side 黄 .
宮舘さんが帰った後、
俺達は自分の病室で色々話し合った。
チーム名、高音低音分け、それから初めてのMVの話なんかもした。
阿「照、こういう服似合いそう!」
岩「…そう?ありがと、笑」
「阿部もこういう服似合うよ。」
阿「…そう、かな…」
「…ありがと…」
岩「…これで、緑色の上着なら、」
「ほんと阿部って感じだよね、」
阿「これで黄色なら、照だねっ、!」
岩「んは、だね、!笑」
トントン 、
病室の扉が鳴る。俺達はこの病院の看護師さんが苦手だ。
看「入りますよー。」
岩「っ、阿部…、」
阿「…ひか、ひかるっ、( 震泣 」
岩「…大丈夫、大丈夫だ阿部、」
「落ち着け… ( 抱締 」
阿「…っ、怖い、よ…」
岩「…大丈夫だから、」
ガラガラガラ、
看「…ちょっといいですか?」
岩「…はい、、」
看「また中庭で歌ってらっしゃいましたよね?」
岩「あ、すいません、」
看「あ、違うんです、あの…」
「…私、おふたりの歌声が好きで、!」
岩「..え、、?」
看「他の先輩方は、嫌がってるんですけど..、」
「いつも聴こえて来ると、元気になれるんです!!」
岩「..あ、あぁ..、」
普通なら、ここで喜ぶ所なんだろう。だけど喜べなかった。それは、"他は嫌がっている"。この一言だけだ。好かれるより嫌われている方が人は、いや俺らは気になってしまう。
阿「..ありがとうございます、」
看「いえいえ、
これからも頑張ってくださいっ、!」
人は良かれと思って、その行為をするけれど、返ってその行いは誰かを傷付けているかもしれない。
岩「..阿部。」
阿「..続き、考えよ?」
岩「..ん、うん。」
看護師さんが帰った後、俺達はまた考え出した。どういう所で撮影して、どんな感じに撮ってもらうか。まだ、自分達の病気が治るのかも分かっていないのに。
岩「(…後なんだろ、)」
「なぁ、阿部どうす..、」
阿「..すーすー、」
岩「…ん、おやすみ、」
阿部は疲れたのか、スケッチブックを抱えたまま眠っていた。その様子はまるで天使のようで柔らかくてふわふわしていた。
岩「….阿部、、」
俺が阿部と仲良くなったきっかけは、俺の歌だ。この病院に入院したばかりの頃、やる事がなかった俺は中庭で歌う事だけが、病院でやる事だった。
岩「•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*」
婆「うるさいわねぇ、」
男「どっかいけよ、」
俺は色んな人からの冷たい視線に涙を流しそうだった。けど、泣いたら負けだ。って思いながら歌った。誰かに届いてほしいから。
阿「綺麗…」
「あ、あのっ、!!」
1人で歌っていた俺に、阿部は話しかけてくれた。
岩「ん、どうしたの、?」
阿「お兄さんの歌、凄く好きで、その、」
「良ければ、僕も一緒に歌っていいですか、?」
岩「ぁ、はいっ、」
それがきっかけで、2人で歌うようになった。阿部にも俺にも、お見舞いは誰も来なくて。だから病院で二人ぼっち。
岩「…阿部。」
阿「…んー、」
岩「…好きだよ、阿部。」
誰にも聞かれてない事を祈って、
俺は小さく呟いた。
まだ誰にも言えない秘密を隠して。
…。
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コメント
6件
あの看護師さん以外の看護師さんとか全員ぶち飲めにしてやる(((((