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やっと全員揃った。
マナトのおかげで傷も完全に癒えた。
よくここまで耐えてきた、これほどまでにしぶといとはワレモノを含めて、俺たちですらも知らなかっただろう。
もう専守でいる必要はない、反撃する時が来た。
👾「最後は“俺たち”のターンだ。」
🍷「はぁ?なに、もう自分たちの勝ちが決まった前提で話進めてんの?俺はまだ痛くも痒くもないぞ。」
ワレモノはまだ攻撃を続けるつもりだ。
再度、データを乗っ取ろうとしたのか、俺たちの前にテレポートしてきた。
そして今度はマシュとマリの首を掴んで持ち上げた。
🦊「待って、いやだ!!いやだ!!たす…け…て。」
🌙「離してください…苦しい…し…ぬ゙…。」
ワレモノの目は血走っていた。
正気じゃない。
…………………あ、そうだ。
あれを使うのには最適なタイミングなのでは?!
よし、できるどうかはわからないけどやってみよう。
🍷「これでお前らも、もう終わr…」
👾「タイムリワインド!!」
魔法を唱えた瞬間、時が巻き戻った。
数十秒前まで戻って行く。
すごい、成功だ。
🍷「はぁ?なに、もう自分たちの勝ちが決まった前提で話進めてんの?俺はまだ痛くも痒くもないぞ。」
やっぱり戻ってきている。
これはチャンスだ、ここからの行動は既に経験済み。
ワレモノは俺たちの前にテレポートしようとした。
👾「前に来るぞ、下がれ!!」
🍷「うわっ。」
テレポートしてきたワレモノは、自分が予想していた状況と違ったことに驚いたのか、その衝動で着地に失敗し、つまづいた。
ここまで完璧に行くとは思わなかったが、上手く隙を作れて良かった。
ついに反撃するチャンスがやってきた。
👾「今だ!行け!!」
一斉に攻撃を畳み掛ける。
🐸「防減斬!!」
🌙「衝撃斬り!!」
🫘「フットシュヴェア!!」
💭「レットカオス!!」
次々に攻撃を繰り出す仲間たち。
防御力を大幅に下げ、怯ませて、足を重くし、混乱させた。
これでもかというほど、状態異常効果を付与させた。
🕯「おいマナト、光の魔法出す準備して。」
⚡️「んぁ?お、おうわかった。」
どうやらこちらでは2人で技を繰り出そうとしている様子。
新しい合体技だろうか。
🕯「よし、ルスクリダー!!」
マナトが光の魔法を放つと同時に、あろまは闇の魔法を放った。
互いの魔法が上手く重なり混ざり合い、ワレモノに向かって一気にぶつかった。
状態異常がとことん付いていたワレモノは、とんでもない威力で吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられた。
ワレモノは意識はあるものの、静かに座り込み、完全に戦意喪失している。
トドメを刺すチャンスだ。
はにけーきが静かにワレモノの背後に回る。
ゆっくり、ショットガンをリロードした。
ワレモノは音に気づき、咄嗟に振り返る。
瞬時にピンポイントで額に銃口を突きつけた。
ワレモノはここで初めて辛そうな顔を見せた。
🍯「ごめんね。」
罪悪感を振り払うと共に引き金を引いた。
鋭い銃声と鈍い異音が静かな空間に響き渡る。
見事、脳天をぶち抜いた。
ワレモノは地面に倒れ込み、動かなくなった。
ついに勝った。
🦊「勝った…?」
🌙「無事に倒せたみたいですね。」
💭「やったー!!!」
🐸「ほんとに勝てるとは…。」
⚡️「で、どうするよあいつ。」
🫘「ほっといたらええやん。」
🍯「待って。」
⚡️「ん?」
🍯「確かに恐ろしい奴だったけど、はるーに現実世界を見せてくれたり、戦う時でも優しく教えてくれたりしてたから、しっかり話し合えばもしかしたら分かり合えるんじゃないかな。」
⚡️「あぁ…。」
🕯「確かにね。」
🍯「でしょ、一概に悪だとも言いきれないと思うし、もしかしたら旅のキーパーソンになるかもしれない。」
なんとも否定し難い意見。
一理あるのがなんとも悔しい。
🦊「1回、話してみる?」
🌙「少し怖いですけど、ありですね。」
🐸「じゃあマナト、蘇生してあげて。」
⚡️「はいよ、ハヨオキヤ!!」
ワレモノが生き返った。
🦊「大丈夫…?」
🍷「…ん、大丈夫、ありがとう。」
どうやら既に戦意は無いようだ。
🍷「なんで蘇らせたの?勝てて嬉しかったんじゃないの。」
🍯「あの、現実世界を体験させてくれたり、優しくしてくれたのもあって、もしかしたら仲良くなれるんじゃないかなって思って…。」
🍷「はぁ…。」
ワレモノは乗り気じゃないのだろうか。
はにけーきは今にも泣き出しそうな顔をしていた。
🍯「あの、ほんとにごめn…」
🍷「なんだ、そんなことかよ。全然いいよ、なんなら俺もお前らと仲良くしたいと思ってたし。」
🍯「…え?」
🍷「お前らの旅を観察してると、だんだん面白い奴らだなぁって思い始めてさ、現実世界の幻想を見せてあげた後に、わざと俺のところにお前らを連れてきたんだよね、ほんとはここに来ずにそのまま幻想が解けて普通に旅を続けることだってできたんだけどな。」
🌙「つまり会うタイミングを作るために…?」
🍷「そう、俺もお前たちと話してみたかったってわけよ。」
💭「なーんだ、じゃあ最初からバトルなんかしなくてもよかったのに〜!!」
🍷「お前が喧嘩売ってきたんだろ。」
💭「あ、はい、すみませんでした。」
🦊「ってことはワレモノさんもうちらの仲間になってくれるの!?」
🍷「俺は全然いいけど。」
仲間に…!?
そんなことあっていいのだろうか…?
🍷「はるーが入ってほしいなら加わる。」
👾「えっ、」
🍷「どっち。」
🫘「入って欲しいって言っとけ、あいつめっちゃ強いぞ。」
👾「え、えぇ…、は、入って欲しいです。」
🍷「わかった。」
🦊「えー!!やったー!!」
ワレモノが仲間に加わった。
すこし恐怖は残っているが、心強いことにはなんの代わりも無い。
🍷「ところで、お前らは何のために冒険してるんだ?旅の観察をしててもそこだけ全く掴めなかったんだが。」
冒険している理由…?
💭「確かに。」
🌙「聞いたことなかったですね。」
🍯「何のためにここまで来たの?」
⚡️「まさか知らないだなんて言うわけないよな。」
👾「わからない。」
🫘「終わった…。」
🐸「えぇ…。」
🍷「理由もわからず冒険してたのかよ。」
🦊「無謀すぎるって。」
めちゃめちゃに言われる。
でもほんとに何のために冒険しているのかわからない。
🍯「まぁ仕方ないよ、今から見出せばいいじゃん!!」
⚡️「そうだな。」
🫘「あっ、そういや、はるー、」
👾「ん?」
🫘「なんかお前、この世界になんで降り立ったかわからんって言ってなかったか?」
あっ。
👾「言ってた。」
🍯「それだー!!!」
🦊「それを冒険してる理由にするわけね。」
🍷「あぁ、そうか知らないのか。」
🐸「ワレモノさんは知ってるんですか?」
🍷「いや知らん。」
⚡️「知らんのかい。」
🍷「でもなんとなく手がかりはわかる。」
🌙「手がかり…?」
🍷「恐らく、この世界の“神”が関係してるはず。」
🫘「この世界に神なんかいたのか。」
お前はこの世界の住人なんだから知っとけよ。
🍷「俺はその神について、よくわかんないけど、俺の友達にすげぇ詳しい奴がいるんだよね。」
🐸「その人と話すことって、」
🍷「できるよ、ちょっと待ってて。」
ワレモノは携帯電話を取り出し、誰かに電話をかけた。
🍷「もしもーし?」
🧣「なに?」
🍷「お前さ、なんかあのー、“神”?ってやつについてすごい詳しくなかったっけ?」
🧣「んー、まぁ並以上の知識は持ってるつもりだけど。」
🍷「だよな、今すぐこっちこい。」
🧣「わかった。」