テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
真人をボコボコにして「捕獲(胃袋行き)」にした後、高専の医務室にて。
そこには、五条悟のほか、反転術式の使い手・家入硝子と、厳しい表情の七海建人が集まっていた。
「……で、五条。この子が、例の『特級呪霊を完食したスライム』?」
家入が気だるそうにタバコをくゆらせながら、リムルをジロジロと見る。
「そうそう! 硝子、驚くよ。この子、反転術式も使わずに、無為転変で変えられた人間を治しちゃったんだ」
「は……? 寝言は寝て言え。魂の形を変えられたら、反転術式でも治せない。それはこの世界の絶対的な――」
家入の言葉が終わる前に、リムルがひょいと手を挙げた。
「あー、それなら今ここで見せるよ。ほら、そこにいた『改造人間(の成れの果て)』」
リムルが空間から、ドロドロの肉塊(真人が放置していった犠牲者)を取り出す。七海が思わず目を背けるような惨状だ。
「ラファエルさん、よろしく」
『解。完全回復薬(フルポーション)の生成、および魂の情報を書き換え、肉体を再構築します』
リムルの手から、鮮やかな銀色の液体が溢れ出す。
液体が肉塊に触れた瞬間、骨が鳴り、肉が盛り上がり、一瞬で「健康な人間」がベッドの上に横たわっていた。
「…………え?」
家入の指からタバコが落ちた。
七海は眼鏡をずらし、何度も目をこすっている。
「……治った。脳も、内臓も、魂の脈動まで……完璧だ。反転術式どころか……これじゃあ、まるで……」
「まるで、時間を巻き戻したみたいだね」
五条が楽しそうに付け加える。
「いや、ただの**『完全回復薬』**だぞ? テンペストじゃ安売りしてるんだけど……あ、この世界の人間には濃すぎたか?」
リムルがケロっとして言う。
「安売り……? これを……?」
七海が、これまでに「治せなかった」仲間たちの顔を思い出し、膝から崩れ落ちそうになる。
「リムルさん。あなたの存在は、呪術師のこれまでの苦労を……尊厳を根底から破壊しかねない……。異常だ、あまりにも……」
「えぇっ!? 助けたのにそんなに引かなくてもいいだろ!?」
さらに追い打ちをかけるように、リムルが尋ねる。
「そういえばさ、この**『両面宿儺の指』**ってやつ。これ、壊せないんだろ?」
「あぁ、特級呪物だからね。今の呪術界じゃ破壊不能とされて――」
五条が説明しきる前に、リムルが指を一撃でパクりと口に入れた。
「…………。」
全員が凍りつく。虎杖が青ざめる。
「おい!! リムルさん!! それ食ったら宿儺が!!」
「ん? ……あー、ラファエルさんが『不純物が多いので分解・再構築しました』って。はい、これ」
リムルが口から出したのは、宿儺の禍々しさが完全に消え、純粋なエネルギーの結晶体へと変わった「ただの綺麗な石」だった。
「「「…………(絶句)」」」
「……五条」
家入が震える声で言った。
「こいつ、今すぐ異界に送り返せ。じゃないと、私たちの存在意義が消えてなくなる……」