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五月蠅く虫の声だけが鳴り響いている。しばしの沈黙のあと、俺から口を開いた。
戶介「ついに…この時が来てもうたんや。」
女房はじっと、赤紙を見つめたあと、俺の顔をまじまじと見て言った。
梦「何処か、最後に行きたい所や食べたいものなんかありますか?」
俺はその言葉を聞き、一つの場所を思い出した。
戶介「あそこに行きたいな。君と初めてあったあの砂浜へ」
梦「それなら、準備しんとあかんね。出兵まで1週間もあらへんで」
女房はそう言い終えると、立ち上がり物置の方へと向かった。