まずはもっくん視点から始まります。
念願かなって涼ちゃんと恋人になれた。
ずっとずっと欲しいと思っていた。絶対に無理だと思っていたけど俺のものになった。
涼ちゃんは俺の事を「大好きだ」って言って俺のちょっとしたわがままも困った顔をしながらも笑ってきいてくれる。幸せだ。確かにすごく愛されてると思う。
「元貴が望む事ならなんでも叶えてあげたいって思ったんだ」そう言って「恋人になりたい」って俺の願いを受け入れてくれた。
めちゃくちゃ嬉しかった。
でも、でも。なんだろう、最近感じるこの物足りない気持ちは。
「俺の望む事」それは恋人になって涼ちゃんとずっと一緒にいる事だ。俺だけのものになって欲しい。
じゃあ「涼ちゃんの望む事」は何だろう?
『愛情』って言ったって色々ある。家族への愛情、友達への愛情、そして恋人への愛情。数えあげればキリがない。
俺は涼ちゃんの事が好きだ。それはずっと俺だけを見て、俺の事だけ考えて、俺の、俺だけなものにしたいって激しい感情。でも涼ちゃんの俺への愛情は?どんな種類の愛情なんだろう?
確かに恋人になる事を受け入れてくれた。でもそれはいったいどんな感情からくるものなのだろうか。
最近ちょっと自信がなくなってきた。
「ねぇ、涼ちゃん。俺の事好き?」
「うん。大好きだよ〜」
涼ちゃんの部屋のソファーに2人並んで腰掛けていつものように涼ちゃんにたずねる。そんな俺に涼ちゃんはちょっと苦笑しながらも優しく答えてくれる。
毎回毎回、何度も聞くから呆れられても仕方ないよなぁ。でもどうしても確かめたくなってしまう。
涼ちゃんを腕の中に閉じ込めると、涼ちゃんも背中に手を伸ばし抱きしめ返してくれた。
「涼ちゃん。キスしていい?」
「だから毎回確認しなくていいって言ってるでしょ」
涼ちゃんは呆れながらも顔を覗き込み、俺は抱きしめながらそれに誘われるようにキスをする。それはだんだん激しくなっていく。ギュッと抱きしめながら息もできないくらい激しく、激しく …。
やっと唇を解放した時には涼ちゃんは頭がボーっとしているのか少し焦点が定まらず何とも言えない色気を醸し出していた。俺はゴクリと唾を飲み込んで、そのまま押し倒したい衝動にかられる。
でも…。俺はグッと踏み止まった。なんだろう、後一歩踏み出す勇気が持てない。このまま勢いで進めてしまってもいいんだろうか。涼ちゃんはいいの?本当はどう思ってるの?
付き合えるなんて思ってもいなかったあの頃から考えたらとても贅沢な悩み。それは充分わかってる。
それでも…。俺は涼ちゃんの息が整うのを待って笑いかける。
「大丈夫?」
「も〜、いつも苦しいって言ってるじゃない」
「ごめんごめん」
そう言って笑いながら無理やり話題を変える。
「そういえば今度の曲はさ…」
…なんだろう。俺の中で自分でもよくわからない不安と不満がどんどん溜まっていくのを感じていた。
わたしの書くもっくんは最初からヘタレだったようです。
自分からアタックしてOKもらって最初浮かれてても、相手の気持ちが自分と同じ熱量なのか不安になる事ってありますよね。
コメント
6件
リアルぅ…大森さんの自分の不安の大元がよく分からなくて、オロオロする感じ「そうだよね~分かるわぁ」って言っちゃうやつ🤭
ヘタレなんて神やんჱ̒✧°́⌳ー́)੭また神作なるやつやー✨ 続きが気になる( ˶'ᵕ'˶)
へたれもっくんいいね