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俺はもう何年この部屋に入り浸っているんだろう。
梵天創立からもう4年程。
俺もあの頃から歳が進みに進んでいる。
しかし、俺の目の前にいる少女、実和は今もあの時と何も変わっていない。
背格好、容姿、顔の形。
全てが何も変わらず俺の想像通りだ。
実和は今 いわゆる植物状態。
更に記憶喪失もあるという。
回復もしないのに会っても何もわからない事が分かっているなんてどんなに哀しいことだろう。
俺の大切な人。妹みたいに接してきたんだ。
そんな大切な人が1つも動かずもう5年。
16のある日。
俺と竜胆はとある一件で喧嘩を売られていた。
実和に危害を与えようとしてきた連中は
死ぬ程いたから その時も実和には外に出るなって
言い聞かせてたんだ。何度も何度も。
実和に「はいはい」って流されるくらいに。
俺達は東京の端で2対30の抗争をした。
いざ向かって、抗争が始まった途端 気づいた。
1、2、3、4、5、6… 28
2人いない。
抗争当日に休む奴がいるか。いる訳ない。
これは大層な事を意味していた。
何人も何人も殴り倒して。ゴミの山を詰んだ。
竜胆に任せて俺は実和の家まで走った。
実和 、 実和、 …実和実和実和!!!
頭の中には実和の2文字しか浮かばなかった。
三つ編みが荒れ狂い、実和の家に着く頃には三つ編みは殆ど解けていた。
実和の家のドアを押し開けて実和の名前を叫んだ。
応答がない。
いつもなら明るい声で返事してくれるのに。
一気に鼓動が早くなった。
階段を必死に駆け上がって実和の部屋に入った。
そこには静かに目を瞑っている実和がいた。
「実和、、 ねえ、実和…?」
ふらふらと近づいて実和の顔を撫でた。
首元にふと目をやると、赤い大きな跡が付いていた。
明らかな人の手。重ねて腕には痣がある。
「ねえ、大丈夫…? 大丈夫だよね… ねえお願い…」
気づいたらぼろぼろと涙が出ていた。
頬に涙が伝っていくのが分かる。
すぐさま携帯を取り出し病院と竜胆に連絡した。
5分後、救急車が到着し、俺と実和は救急車に乗り込んだ。
竜胆とは病院で合流し、実和は検査を受けた。
外傷は特に問題無し。
問題は脳の方だと言われた。
その瞬間の感覚を今でも覚えている。
しょうがない程鳥肌が立ち、目の前がぐわんぐわんした。
-植物状態ですね-
医師から言われたその言葉を耳にして
あれからもう何年も実和は正気を取り戻さない。
毎日毎日病院を訪れ実和に話しかける。
「実和ー、今日梵天の創立記念なんだ」
「実和、まだ戻んない?」
「… 実和」
俺の知ってる実和は死ぬ程元気な声で返してくれる。
その日をずっと待ってるんだ。
今日も俺は実和の寝ているベットに顔を埋めて
実和の名前を呟いた。