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🎤ネタ披露の日
講師陣と同期が見守る中、
寿司子が無表情で登壇する。
「どーも、趣味はネタづくり、結果はネタスベリ、貴方の寿司ネタ、寿司子です。よろしくお願いしまーす」
ぺこり
「突然ですが、私は、寿司をご本尊とする宗教団体“オスシ神秘教”の教祖です。
信仰の証として、日々ネタを握っております。
シャリは魂、ネタは救い――
本日は特別に、ご本尊の海苔巻様をご覧いただきます。
…こちらです。(巻き寿司を出す)
皆のもの、寿司を崇めよ!
我は赤身に求め訴えたりっ!
…いただきます。(パク)
もぐもぐ…ごくん
……供養、完了しました。
これで世界は平和です。
以上」
ぺこり
……沈黙。
そして「ざわ…ざわ…」
見ていた人々の間でざわめきが起きる。
「……終わり?」
講師がたまらず口をはさむ。
寿司子が無表情のまま答える。
「……信仰の自由は、憲法で保障されてます」
「いや、お前、芸人だよな⁉」
「はい。寿司芸人です」
笑い、限りなくゼロに近い。
しかし、一人だけ肩を震わせてクスクス笑っていた少女がいた。