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まっちゃ
37
#山中柔太朗
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はる☻
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バタン、と重厚な扉が閉まる音が響く。仁人はベッドの上へと手荒に放り出された。
じわじわと身体を侵食する淫らな熱が、容赦なく下腹部を突き上げる。息をするだけでも苦しくて、ドレスの擦れる感触さえもが皮膚を過敏に刺激して涙が滲む。
側近1「おいおい、こいつは随分と上等な獲物だな」
側近2「薬がよく効いてる。指一本だって動かせやしないぜ」
男たちの下卑た笑い声が鼓膜を打つ。
そんな中、一人の男がベッドに這い上がり、身動きの取れない仁人の身体の上に覆い被さってきた。
そして男は品定めするかのように仁人の胸元を乱暴にまさぐり、不意に手を止めた。
側近1「……おい、よく見たらこいつ、女じゃねえな。男だ」
側近2「はぁ?マジかよ。こいつ何者だ?ただのそういう趣味の変態にしちゃ、来る場所間違え過ぎてるしよぉ。もしかしてスパイか?あぁ?」
男たちの言葉に、仁人は絶望で息が止まりそうになった。
女装の潜入がバレた。
このまま消されるか…
そう覚悟した瞬間、背後のドアが静かに開き、今回の潜入任務のターゲットである男が優雅に部屋へと現れた。
ターゲット「お前たち、騒々しいぞ。……おや、それは私への贈り物かな?」
ターゲットの男はベッドの上の仁人に目を留めると、値踏みするようなねっとりとした視線を走らせた。
側近の男たちが慌てて「申し訳ありません。実は女ではなく男のようでして…」と報告する。
しかし、ターゲットは怒るどころか、ニタリと醜く口角を上げた。
ターゲット「ほぉ、最高じゃないか。私はこう見えて男も女もイける口でね。寧ろこうして引き締まった身体のほうがそそる。面白い、じっくりと可愛がってあげるとしようか。」
まさか、こんな趣味だったなんて聞いていない。
男だとバレたことで殺される以上の最悪なピンチが、仁人に容赦なく襲いかかろうとしていた。
ターゲットの命令で、男たちの大きな手がドレスの肩袖を乱暴に引き裂いた。
ターゲットは露わになった鎖骨から胸元へと、ねっとりとした汚い指先が這いまわる。
そのままドレスのスリットから太腿をまさぐり、容赦なく肌を撫で上げていく。
男たちはその光景を愉しげに見下ろす。
触れられる恐怖と、媚薬がもたらす強制的な熱の昂ぶりに、仁人の精神は狂いそうになっていた。
涙が幾条も頬を伝い、シーツを握りしめることすら出来ない自分の無力さに絶望する。
仁(触るな…ッ……気持ち悪い…やだ、嫌…っ…!)
そんな中脳裏に浮かんだのは、いつだって自分の背中を支えてくれた唯一無二の相棒の姿だった。
好き勝手されながらも、仁人は残された全ての力を振り絞り、微かにその名前を唇の隙間から零した。
仁「……っ、だい、ち……たすけ、て……ッ…」
その瞬間。
ドガァン!!!
客室の重厚な扉が文字通り蹴り破られた。
太「……おい。俺の相棒に、汚い手で気安く触んなや」
逆光を背に受けて立っていたのは、いつもの飄々とした雰囲気を完全に消し去り、怒りで目を据わらせた太智だった。
側近達「なんだテメェッ!?」
男達が武器に手を伸ばすより、太智の踏み込みの方が圧倒的に速かった。
太智は一瞬で距離を詰めると、警備員の特殊警棒を容赦なく、側近の顎へと振り抜いた。
鈍い衝撃音と共に男が消し飛ぶ。
息つく暇もなく、その隣の男の鳩尾へ強烈な前蹴りを叩き込み、一瞬で床へと沈めた。
ターゲット「な、貴様……っ!」
慌てて懐の銃を抜こうとしたターゲットの手首を、太智は容赦なく警棒で叩きつけた。
鈍い音が響き、ターゲットが悲鳴を上げて床に転がる。
太智はその手首を踏みにじり、冷徹な目で見下ろした。
太「大声出すなや。……さっさと吐け。例の密輸ルートの裏帳簿、どこに隠しとる」
ターゲット「ぐっ、あぁっ……! だ、誰が言うものか……っ…」
太「言わんと次はその不細工なツラが原型留めんくなるまで殴るで、ええの?」
踏みつける足にジワジワと体重がかけられ、ターゲットの顔が恐怖で歪む。
太智の目は完全に据わっており、冗談を言っているようには到底見えなかった。
プロの諜報員としての冷酷な脅迫。
仁人を傷つけられた怒りも相まって、その威圧感は凄まじかった。
ターゲット「わ、分かった、言う! 船長室の金庫だ! 暗証番号は……」
ターゲットが命乞いをするように一気に情報を吐き出すと、太智はそれを一言も漏らさず記憶し、冷たく口角を上げた。
太「……ご苦労さん」
言い捨てた直後、太智はターゲットの顎へと容赦ないアッパーを叩き込み、一撃でその意識を完全に刈り取った。
僅か数十秒。
部屋の脅威全てを沈黙させる圧倒的な手際だった。
太「はっ……吉田さん!」
太智は警棒を放り出すと、ベッドへ慌てて駆け寄り、ぐったりとした仁人の身体を抱き起こした。
仁「はぁ、……っ、…だい、ち……?」
太「助けるの遅くなってごめんな……! 大丈夫か!?」
心からの焦りと、本気の心配に染まった声。
太智は乱暴に剥ぎ取られかけたドレスを整え、仁人の背中と膝裏に迷わず腕を回し、ふわりと軽々しく姫抱きした。
仁「ん…っ…」
太「ここじゃまた別の邪魔が入るかもしれん。俺らの部屋に戻るで」
仁人はこくりと頷き、太智の首に力なく腕を回した。
移動の間、自分を支える太智の体温を感じるだけで、涙が出るほど安心した。
と同時に、薬のせいで狂った身体は、昂る熱を抑えることは叶わず、興奮冷めやらずに苦しい思いは募るばかりであった。
コメント
2件

しらすさん、作品更新ありがとうございます🙏🥲 本番が始まってしまう前に💙さんが来てくださって良かった〜😭 とてもヒヤヒヤしました😂 次のお話の💙💛さんが楽しみです🥹🫶 素敵な作品の更新ありがとうございます🥹🙌
更新ありがとうございます😊 無事に救出されてホッとする半分、💙さんがかっこよすぎて溶けかけてます(ありがとうございます) この先、💛さん介抱ですね(・∀・)ニヤニヤ楽しみです…♡