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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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どうも皆様、サカナです

「設定まとめ」ってとこで全員分の設定書いてたら、アイデアがぽんしたので書きます

近畿は2個目の方に載ってます

今更ですが、それ読んだ方がわかりやすいです。特に今回は

近畿です、方言が書きやすくてつい多くなりがちですね

後今回ばり長いんで、時間がある方のみお読みくださいな(約2,600字)








ある大雨の日、近畿の家には屋根に水滴がぶつかる音と、兵庫の悲しげな声が響いている。

兵庫「兄貴〜!出て来てくださいっす〜!」

大阪「やや!!もうお外出えへんもん!!」

兵庫「ここ開けてくださいって〜!」

部屋の扉一枚を隔てて、大阪と兵庫はちょっとした攻防戦を繰り広げていた。

京都「…何しとるん?」

兵庫「あ、姉御!」

京都「僕は男やアホ。んで?大阪ん部屋前で何しとるんや?」

京都はたまたま通りかかった…というよりは、隣が京都の部屋なので、うるさくて見に来た次第である。

兵庫「兄貴を説得してたっす」

京都「なんで?」

大阪「兵庫に食われる!!!」

ピシャーン!と効果音のように雷が鳴った。一階から滋賀の悲鳴が聞こえた気がする。

兵庫「経緯を説明するっす。あれは30分前のコト…」



大阪「土砂降りやな〜」

兵庫「バケツをひっくり返したみたいな大雨っすね」

大阪「雷も鳴っとるし、今日はお家日和や」

雑誌を読む大阪。座っているのは、定位置である兵庫の足の間。

兵庫は後ろから大阪の腹に手を回し、くっつきながら一緒に読んでいる。

大阪「あ、見て兵庫、これ美味しそうやない?」

大阪が指を指したのは、最近出来たらしい洋菓子店のチーズケーキ。

「材料一つ一つにこだわった、至高の一品です」というよくある文言が添えられている。

兵庫「わ、本当や、美味そうっすね。兄貴ってこういうの好きっすよね」

大阪「甘いもんは疲れた時によう食べるからな〜。ま、疲れるほど仕事しとらんけど」

兵庫「また姉御に叱られるっすよ〜?」

大阪「怒った京都もかわええからええんや」

兵庫「さっすが兄貴!無敵の人っすね」

ぎゅーっ!と力強く抱きしめる兵庫。大阪のピアスのついた耳が揺れ、頭を撫でて返した。

兵庫は、ちょっとしたイタズラをしてみようと思った。

兵庫「うーん…でも、兄貴の方が美味しそうっすね!」

大阪「!?!?」

兵庫「兄貴はちっちゃいから、ぺろっといけそうっすね。たこ焼きばっか食べてるから、たこ焼きの味したりして?」

兵庫は熊である。対して、大阪はカヤネズミ。割と冗談にならない。

大阪「ぺ、ぺろっと…」

兵庫「食べちゃうっすよー!なーんて…」

大阪【逃】

兵庫「兄貴!?」

身の危険を感じた大阪は兵庫の腕からするりと脱出し、ダッシュで階段を登る足だけが見えた。



兵庫「というわけっす…(泣)ただのイタズラだったんすよ〜!」

京都「…マジでアホなんか?」

兵庫「アホでしたー!!!」

雨の音に負けず劣らずの大声で反省を表す兵庫。

京都にドン引きされた視線を向けられながら、もう一度戸を叩いた。



一方こちらは部屋の中の大阪。

大阪(ふへへ、あいつ俺が仕返ししとるん気づいとらへんわ…wマジビビりはしたけど、俺がそこまで気にするわけないやんけ)

寒いので布団に包まりつつ、廊下にいる兵庫を嘲る大阪。

防衛本能から逃げたのは真だが、もう気にしていない。

ちょっとムカついたので、イタズラの仕返し中なのだ。

兵庫「兄貴〜!!」

京都「アホらし…僕下行くわ」

兵庫「えぇ〜〜ん!!」

大阪「絶対外出えへんからな!!」





京都「あ、奈良」

呆れた京都が一階に降りると、ソファで奈良が読書をしていた。

走れメロスを個人的に読む人は、余程の本好きなのではないだろうか?

奈良「ん〜?どしたん?」

京都「大阪が引きこもって兵庫からかっとるんよ。うるさいからこっち来た」

奈良「あ、さっきのアレやね?阪くんってば悪い子やねえ」

ふふふ、と小さく笑って、奈良は栞を挟んだ本を机に置いた。

京都「なんや、見てたん?」

奈良「うん。でもそないなことになっとるんやったら、ちょっと仲介してこようかな」

京都「奈良に任せるわ。そのうち降りてくるやろうし、僕出かけてくる」

奈良「どこ行くん?」

京都「…どこでもええやろ?行ってきます」

奈良「いってらっしゃい」


京都「兵庫」

兵庫「あn むぐっ!?」

京都「騒ぐなや。仲直りさせたるから黙れ」

兵庫「もごもご…」

扉の前で項垂れていると、何故か少し濡れている京都が来た。

手にはケーキの箱と花束が入った袋を持っている。

京都「これ、大阪に渡し。あいつ甘党やから、ケーキあげる言うたらどうせすぐ出てくるわ」

兵庫「い、いいんすか?こんな高そうなん…」

京都「僕が買ったってことは内緒やで?下で奈良たちと別のん食べとるから、さっさと来いや」

小声で兵庫と話し、袋を半ば押し付けるようにして渡した京都。

兵庫は京都の考えをいまいち理解しきれなかったが、言われた通りにして仲直りすることにした。

京都が一階に戻ったタイミングで、兵庫は声をかける。

兵庫「あ、兄貴ー!ケーキあるっすよ!出て来て一緒に食いましょ!」

大阪「食べるー!!」

兵庫(え、ちょろ)

ケーキの一言で簡単に戸を開けた大阪に、兵庫は拍子抜けしてしまった。


もっもっと京都が買ってきたお菓子を食べつつ、仲直りした大阪と兵庫。

大阪「これめっちゃ美味いな!」

兵庫「兄貴が満足そうでなによりっす!」

にこにことケーキを頬張る大阪は、すっかり機嫌を直したようだ。

大阪「そういや兵庫、これいつ用意したん?お前ずっとドアの前おったよな?」モグモグ

兵庫「ギクッ」

奈良「それは京くn」

京都「奈良、お茶のおかわりくれへん?」

奈良「ん、いいよー」

大阪「カモミールまでくれよったし、まあ許しちゃるわな。もうやんなよ?」

兵庫「わかってるっす!」

和歌山「カモミールってお花だっけ」

大阪「そうやで。花言葉はな〜…確か、「逆境に耐える」「逆境で生まれる力」「清楚」「あなたを癒す」「仲直り」や」

滋賀「え?兵庫がそこまで考えるわけ…」

京都「滋賀?」

滋賀「ひっ…」

京都「勘のええ子は好きやけど、口に出したらあかんよなぁ?」

滋賀「ひゃ、ひゃい…」

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