テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
8件
あやかちゃんww 英語聞きに来たんじゃないんかいw ナイスすぎますね🤣 続き楽しみです✨️
あやちゃんナイスすぎぃぃ!!! 私も今からその学校行くね♡(*^^*)
ちょっともう最高過ぎてアホになる!!!!( ・3・)( ・3・)
夕飯を食べ終えて、
自分の部屋で机に向かっていると、
すでに夜も深くなり始めていた。
参考書を開きつつも、
さっき家族に若井のことを揶揄われた余韻が、
まだ体に残っている。
そんなとき、コンコン、と
ドアが小さくノックされた。
元貴『……何?』
綾華『お兄ちゃん、
英語のプリント分かんないから、教えて~』
綾華だ。
少し警戒しつつ『うん』と答えると、
彼女はひょい、っと部屋に入ってきた。
元貴『どこが分からないの?』
プリントを受け取って問題を見ていると、
綾華はそそくさと僕の机の上にある
スマホに目を留める。
綾華『ふ~ん、LINEとか来てないの?』
元貴『来てないよ、やめろよ…!』
僕がプリントに集中している隙に、
綾華はサッとスマホを手に取ってしまった。
画面ロックは勉強中だからと、
たまたま外していた。
綾華『ねぇ、若井先輩って優しいの?
“好き”とか送っちゃえばいいのに~!』
元貴『ちょ、やめろって!//』
慌てて手を伸ばすも、綾華はひらりと
身をかわし、僕のLINEトークを素早く開く。
僕が追いかけてスマホを
取り返そうとしたその時――
彼女の指がリズミカルに動く。
そして『あ、送っちゃった♪』と、
満遍なく笑った。
画面をのぞき込むと、若井へのトーク画面に、
“大好き!!!!!!”
“ほんとはずっと前から愛してるから!!!”
と、大胆なメッセージがずらずらと
並んで送信されていた。
元貴『う、嘘だろ…!!!///』
顔が一瞬で真っ赤になる。
慌ててスマホを取り返す。
元貴『やめてよ!!何やってるんだよお前!
まじで、まじで……!!!///』
綾華『だってお兄ちゃん、
なかなか素直になれないんだもん!
たまには言葉で伝えなきゃ!』
綾華はいたずらっ子のように、
ケラケラ笑っている。
元貴『既読ついたらどうすんだよ…!///』
ガタガタ震えながらLINE画面を確認すると、
既に“既読”のマークがついてしまっている。
“既読”
元貴『えっ……!!!////』
心臓の鼓動が耳まで響く。
全身が熱くなって、眉は情けなく下がり、
思わず片手口元を覆い、叫びも出ない。
綾華『ご、ごめんねお兄ちゃん!
でも、若井先輩なら絶対嬉しいって!』
綾華は開き直った笑顔で、
わざとらしく手を合わせた。
その直後、若井から返信が届く。
“俺も愛してるよ”
“明日、ちゃんと言葉でも聞かせてほしいな”
元貴『……あぁぁぁ~!!!////』
ベッドに顔を埋めて、
もはや現実逃避したくなった。
綾華はそんな僕の背中をぽんぽん叩いて、
『仲よきことは美しきかな~』と
ちゃっかり歌って部屋を出ていった。
夜の静けさに、
ただただ自分の脈拍だけが響いていた。