あかりが掃除機をかけてるとスマホが震えている。掃除機を止めて見てみると元夫の豊からの通知だった。無視して再び掃除機をかけた。今度はインターホンが鳴ったのでドアスコープを覗くと崇だった。
「崇さん丁度良かったまた元主人から通知がきて…。」
「見せてください。」あかりは崇にスマホを渡した。
「彼奴が私を裏切ったのに……。」
「僕に任せて下さい。」崇はあかりを強く抱きしめた。
「元主人の居所私知らないけど。」
「大丈夫必ず突き止めますから。」崇の言葉を信じてあかりは涙を拭いた。
「あかりさん豊さんと話つけますから。」
「崇さんは良い人ですね。」
あかりは崇にキスをした。
崇はゆっくり目を閉じた。
「此処が豊さんのマンションみたいですね。」
「崇さん気をつけて。」二人は手を握りあった。崇はそっと手を解いて階段を上がった。
「豊酷いまた元奥さんに連絡したのね!」
「お前が俺に暴力ふるってくるからだろ!」ドア越しに豊が彼女と喧嘩してる声が聞こえてくる。崇は息を飲んでインターホンを鳴らした。
「はい。」
「あなたが豊さんですね僕はあかりさんとお付き合いしてるものですあかりさんに連絡してこないで下さい。」豊は眉間に皺を寄せて舌打ちした。
「彼奴がこんな女装野郎と付き合ってたなんて知らなかったよ彼奴は何処だ話がしたいんだ。」豊に崇はビンタした。
「あなたがこの女性と不倫してあかりさんを裏切ったんでしょ本末転倒ですね。」あかりは遠くでその様子を見守っていた。
「本末転倒か…彼奴が色気ないから此女に惚れたんだでもまさかこんなヒステリックだなんて思わなくてさ。」
「あなた本当にクズですね少しなくても僕はあなたよりも色気ありますけど。」崇はそう言い捨て階段を降りた。
「ありがとうございましたお陰でスッキリしました。」
「今夜は飲みましょう。」二人は豊を嘲笑うように悔しがる姿を見て楽しんでいた。