TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
黄緑色🔞

一覧ページ

「黄緑色🔞」のメインビジュアル

黄緑色🔞

11 - 軍パロ4

♥

334

2024年08月28日

シェアするシェアする
報告する

tn side


ゾム、という暗殺者を無事に基地に連れ帰ることに成功した。

日頃から縛られたり殴られたりしていたのか、鬱血した痕や、所々に付けられた絆創膏が痛々しい。


「…あ、トンち。もしかしてその子が”脅威”?」


廊下ですれ違った大先生が問いかける。

「…せや」

自分でも分かるくらい強ばった反応をしてしまった。なにかと察したのか鬱は「…そっか。ペ神に頼まんとな」と言って去ってしまった。

鬱は作戦を組んだ一人でもあるので、脅威もといゾムの琴を酷く心配していたが、今日は何か颯爽としている。疑問を残しつつ、トントンは医務室へと急いだ。



「…ペ神おる?」

物の数分で着いた医務室の扉を足で開ける。何せゾムを抱えて手が塞がっているから。

「ん〜、あぁ、その子の手当ね。おけおけ」


迅速かつ丁寧にゾムを手当てしていくペ神をぼんやりと眺める。

「……身体、酷い状態だね」

「…………せ、やな」


大層いたぶられていたのに、肌は白くて美しく、その瞳は今は閉じられているが、エメラルドグリーンの輝きに酷く魅了される。

トントンは眠ったままのゾムの頭に手を伸ばすと、ふわふわと髪を撫でる。


泣いた痕を指で撫でると、少しだけ笑ったゾムをみてドクンとトントンの心臓が鳴った。


__彼が、好きだ。


そう理解するまでに時間はかからなかった。

胸の鼓動を抑えながら自分に問いかける。

相手は敵国の暗殺者、しかも男だぞ?

今は恋愛は自由だが、ずっとノンケだと思っていたため、トントンの衝撃は大きかった。


「__ト、__トン?_……おーい?大丈夫か〜?」

しばらくぼうっとしていたらしい。

ペ神に話しかけられて意識が浮上する。

「…あ、あぁ、ごめん。ちょ、聞いてなかったわ」


「…疲れてるんか?まぁいいか。ゾムはあと少ししたら目が覚めるだろうから、牽制役としても、そばに居といてくれ。錯乱してるだろうから、襲いかかってくるかもよ?」


「わかったわ。俺が居とくから、誰も寄らせんといてな」


「…ん?まぁ、次期にグルッペン達が来ると思うけど、そこんとこよろしくな」


「…ん、おけ」


上の空のトントンを置いて、ペ神は別室へと行った。


しばらくして、ゾムのまつ毛が震えた。

目が覚めようとしている。

ゆっくりと開かれたまぶたから、美しいエメラルドグリーンの瞳が覗く。

ゆるりとトントンの方に顔を向けると、意識の淡いまま、トントンのマフラーを掴んだ。


「………ん、あ、か、、、すき」


「…目が、覚め、た?のか?」


寝ぼけたように呟くため、確認が取れない。仕方がなくトントンはゾムの肩を揺すり、起こす。


「目、覚めたならしっかりと起きてやー」

小声で言うが未だゾムはぼんやりしている。

透き通るような肌と、熱があるのか朱色の頬。

それらが相まって艶かしい雰囲気を醸し出していた。


トントンは、その桜色の唇に口付けをしたい衝動に駆られた。


親指でぷにりと唇に触れたあと、ゆっくりと顔を近づける。


チュッ


軽く啄むようなキスをして、口を離すと、ゾムの意識がしっかりと覚醒していた。しかも顔を赤らめて。


「…っあ!ごめん、思わず…………」


これじゃあ彼処の奴らと同じや、トントンは嘆く。


「…っ、そう言えばここ何処?」

現実を認識したゾムは、己の身を案じる。


「…脅威、いやゾム。この国に来ないか?」


「……え、?」


可愛い顔が、困惑に染る。

きょとんとした姿が愛らしくて、ついまた顎を掴んで頬を触ってしまう。


ゾムは顔を真っ赤にして、しかしトントンの手に頬ずりをする。

そのことにトントンも顔を赤くする。


「…俺は、トントンって言うんや」


「…トン、トン。トントンが俺を助けてくれたん?」


「正確には俺一人だけじゃないけどな。そいつらはこれから来ると思う、で、ってなんで泣いとるんやっ?!」


そう、ゾムが大粒の涙を流していたのだ。


「…うっ、ひっぐ、わからへん、わからんよぉ……う、」


わぁ〜んと泣いたゾムは、トントンのマフラーに顔を埋める。

縋り疲れたその身体が小さくて、可愛くて、守りたくて、様様な気持ちに駆られた。


「…もう、大丈夫やで」


トントンもちょびっと泣きながらなんとか話す。


甘くて、しょっぱい、夜のお話。

この作品はいかがでしたか?

334

コメント

4

ユーザー

書 き 方 せ い へ き に ぶ っ 刺 さ り ま し た

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚