テラーノベル
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そのままペンドラーへついて行くとある路地裏のゴミだめのような所へ案内される
〖ギャピ!〗
『ここになんかあるの?』
何か捜し物でもあるのだろうか?そう思いながらゴミだめの中を覗こうとした時だった、横にいたペンドラーがゴミだめの中に顔を突っ込む
『えっ!?ど、どうしたの!?』
驚いたあと、何か変なのを食べたら危ないと思い体を引っ張るが全く動かない
困っていると、ペンドラーが顔を上げて咥えていたとあるものをシオンへ渡す
『え…?フ、フシデ??』
〖ンミィ……〗
〖ギャピ!!〗
〖アチャ!?ンチャー!!〗
フシデはシオンを見るなりひと鳴きした後、シオンの胸にしがみついたまま眠る
そんなフシデに対し、嫉妬したのかアチャモが肩の上で怒っている
そんなアチャモを撫で、落ち着かせたあとペンドラーとフシデを交互に見つめる
『え、えっと…くれるの…?』
〖ギャギャピ!〗
『そっ、か…ふふ、ありがとう。ペンドラー』
このままほっとく訳にもいかないし、と引き取る事を話すとペンドラーは目を輝かせ嬉しそうに飛び跳ねる
『でもこの子、かなり身体が小さいような…生まれたばかり…?』
〖ギャピ…?〗
ペンドラーもそれはあまり分かっていないようだった
こういうのが詳しい人は……そう思うと1人頭の中で思い浮かぶ
『ペンドラー、カラスバさんの所まで案内できる?』
〖!!ギャピピ〜♫〗
シオンの言葉に今日一嬉しそうにしてピョンピョン飛び跳ねるペンドラー
そんなペンドラーに笑いながら、ペンドラーの後をついて行った
───サビ組事務所
「あ?ペンドラーが戻ってきたって?」
「どうやらシオン様もご一緒らしく…」
「は!?…とりあえず通したって」
シオンが倒れた日から、シオンの顔を見ただけであの日を思い出してしまい事務所に来ても断っていた
しかし流石に何度も断るのも申し訳なく思い
ジプソにシオン達を通すように言うとすぐにエレベーターからシオンが現れ此方へ駆け寄ってくる
「ん、なんやフシデなんかもって。というかペンドラーお前、急におらんなったらいかんやろ」
〖ギャピ……〗
頭を下げて落ち込むペンドラー
そんなペンドラーの頭を少し撫でたあと、シオンの方を見る
『この子、ペンドラーから渡されたんですけど…少し小さいように見えて…カラスバさんなら詳しいかなって』
「まぁ、それなりにはやけど」
立ち上がりシオンの胸に抱きついているフシデを見つめる
確かにXSサイズにしてはかなり小さすぎる、しかし体調が悪いというわけでも、どこか怪我しているという訳でもない
それに落ち着くのか、シオンの胸に寄りかかってすやすやと眠っている
正直羨ましい。ってあかんあかん、何言うてんねん
「──かなりちっさい個体なんやろ。怪我とかしとらんし大丈夫や
それよりソイツはどないするん?」
『えっ、と…う〜ん……』
「お前のパーティドラゴンタイプ多めやし、これを機に入れたらどうや?」
確かに、今のパーティはフェアリータイプにめっぽう弱かった
カラスバの言う通り、フシデが良いのなら捕まえるのもありかもしれない
『君はどう?一緒に来る?』
〖フミ……〗
少し眠そうにしつつもゆっくり頷きまたシオンの胸の中に顔を埋めるフシデ
「よかったやん、せやこれで捕まえや」
『わ、ありがとうございます』
カラスバからダークボールを受け取りフシデにボールを近づけると少し頭を近づけ中に入る
しかしすぐにダークボールの中から出てきてシオンに抱っこしてというように泣きながら足をかじる
〖ミ”ィー…ッ!!〗
『あててっ、わかったわかった』
「随分甘えんぼみたいやな」
〖ヂャモ……〗
シオンに甘えんぼなフシデに対して、自分の座を取られたような感じがして怒っているアチャモ
『ごめんごめん、アチャモも可愛いよ』
〖チャモ〜♪〗
褒めると満足気にドヤるアチャモ
そんなシオン達を見つめているとペンドラーがグイグイとカラスバをシオンの方へ寄せる
「ちょ、どうしたんやペンドラー」
〖ギャピ〜!〗
どうやら、シオンとカラスバが2人で居てくれる事が嬉しい様子
そんなペンドラーの頭を撫でつつ、シオンへ顔を向ける
「…フシデの事分からんことあったら、いつでも聞きに来いや」
『いいんですか…?ありがとうございます!』
「べ、別にええで。オレもお前に会えるんは嬉しいし…」
そう言って目を輝かせ笑うシオンに心臓がドキッと大きく鳴る
『ふふ、ちょっと落ち込んでたけどここに来たら元気になりました。ペンドラー、カラスバさんありがとう』
「なんや、なんか嫌なことでもあったん」
『あ、えっと…カラスバさんにだったら話してもいいかな……お世話になってるし……』
「なんや」
『実は…』
シオンが少しバツの悪そうな顔をする
その瞬間ペンドラーが気づき、何とかして止めないとと焦る
しかし時すでに遅し
『自分好きな人がいて、その人が目の前で他の女性と仲良さそうに話してて…
あのままペンドラーが来なかったら結構辛かったなぁ〜って』
そう言って冗談ぽくケラケラと笑うシオン
しかしそんなシオンに対しペンドラーや後ろにいたジプソまでも顔を青ざめさせる
『ま、それでも諦めるつもりはないんですけどね〜…っうわ!?ど、どうしたのペンドラー?』
〖ギャギャピ!!ギャピ!!〗
ペンドラーがシオンの服を掴みカラスバから離そうと強く引っ張る
そんなペンドラーに驚くシオン
しかし、次の瞬間肩を強く捕まれる
『い”ッ……』
「誰や」
『…え?』
「誰が、好きなんや」
カラスバの冷たい瞳がシオンを射抜く
そんなカラスバに初めて会った日のような恐怖を抱き、少し後ずさりする
『その…えと…ガイが、好きで……』
怯えているシオンを見て、色々な感情を押し殺し1度深く息を吸い吐く
ここでまた前のようにシオンに当たって、怖がられてしまう訳にはいかない
「はぁ…………そか。」
『?』
「…すまんな、肩痛かったやろ」
『えっ、いや…』
「ジプソ、家まで送ったって」
「かしこまりました」
『え?あ…ま、またきますね…?』
そう言うと困惑しているシオンを送るジプソ
そして2人が居なくなった事務所でカラスバは元の椅子にドカッと座り大きくため息を着く
「…それはあかんやろ」
何を勘違いしていたのか
きっとシオンは自分の手に堕ちて来てくれると思っていた
シオンの好きな食べ物、好きな服、趣味、好きな恋愛漫画の系統から分かる、好きな男のタイプ……全て把握していたしこれからゆっくりと堕として行けばいいと思っていた
今のあいつは、あの頃のアイツじゃないのに
また好きになってくれる、そう思い込んでいた
「は、ははッ……」
手をグッと強く握り閉め、怒りを抑える
「ペンドラー、お前知っとったんか」
〖ギャピ……〗
「そか、変な気使わせてしもうたな」
きっと、オレとシオンが元の関係に戻るようにとフシデをシオンに渡したのだろう
あのフシデが居れば今以上にシオンと会える機会が増えるから
「…変なとこオレに似てもうたな」
そう笑うが目は笑っておらず、怒りも悲しみで溢れかえっていた
そんなカラスバを心配し、カラスバの顔に自分の顔を擦り付けた
「また…調べ直さなあかんな」
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