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お久しぶりです。投稿頻度バラバラすぎですね…まぁ気まぐれ投稿ということで把握お願いしますm(_ _)m
本当に申し訳ないんですけどどうしても投稿したい作品があったのでそれ書きます!
執事×お嬢様は別の機会に^_^
大学二年目、日々の過ごし方の勝手が分かってきてバイトを入れられる余裕もできた頃。
爽やかな朝風を感じながら大学の庭を歩く。
「なぁ**、〇〇さん紹介しろよ」
野太い声の男性に絡まれていたのは**、私の彼氏だ。 いつもなら可愛い女の子に話しかけられているのに珍しい。
先ほど**に絡んでいた人は同級生で、入学した頃から何かと私に近寄ってきて正直苦手。いつも適当にあしらっているから、あらかた私と距離の近い**の方へ文句を言いに行ったのだろう。
私と**が付き合っていることはまだ誰にも言っていない。だから側から見るとただ仲が良い男女の関係。嫉妬されても当然かもしれない。
「もう離せよ、講義始まるぞ」
**はしつこく纏わりつくあの人の腕を鬱陶しそうに振り解いている。私の彼氏なのにベタベタと触られ、だんだん苛立ってきた。
「**、あそこの棟の一階にいる教授が呼んでた!」
少しだけ**たちに近づき呼び掛けるとホッとしたようにこちらへ駆けてきた。
すれ違いざまに“今のウソ”と耳を寄せ囁くと 「ごめん、助けてくれてありがと!」と更に顔を近づけ囁き返され、自分の体が急速に早鐘を打ちだしたのがはっきりと分かった。 こんなちょっとしたことでときめく自分が恥ずかしい。
男女問わず好かれる**は今まで誰にでもしてきただろうに、初心な私を気遣って手繋ぎ以上のことは求めてこない。
その度に大切にされていること、愛されていることを実感するけれど、その分我慢させているという事実を突きつけられ悶々とする。
私は申し訳なさで頭がいっぱいになりながらも大学を後にした。
「お任せで十本お願いします」
夕食時で食べ物の匂いが立ち昇る商店街に負けず劣らず、花の香りが優しく漂う夕方の店内に三十代くらいの男性が訪れた。
**と同じバイト先である花屋はいつも様々なお客さんがそれぞれの想いを胸に買いに来る。
今回のお客さんに聞いてみると、先日病で亡くなった親戚のお仏壇に供えるためだと言う。
供え物なら、と色々見繕っていると、男性はチラリと奥の方を見て静かに苦笑した。
「奥の方からの視線が痛いんですが…」
チラリと横目で窺うと、鋭い目線でこちらを見つめる**と目が合った。これはまずい。こんな**見たことがない。怒ってる?
少なからず動揺してしまい、花を一輪落としかけそうになった。このままでは接客もままならないため、男性には申し訳ないが一旦外すことにする。
「すみません、すぐに戻りますので少々お待ちください」
なるべく笑顔で断りを入れて**のもとへ駆け寄る。
『どうしたの?』
無声音で尋ねるとぎゅっと抱きしめられた。初めての抱擁に思考がついていかず、暫く硬直してしまう。あまりの驚きで声を出そうにも出せそうにないのでとりあえず見上げると、**の真剣な眼差しが刺さった。
『…ごめん』
上から降ってきた謝罪の言葉は、優しくとも芯のある**から出た声とは思えないほどに弱々しかった。
『嫉妬した』
**は背中に回していた腕を解き少し口を尖らせた。かわいい…と大の男を表現するには似つかわしくない感想が心を埋めた。そこで私は接客中であることをフッと思い出し、距離の近い私たちを見られただろうことに恥ずかしさを覚える。
「ごめんね、また後で」
茜に染まった頬を冷ますようにパタパタと手で仰ぎながら店頭に出た。恥じらいを悟られず、何も聞かれないうちに帰ってもらおうと思い、急いで会計を済ませる。今から男性が帰ろうとしていたところで彼は振り向いた。
「彼氏さんと末永く」
やっぱり見えてたんだ…
顔から火が出るほど恥じらいでいっぱいになり、夕方の空気を感じることしかできなかった。
「嫉妬してくれたんだね」
シフトが終わって**と最寄り駅まで帰る道のりで思い切って切り出してみた。**から何か言われるかと身構えていたけれど、特に何も言われなかったから聞いてしまった。聞いたはいいが、反応が不安で**の手をぎゅっと握りしめてしまう。すると、**からは思いの外あっさりと返ってきた。
「うん。だってイケメンだったし」
「…もう気にしてないの?」
言ってみて気づいたけれど、もっと嫉妬しろと言っているのと同意義だな、と頭をよぎる。
「だって〇〇は俺と付き合ってるのに別の男に靡くほど器用な子じゃないだろ?」
信用してくれてるのは素直に嬉しい。 けど遠回しに不器用と言われた気がしないでもなく、繋いでいる手とは反対の手で一発**の脇腹に軽くお見舞いする。
「ばかにしてる?」
「ううん。そういう不器用さも好きだよってこと。俺たちは俺たちのペースで進めばいいよ」
手繋ぎ以上を求めてこないから、と焦っていた自分が馬鹿みたい。**はちゃんと考えてくれていたのに。
繋いでいた手を背中に回し、少し背伸びをして顔を寄せる。どちらからともなく自身の唇も触れ合わせ、ほどなくして微かなリップ音を響かせて密着を解いた。
「初キスだ」
小さく呟くとその呟きを拾うように、次は下から再び唇を重ねられた。重ねたのは一瞬で、何が起こっているのかを理解した頃には既に顔が離れていた。
「これからもたくさん初めて貰うからね」
私と**はさきほどよりも深く手を繋いで歩を進めた。
〈あとがき〉
嫉妬してる彼氏って凄く萌える💕