〜side小柳〜
翌日の放課後
俺は1人教室で星導を待っていた
昨日の星導は何だったのか
今日だって何だかよそよそしい
俺何かした?
机の上に2人分のカバンを上げ、枕がわりにしながらスマホを弄る
画面は開いてるが、頭の中は星導の事を考えていた
「あれ?ロウじゃん。何してんの?1人で」
「‥‥俺人待ってて」
「あぁ、星導待ってるのか」
そう言いながら俺の前の席に背もたれを抱えながら座る
「俺さ、考えたんだけど」
「‥‥?」
「お前と星導の両思い大作戦」
「ダサ、作戦名。ほんで、頼んでないけどね」
「そんな寂しい事言うなよ。一応きいてみたら?」
「ん?いらない。決行する事もないしな」
「あのね、星導を呼び出して‥‥」
「お前の悪い所出てるぞ。人の話を聞かないっていう‥‥」
「そしてキスしてそうな距離で目のゴミ取ってたら見られて、嫉妬して星導がロウに急接近!みたいな」
「古典的過ぎる‥‥」
「受け継いでいかないと。こんな風に‥‥」
ウェンが立ち上がる
そして俺の顔を手のひらで持ち上げ、顔を近づける
「う、ウェン⁈」
「ほら、こんな感じでさ」
頬を両手で挟まれ上向きにさせられる
「ロウきゅん、まつ毛長いね」
「ロウきゅんってよ‥‥」
「何してんの」
その声に驚き振り向く
星導がこちらに向かい、ウェンを突き飛ばした
「ウェン!」
床に倒れ込むウェンに手を伸ばそうとする
その腕をがっしりと掴まれ、星導に捕えられた
「‥‥痛ってぇ‥‥俺何もしてないのに」
「‥‥そうは見えなかったけど」
「してないよ。本当に」
ウェンが立ち上がり、お尻を手で払う
「まったく‥‥意外と沸点低いんだから。それじゃ俺は退散しようっと」
「え、おい!ウェン?」
出ていくウェンに呼びかけると、星導が俺の腕を強く握った
「痛っ‥‥離せよ」
「ウェンが気になる?」
「そうじゃないだろ?お前ウェンに謝れよ」
「何で?そんなにウェンの事、好き?」
「は?何言ってんだよ。お前あんな事する奴じゃないだろ」
怒ったまま離さない腕が痛い
こんなに険しい顔の星導は初めてだ
「俺の質問に答えてないけど。答えづらい?」
「ウェンは友達だよ!何なんだよ‥‥」
「友達とあんな事するんだ」
「あんな事って、だから何もしてないって‥‥」
「何でもない事?これが?」
頭に手が回され、突然星導と唇がぶつかる
そして意味の分からないまま口を開かされた
「んっ!‥‥ぃ‥‥んんっ!‥‥んっ」
よく分からない
でも怒りの感情だけが流れてくる
苦しくなる呼吸
俺は星導を突き放した
「‥‥はぁ、はぁ‥‥」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥帰る」
机のカバンを取り、教室を出る
星導は俺を追いかける事なく立ち尽くす
「何だよ‥‥なんか言えよ」
誰も追ってこない背中に向かって独り言を呟いた
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コメント
2件
rb嫉妬?!?!?!?!! ヨキ(◦ˉ ˘ ˉ◦)ჱ̒♡ オリャ~(っ'-')╮=͟͟͞͞❤️