テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
プロローグ
「し、しまっ…」
「陛下。列島方面に飛んで行きましたよ?」
刀で跳ね飛ばした先、それは守護対象の背後に。
海の波音が、冷や汗を撫でる。
「陛下。列島に指示を。」
あの黒いモノは、凶悪な生物の卵、密集体。
このままでは甚大な被害が出る。
「葉澄、ここは任せます。」
「はい。」
急がなくては…
*
「ひっ”…」
悪夢から目が覚めた。気がついたら吐いて、その次の瞬きでまた寝る。そんなことを無闇にひたすら繰り返していた。
(あ…茶溢してもうた…)
ティッシュをすっと一枚抜く
ゆっくり溢した茶の上に乗せると、半透明になって沈んでいく。
「…ゲホッ、ゴホッ……」
じっとそれを見つめている。こんな高さ1センチメートルにも満たない水たまりにもかかわらず、底はある。でも少し、ティッシュが浮いていた
自分が咳き込むと、少しだけ血が垂れる。よだれと混ざって少しどろっとしている
袖で拭くと、白い着物に赤色がついた
その時、目の前の襖が開いた
「あ、起きました?」
「奏斗…いつ来とったん…?」
奏斗は、自分のカウンセラーに近かった。
ある日山で迷っているのを案内して、知り合いのきっかけでまた仲良くなった。
「いまからおつかいに行きません? 彩花さんがお米と砂糖買って来て欲しいらしいんです」
「…行くわ…ちょっと待っとって。」
「わーい。」
素早くいつもの服を着て、縁側に出た。
朝からずっと寝ていたからか、まだ体内時計が狂っている気分。空はオレンジ色に染まる夕方を迎えていた。カラスが鳴いて、夕陽が自分の体の右側を照らしている
「綺麗な夕方ですね…」
「うん…」
上部の少しだけが青かった。
少しそこから右下に目をずらす。視界の右端に突然黒い星が映る。
「奏斗、あの星…」
「はい?」
空の黒い星を指差す。奏斗はそれを追って見つけると、目を細めた。
「うーん…あんな星実在するんだ… 」
「なんだか…禍々しい気がするけぇ見とうない…」
星をもう一度見ると、直前に見たより下に位置しているように見えた。瞬きを二回。見間違えかと思ったが、次は近づいているようにも見えた
それも、こっちに目掛けてくるよう
まっすぐ、そう、まっすぐに…
目の前に黒い何かが見えて爆発した瞬間に、自然と目がなくなったかのように目の前が真っ暗になった
*
「…っん……?」
自分が目を覚ますと、森の中だった。
奏斗が自分をおんぶしていて、前にひたすら走っている
「はぁ、はぁ…」
「か、奏斗?」
なんだろうと状況確認をするつもりで後ろを向くと
「っあっ…?あっ、ああっ…!」
言葉にならない声が自然と出る
「やめ、はなし、」
後ろの少女が首を掴まれ、何が入っているかもわからない壺に投げ入れられていた
「い”っ!?あぎ、」
ジュワァァァァ…
何か解ける音がして、自然と壺の中で怒ったことを悟ってしまったせいか、喉からまた小さい声が出た
ある人は部位を切断され、ある日は拷問されている
「いっ、嫌…!」
後ろからどんどん巨大な異形や妖精が追いかけて来てる、それは自分の生存本能を強く刺激し始めた。
自分は今、恐怖という地獄にいる…
#千葉くん愛される
青槍 未来
44
コメント
3件
口調でどこの都道府県かな〜っていうのが分かってきますね! そして、また好物の不穏系🤭 続き、楽しみにしています🫶
読み終えたわ! プロローグの「陛下」と葉澄の会話から一転、日常パートで主人公の不調(吐血・悪夢)が丁寧に描かれてて、これだけで世界観に引き込まれた。奏斗との穏やかな夕方が、あの黒い星の急接近と地獄のような光景で一気にぶち壊される構成、めちゃくちゃ効いてる。最後の「恐怖という地獄」って一文が重くのしかかってくる…続きが気になりすぎる🔥