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〜前書き〜

こんにちは、雪夜です。今回は一寸自傷行為の表現ありです。毎回言ってますが、地雷、苦手な方はバックしてください。

それでは、本編どうぞ。


〜本編〜

「、、、ん、、、ぅ?」

どの位寝てたのだろう。外は明るく、太陽の日差しがカーテンの隙間から流れ込んでくる。ゆっくり体を起こして下の階へ転ばないように慎重に降りて行く。

「中也、、、?」

此処まで降りてきて、人の気配を感じない。居ないのかな、、、リビングの扉を開けると、矢張り其処に中也は居なかった。そして、私の心に不安が突然襲って来た。真逆、、、

「、、、や、、、仕事、、、だよね、、、」

そう呟いて無理矢理納得しようとする。何もなしに中也がこんな状態の私を置いて行く筈がないんだ。仕事に行った。そう、思いたいのに、、、

「痛い、、、」

久しぶりだ。こんな気持ちになったのは。胸がギュッと締め付けられて、息が上手く出来なくて、苦しい。


、、、私は、今、何をしようとしている?こんな量、要らない。何も食べてないのに飲むのは駄目だ。厭だ。

そんな気持ちを無視するみたいに、私は、大量の風邪薬を口に放り込んで、喉に流した。



、、、あ、、、れ、、、?私は、、、何をして、、、

「あ!良かったぁ、、、目が覚めましたか?」

「あ、、、つし、、、くん、、、?」

私の隣で心の底から安堵した顔で私の顔を覗き込む敦君が居た。

「も〜、、、心配しましたよ?玄関の扉開けたら、太宰さんが汗だくで苦しそうに心臓辺りを抑えていたし、腕は血まみれだし、、、」

「、、、あ、、、そっか、、、私は、、、」



気持ち悪い、、、又吐いた、、、頭痛い、、、良く見えない、、、ぐるぐるする、、、止まんない、、、あれ、、、?真っ赤、、、?何で、、、?痛い、、、?苦しい、、、?気持ちが、、、楽、、、でも、、、未だ痛い、、、もっと、、、切れてる、、、?真っ赤で判んない、、、痛くない、、、切れてないのかな、、、?もっと、、、もっと_________



自分がした事を思い出して、涙が零れる。莫迦だ、、、本当に、、、私は、、、

「太宰さん、、、御免なさい、、、来るのが遅くなってしまって、、、」

「敦君の所為じゃ、、、ない、、、っ」

「一人で、心細かったんですよね?連絡くらいしとけば良かったですね、、、」

「違う、、、私は、、、っ」

「御免なさい、、、中也さん程何か出来る訳じゃありませんが、僕が傍に居ますよ」

「やめてくれ、、、っ」

「もう、独りじゃないですよ?」

「うっ、、、うぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、っ」

何時ぶりだろう、こんな情けない声を出して子供みたいに泣くのは。敦君に縋り付いて、顔も敦君の服も、ぐちゃぐちゃで汚くなってる。でも、敦君は私の頭をそっと撫でて包んでくれた。会いたい、、、中也に会いたい、、、寂しい、、、声聞きたい、、、思いが溢れて止まらない、、、




それからずっと、私は泣き続けていた。敦君は、何も言わずに私にずっと寄り添ってくれていた。



「ただいま、悪ぃな、留守番任せちまって」

「中也さん、、、!静かに、、、!」

「ん?」

人虎に言われて目線を追ってみると太宰がくしゃくしゃの顔で寝ているのが目に入り、俺は慌てて口を閉じる。じっと太宰を観察してみると、体調は昨日程酷くは無いが発汗と、出血が異常だ。人虎に尋ねると、太宰は自傷行為をしていたんだと答えてくれた。俺は、後悔と罪悪感に押し潰されそうになった。だが、俺よりも太宰の方が余程辛かっただろう。

「御免な、、、何も云わずに出てって、、、」

「、、、莫迦」

「あ?!起きてたのかよ、、、!」

「中也の声聞こえたから」

声色も、表情も、不貞腐れてる感じがする。だが、微かに安心した気持ちが現れていた。頭をそっと撫でてやると”辞めて”と払い退けられてしまったが、一瞬見えた顔は赤くて、小さく笑っていた気がする。

「良かったですね、中也さん帰って来て」

「敦君?私は別にずっと敦君が一緒に居てくれたって良いのだよ? 」

「またまた〜、太宰さん、寝てる間ずっと中也さんの事云ってましたよ?」

「はぁ!?」

「ほぉ〜、其奴は気になるなァ」

「ち、、、違っ、、、!」

「中也さんに会いたすぎて泣いてましたもんね」

「敦君〜!!(泣)」

おいおい、、、体調悪ぃんじゃねぇのかよ、、、でも、元気そうで良かった。何時もの太宰に戻ってきて安心した。

、、、安心、、、?

「あ、、、ぇ、、、?」

「ん?如何したんだい中也?」

「いや、、、ははっ、、、」

「中也?」

「あの、、、な?変な事云うかもしれねぇけどさ、、、」

「なぁに?」

「俺って、、、本当に、、、」

「本当に?」

じーっと見つめてくる太宰の顔がどんどん近づいてくる。顔が熱い。きっと俺は顔を真っ赤にしてるんだろうな。詰まった言葉を喉から押し出すように、俺は云う。

「太宰の事、、、好きだな、、、って、、、」

「、、、!?!?!?!?///」

「わ、、、中也さん、そういう事云えるんですね、、、!」

「煩い!!!!俺をなんだと思ってんだ人虎!!!」

「わぁぁ!!御免なさい〜!!」

「、、、ふふっ、仲が良いね、お二人さん♪」

「煩い!」「煩いです!」

「ありゃりゃ、、、」



この後、呆れた笑顔をした太宰を挟んで、人虎と俺の口喧嘩は暫く続いたのだった。

〜次回へ続く〜

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