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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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side 黄 .


宮舘さんが帰った後、

俺達は自分の病室で色々話し合った。

チーム名、高音低音分け、それから初めてのMVの話なんかもした。



阿「照、こういう服似合いそう!」


岩「…そう?ありがと、笑」

「阿部もこういう服似合うよ。」


阿「…そう、かな…」

「…ありがと…」


岩「…これで、緑色の上着なら、」

「ほんと阿部って感じだよね、」


阿「これで黄色なら、照だねっ、!」


岩「んは、だね、!笑」



トントン 、


病室の扉が鳴る。俺達はこの病院の看護師さんが苦手だ。


看「入りますよー。」


岩「っ、阿部…、」


阿「…ひか、ひかるっ、( 震泣 」


岩「…大丈夫、大丈夫だ阿部、」

「落ち着け… ( 抱締 」


阿「…っ、怖い、よ…」


岩「…大丈夫だから、」



ガラガラガラ、



看「…ちょっといいですか?」


岩「…はい、、」


看「また中庭で歌ってらっしゃいましたよね?」


岩「あ、すいません、」


看「あ、違うんです、あの…」

「…私、おふたりの歌声が好きで、!」


岩「..え、、?」


看「他の先輩方は、嫌がってるんですけど..、」

「いつも聴こえて来ると、元気になれるんです!!」



岩「..あ、あぁ..、」





普通なら、ここで喜ぶ所なんだろう。だけど喜べなかった。それは、"他は嫌がっている"。この一言だけだ。好かれるより嫌われている方が人は、いや俺らは気になってしまう。




阿「..ありがとうございます、」


看「いえいえ、

これからも頑張ってくださいっ、!」




人は良かれと思って、その行為をするけれど、返ってその行いは誰かを傷付けているかもしれない。




岩「..阿部。」


阿「..続き、考えよ?」


岩「..ん、うん。」



看護師さんが帰った後、俺達はまた考え出した。どういう所で撮影して、どんな感じに撮ってもらうか。まだ、自分達の病気が治るのかも分かっていないのに。



岩「(…後なんだろ、)」

「なぁ、阿部どうす..、」


阿「..すーすー、」


岩「…ん、おやすみ、」



阿部は疲れたのか、スケッチブックを抱えたまま眠っていた。その様子はまるで天使のようで柔らかくてふわふわしていた。



岩「….阿部、、」



俺が阿部と仲良くなったきっかけは、俺の歌だ。この病院に入院したばかりの頃、やる事がなかった俺は中庭で歌う事だけが、病院でやる事だった。



岩「•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*」



婆「うるさいわねぇ、」

男「どっかいけよ、」




俺は色んな人からの冷たい視線に涙を流しそうだった。けど、泣いたら負けだ。って思いながら歌った。誰かに届いてほしいから。




阿「綺麗…」

「あ、あのっ、!!」




1人で歌っていた俺に、阿部は話しかけてくれた。




岩「ん、どうしたの、?」


阿「お兄さんの歌、凄く好きで、その、」

「良ければ、僕も一緒に歌っていいですか、?」


岩「ぁ、はいっ、」




それがきっかけで、2人で歌うようになった。阿部にも俺にも、お見舞いは誰も来なくて。だから病院で二人ぼっち。




岩「…阿部。」


阿「…んー、」




岩「…好きだよ、阿部。」





誰にも聞かれてない事を祈って、

俺は小さく呟いた。



まだ誰にも言えない秘密を隠して。






…。





画像




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