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フランス×イギリス
続きが思いきませんでした
没作品です 供養します
本編↓↓
轟々と燃える街。
その先の城があったと予想される場所は、瓦礫の山になっていた。
そこに、小さな少年が1人。
ただ悲惨な状態になった街を見つめ、静かに座っている。
その少年の瞳は濁り、この燃ゆる街の奥から来るであろう客を待ち構えていた。
「………。」
数十分して、炎の勢いが少しおさまった頃。
奥から、人影が見えた。数人はいるようだ。
あっという間にこちらに着くと、先頭の人物が目の前の少年の顎を上げ、目を合わせた。
「……お前は、お前らの国は、俺の国に負けたのだ。分かるか?チビ助。」
低く、圧がかかった声で少年へ話す”王”。
普通の子供ならば泣き出し震えるだろうが、生憎、話しかけているのは普通の子では無い。
少年は、顔色も表情も変えずに返事をする。
「はい、存じております。」
「……へぇ、俺が前にいるって言うのに、怖気づかないんだなぁ。随分肝が座っているようだ。」
「……お前に、選択肢をやるよ。俺の家来になるか、ここで死ぬか。」
選べ、と少年から手を離し、喉元に剣を突きつけた。
どうせ命乞いをするのだろう。そう、思っていた。
こんな危機的状況でも、少年は顔色1つ変えない。
「……では、私は死にましょう。」
そう言い、剣に少しだけ触れる。
指から、つーッと赤い血が流れた。
…予想外の答えだ。皆、命乞いをして仲間にしてほしそうにするのに、こいつだけ……。
「……お前は、命が惜しくないのか。」
若い年齢なのに目の前の脅威を恐れず、顔を何一つ変えず話す少年は、まるでロボットのようだ。
「……いらないなら消す。負けたなら消える。…これが、普通では無いのですか。」
少年のこの言葉で、置かれていた環境が一瞬のうちにわかった。
「……やめた。お前をこちらで預かる。今日からお前は俺の専属執事だ。」
王は少年の喉元から剣を退ける。
「これからは俺、」
仏「フランスがお前の主だ。」
そうフランスが言った時、少しだけ少年の瞳には光が戻っていた。
「……かしこまりました。」
「私は、」
英「イギリスと申します。」
「…ランス……、おき………さ…。」
「……フランスッ!起きなさいッ!」
「うっわぁ!?」
自身の名前を呼ばれ、驚いて目が覚めたフランス。
声がした方を見ると、執事のイギリスが立っていた。
英「ふふ笑、おはようございます。朝食の準備は既に出来ていますよ。」
飛び起きたフランスの情けない顔を見て、イギリスは軽く口に手を当て、上品に笑った。
その姿にフランスは少々怒りを覚えるが、頭が回っていないようで、その怒りも早々に消えた。
仏「……おはよう……」
英「はい、おはようございます。食事はこちらで食べますか?」
仏「……うん、お願い。」
英「かしこまりました。その間にフランス様は着替えを済ましておいてください。」
仏「…はーい…」
フランスはイギリスの指示にふわふわとした返事をし、腰掛けていたベッドから降りて行動をし始めた。
朝食も食べ終わり、”友人”と部屋でくつろいでいると、そういえば、と思い出したようにその友人は口を開いた。
英「今日はなかなか起きませんでしたね。何かいい夢でも見ていたんですか?」
仏「え?…あぁ、そうだね。……随分懐かしい夢を見たよ。」
英「…懐かしい夢……ですか?」
こてっと首を傾げてイギリスは僕にきいてきた。その姿が可愛く見えて、思わず僕は微笑んだ。
仏「うん、君と僕が初めて会った頃の夢。」
英「………あぁ、あの頃の……確かに、懐かしいものですね。」
イギリスは思い出を思い返すように微笑み、僕にそう返した。
しばらく沈黙が続いた後、イギリスがこう言った。
英「……私、その時のこと、今でも感謝してるんですよ。」
仏「……え…」
イギリスがそんなこと言うと思わなくて、固まってしまった。
英「…?大丈夫ですか、フランス。」
仏「っえ、あぁっ、うん、大丈夫っ。」
仏「君が感謝するなんて、思わなくて…」
僕が思わずそう言ってしまうと、君は顔をむっとさせて不機嫌になった。
英「はい?私がそんな薄情なやつだと思ってるんですか?」
その言葉に、僕は首を振った。
仏「…ううん、そうじゃなくて……」
仏「…僕は感謝されるようなこと、してないから。」
イギリスから目を逸らし、自嘲気味に言う。
英「……────────…」
仏「……!」
仏「…そっか。」
英さんが最後何を言ったのかは想像で補ってください🙇♀️🙇♀️
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