コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
〜side葛葉〜
小柳が退院する前にやることがある
家を引き払い家具を俺の家に持ち込む事
小柳を見てくれる個人院を探しうちで診てもらえる環境を整える
そして小柳がうちにやって来た
それから一番大切な事
小柳に自分が妊娠しているとわからせる事
だから俺はあの日誘発剤を飲み、小柳の部屋の前にいた
自分が俺のラットにあてられてるとは思わず、自分に発情期が来たと思わせた
妊娠中は俺の匂いで発情するものなのかと思ったが、どうやらするらしい
なんて思われても良い
俺は利用出来るものは利用する
2人を守ると決めたから
でも心は揺らいでいた
本当の話をすれば良いだけ‥‥
そう思えば思うほど俺の利己心が顔を覗かせる
だから『叶にも言われた』と理由を付け俺は自分の計画を推し進めた
小柳に医師が妊娠を告げてからも安心はできなかった
何故なら最初の妊娠から俺との行為までが一カ月以上期間が空いていたから
本を買い妊娠について学んでいても、書いてある事と実際の症状が少しズレている
小柳はそのズレに頭を傾げ、不安そうにしていた
だから破水した時も小柳は『未熟で産まれるのは』と心配していた
俺は『大丈夫』の一点張りな事しか言えず、本当に申し訳なかった
長いようで短かった妊娠期間を経てあの子は産まれた
見てすぐ分かる
髪の毛や瞳の色
優しい表情‥‥
俺たちの前に叶にそっくりの天使が舞い降りた
.