主です。
迷宮ができた世界で…
も一緒に作成中です。
しんどいけどがんばります。
カイトはゆっくりと目を開けた。
視界がぼんやりとしており、目の前に広がる薄暗い空間が現実味を帯びてくるまで、数秒かかった。
頭に鈍い痛みがあり、まるで何かに殴られたかのようだった。
「……ここは……どこだ?」
カイトは呟いた。
床は硬く冷たいコンクリート、壁も無機質で、まるで廃工場の一角にいるかのようだ。
自分がなぜこんな場所にいるのか、どうやってここに来たのか、記憶は全くなかった。
確か、学校からの帰り道で何かに襲われて……。
カイトは立ち上がろうとしたが、身体が思うように動かない。
頭がまだぼんやりしているが、何とか床に手をつき、ゆっくりと身体を起こした。
目が慣れてくると、部屋の隅に数人の姿が見えた。
彼らもまた、カイトと同じように床に座り込み、混乱しているようだった。
「お前も起きたのか?」
カイトが振り返ると、少し年上に見える少年が近づいてきた。
身長はカイトよりも少し高く、短髪で鋭い目つきをしているが、表情には不安が浮かんでいた。
「……君は?」
「俺はリョウ。お前も誘拐されたのか?」
誘拐。
その言葉がカイトの胸に重く響いた。記憶は定かではないが、確かに何者かに襲われて気を失ったことは覚えている。
「たぶん……。ここはどこなんだ?」
リョウは肩をすくめた。
「それが分かれば苦労しないさ。俺も何が起きてるのか全然わからない。ただ、ここにいる奴らはみんな同じ境遇のようだ。」
カイトは周囲を見回した。
部屋には、自分を含めて10人ほどの少年少女がいた。
皆、年齢はカイトと同じくらいか、少し年上に見える。
どれも初めて見る顔だ。
彼らも同じように怯えた表情を浮かべ、状況が理解できない様子だった。
「何が起きてるんだ……?」カイトは呟いた。
その時、突然部屋全体に響く機械的な音が鳴り響いた。
上を見ると、天井にスピーカーが取り付けられており、そこから低い音声が流れ出していた。
「ようこそ、『人狼ゲーム』へ。」
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