテルさんにモフテルさんではありませんか。おふたりもご無事だったのですね」シスターさんがニコッとしながら言うとゲールさんもははっと軽く笑う「相変わらず仲がたいいね2人とも」そんなこんなで話をし、レーアさんと白狐さんの自己紹介等を済ませいざ扉へと向かう扉の先へ行くと当たりは霧に覆われていた地面の道をザクザクと足音を立てながら廃墟へと向かう学校の正門に着くと霧が薄くなりはっきりとその建物が見えるようになった先に行ったプレイヤーたちは見当たらないもう既に中に入ったのだろうか俺たちは下駄箱へと足を踏み入れる
懐中電灯が人数分、目の前から突然現れた『運営からの配布です。皆様お気をつけて』黒の声が響き渡ったそれと同時にぐちゃぐちゃと汚い音が聞こえてきた粘土を水浸しにしたものを踏んだような音「ァァァ………ア゙ア゙…」うめき声がかすかに聞こえた「ひっ……!!か…カイン。早く行こうよ……」テテルが俺の袖を軽く引っ張る「とりあえずみんな静かに隠れてください」みんなそれぞれひっそりと隠れるテテルと白狐さんは下駄箱の中に隠れ、レーアさんやシスターさん、ゲールさんはほうきなどが入っているロッカーの隣に隠れる俺とモフテル、ザペルは下駄箱の影に隠れた俺はそっとそいつの姿を確認するドロドロしたような黒い液体が廊下をゆっくり移動していた目は無く、裂けたような口が何個もバラバラに付いるドロドロした黒い液体の所々に様々な人間の手足がついていたさすがに誰が見ても気持ちが悪い俺は試しに近くに落ちていた上履きをそいつの近くに投げた
ボトッと大きな音を立てそいつの少し離れたところに落ちるそれに反応したのか体の下から触手のようなものが伸び、上履きを持ち上げる「ウウウ……アア?ア゙ア゙ア゙!!」そう聞こえると怒ったように上履きを投げ捨てたそしてまた動き出し下駄箱から去っていった俺たちは居なくなったと確認して全員出てくる「ひぇぇ……あいつがあの化け物ですよね…めっちゃ怖いんですけど……カイン君は何してるんですかあれ!!バレるところだと思いましたよ!」ゲールさんがそういいながら俺の肩を掴んで揺する「確認ですよ……あいつ目がなかったんで音で反応するのかと思って」「確認の仕方他にもあったでしょ?!」いや他に試すすべが正直ないんだよな…するとテテルがすぐさま俺の小さい袋の中に入るカタカタと体を振るえさせながら怖がっていた「テテルお前やっぱり怖がりなんじゃねぇかw」ザペルがケラケラと笑いながら言う
流石にキツかったかその言葉にも何も応答しない「はぁ……しばらくそこにいていいからな。テテル。」そういうと安心したのか震えが止まり、こくりと小さく頷いた
「あらあら……ザペルさん女の子を泣かせてしまうのはいけませんよ?」シスターさんがため息をしていう「え?!俺っすか?!」「あんたこれ終わったら銃撃戦のタイマンしよっかぁ」モフテルがニッコリと怖い笑顔で言うザペルは冷や汗をし、青ざめながら静かに目をそらすモフテルは銃撃戦のゲームで断トツ1番を誇るほどの実力者だ怒らせたら終わりだと思った方がいいだろう「お断りさせてもらう」ザペルはキッパリ断る「我が見つからないということは本当に見えないということでしょうな…」真剣に考えているレーアさん「そうですね……だってレーアさんのその姿2メートルは超えてますよね…僕の身長より全然上ですし……」ゲールさんの言う通りだ
この中で1番目立つと言ったらレーアさんだろうまぁ俺の剣とかザペルの盾も目立つだろうけどな「さて…先へ進みましょう。早くしなければ早めに終わることなんて出来ませんし」シスターさんは早く行ってホラーを満喫したいご様子だ一応デスゲームに参加しているのにその危機感はあるのだろうが不安だその前に少女を探すのが重要さっさと見つけだして目的を達成させなければ……すると少女の声が聞こえてきた〔だーるまさーんが……こーろんだ……だーるまさーんが……こーろんだ〕廊下中に響き渡る「ぎゃぁあぁ!なになになに!こわい!!」モフテルがザペルを盾にしてカタカタと震えながら言う「おいおい!俺を盾にするんじゃねぇ!」相変わらずだなずっと少女の声が響き渡る声が聞こえる所へと近づく「え!!ちょっとカインくん!」ゲールさんが止めに入る「少しだけ確認しに行くだけですよ」
俺はそう言ってゆっくりと教室の扉をガラッと開ける窓側の真ん中の席そこに純白のワンピースを着た女の子が座っていた〔だーるまさーんが……こーろんだ……だーるまさーんが……こーろんだ……もーいーかい………どこにいったの?お兄ちゃん〕お兄ちゃんを探しているのか?そこを探すのが今回の目的なのだろうかこの学校は3階まであり、その中であの怪物を避けながら探さなければならない教室を見回すと掃除ロッカーの近くに小さい金庫があったその中に呪いの御札のようなものとボロボロの日記帳が入っていた「すごいボロボロですね…相当昔のものでしょうか…」シスターさんがまじまじと見る「まぁ見た感じそうでしょうな…」後ろに立ち、上から見下ろすレーアさんゲールさんが手に取り、ページをめくる
〇月✕日今日は初めての学校に行った友達も出来てものすごく楽しかった楽しそうな1日日記のようだった
しかし読み進めていくと内容がガラッと変わる×月△日学校内でケロケロ様という神様が住んでると噂があったケロケロ様にお供え物をしたらなんでもお願いを聞いてくれるんだってどんな願いごとがいいかなぁ……最近お兄ちゃん見かけないけど大丈夫なのかな
その後のページはボロボロに破かれていた
その頃、上層部
「やってるね。早く混ざりたいものだ」
1人のオオカミがスーツ姿でケラケラと笑いながら悔しそうに言う
2人はモニターを見ながら全ての試合を見ている
肝試しをしている所、バトロワを初めとする試合をしている所など壁に血が飛び散り化け物に食われ、どんどん死んでゆく
「でも俺たちの出番はまだだろ?今邪魔したら黒に怒られるし」
ロザリアの姿で腕を組み、モニターを見ながら言う彼
「……楽しそうですね…おふた方」
氷のような水色の髪に黄色の瞳メイドのような服を着ている彼女は入口から2人の様子を見ていた
「そりゃあもう。最近だといい骨のあるやつなんか居なかったからね。今回のゲームは楽しめそうだよ。パゴニアはどうするの?」
ウキウキとしながらそう話し後ろを振り向きながら聞く狼
彼女は表情を変えない
「……私はまだ仕事が残ってますから…今回は参加しませんよ……」
淡々と静かに答える
「パゴニアは今回出ないんだ。マスターからの命令?」
ロザリアの姿で腕を組み椅子に座ったまま彼女に聞く
彼女は少し黙った後にこくりと頷いた
いつも静かな彼女だが今回は少し様子が変だ何かありそうではあるが聞かなかった
マスターからの命令とは珍しい
「珍しいな。アラタたちも出るってなるしそれはそうなるかもしれない」
狼の姿の彼が言う
アラタは金髪の人で初期メンバーの1人だ
他にも糸使いのレイ
毒女のロウ
剣使いのアラタとオール
炎使いのカエン
吸血双子のゼロとゼル
感情使いの黒
全員で8名
その中でサポートを担当しているのがパゴニアである
いつもならメンバーの1人と行動しているはずだが今回はなし
こちらとしては異常な程、不思議な事だ
「あいつらには勝てないよ。実績も化け物だしな」
ロザリアの姿でモニターを見ながら言う
初期メンバー達の実力は計り知れない
そう話していると彼女はぺこりとお辞儀する「……では私はそろそろ処理していかないと行けないので…ここで失礼します」
無表情のまま彼女はそう言い、部屋を出た
「おー。頑張れよー」
狼が見送る
するとロザリアの姿をした彼は椅子から立ち上がる
「さて…ミルト。俺達も準備しようか」
ミルトはそういう彼の顔を見てニコッとしながら言う
「そうだね。りょふ」
そう話したあと、彼らも部屋を後にした
パゴニアは2人が出ていくのを確認したあとまた部屋に入るガサゴソと物色すると、とある写真が本の間からぱらりと地面に落ちる
彼女は拾い上げた
「……やはりあの方たちも処理するべきでしょうか…マスター」
インカムに手を当てながら話す
『大丈夫大丈夫〜!あいつらも役に立って貰わないと勿体ないからさぁ〜。記憶が戻っているのだとしたら余計に面白そうじゃない?』
ワクワクとした雰囲気が聞くだけで分かる
「そうですか……ならこの写真をどう致しましょう…」
写真を見つめそう聞くとマスターは楽しそうに答える
『そりゃあもう……』
“楽しくなる瞬間に壊すしかないよねぇ”
その言葉を聞きながらパゴニアは無表情のまま写真を回収する
『それじゃあ監視は任せたよ?パゴちゃん』「はい…マスター……仰せのままに」