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朝練が終わり、教室に移動する。
ここが3-B…。意を決して中に入る。
私の席って確か…ここだよな?隣りが仁王でその仁王の前の席がブン太……。
キター!!!大当たりじゃん!夢主のチカラってすげー!
SS席で見れんの?2人の絡みが?死んでもいいわ!あっ!もう死んだんだった!ガハハハハハ!!
「なぁ、主」
主…?主って変な名前…ってわ・た・しじゃーん!
「なに?…!?」
ブン太!?声にならない、というかなってはいけない叫び声が出るとこだった…。
「単語帳持ってない?」
「単語帳?持ってるけど?」
英単語が載ってるヤツだよね?確か鞄の中に入れてあるハズ…なんだけど。確か今日、英単語の小テストがあるし同じクラスだから貸しちゃマズイんじゃ…って別にいっか!
「はい」
手早く単語帳を取り出し渡す。
私はテスト0点でもいいんだ…キミがそれで少しでも𝑯𝒂𝒑𝒑𝒚 になれるならサ…。
「お!サンキュ!他のクラスのヤツに聞いたらみんな持ってなくてさ。テスト始まるまでには全部写して返すから」
え?あっ!そっか。テストまでに範囲写すか普通。永久に返ってこないものだと認識してたわ…いやなんで?ブンちゃんはそんなことしないもん!
「あっ、そうだ!今日さ、昼メシ一緒に食おうぜぃ!」
ぬあああああああああーっ!?嬉しさのあまり赤澤部長のような雄叫びが…。
「いいよ!ありがと!」
どうして誘って頂いたのか一切わからないけどありがとうございます!恩に着ます!
こうして私の青春キラキラ☆スクールライフは幕を開けた。
学校なんだから当然授業があるワケだけど…え…ヤダ……めっちゃ簡単……!つっても私、義務教育は3年前に終わってるし?余裕ッスわ。
というか隣りにいるハズのにおーくんが1限目からサボりでいないんですけど?授業中の様子観察させろC〜!
ブン太は私が貸した単語帳の範囲の書き写し…ようは内職中。先生に見つかったら怒られるヤツだ。いや〜中学生ですな〜!青春ですな〜!
お!チャイム鳴った!懐かしいな…また聞くことになるとは…。じゃ、授業終了〜!対ありでーす!
休み時間、特にこれといった用事もないので仁王を探しに屋上までやって来た。多分ここでしょ。
「あ、いた!」
「ん?主か…」
クッ…屋上が似合うタイプのイケメン!
「何か用かの?」
「なんとなく探してただけ」
「ほうか。おまん、体調の方は大丈夫か?」
すごい心配されるな私。あ、でも急に倒れたらそりゃあそういうリアクションされるか。
「ソレみんなに聞かれる。大丈夫!もう元気だし」
「果たして…本当にそうかの?」
えっ?なに?カマかけられてる?だとしたらなんで?
「朝から様子がおかしい気がするが…気のせいじゃったか?」
!?もしかして私が転生したってバレた!?中身が変わってるってバレたの!?
「いや、ホントに大丈夫だから…」
どうにかして誤魔化さないと…!
「そうか?じゃ、確かめてみるき」
手が伸びてきて私の前髪を上へと上げる。
コツンとお互いのおでこがあたって…え!?
なっ!?!??こ、これってもしや…恋愛系シチュでよく見る通称:熱でもあるんじゃない?からのコツン…からの熱はないな…からの顔赤いけどやっぱ熱ある?だーッ!!!
うわぁぁぁ!!実体験してるああああ!!!
心臓バックバクだし熱どころか死ぬわこんなもん!!!あ!もう死んだんだった!
「熱は…ないな。でも、顔が真っ赤ぜよ」
「だっ、誰のせいだと思ってんの!?」
慌てて距離を取って離れる。
さっき言ったヤツとほとんど同じ流れになってる!?
「ほぉ?少しは俺のこと意識しとるようじゃな…」
えっ…ちょっ……。そんなこと言っていいの!?私、鈍感主人公じゃなくて深読みキモオタクだから本気にしちゃうぜ!?
「…どういう意味?」
におーくんよぉ…。いくら自分が中3とは思えない色気まとってるからって年上のおねーさん(中身が)をからかっちゃいけねーな!いけねーよ!
「そのままの意味ナリ」
「そのままの意味って…」
キラリラリン♪
好感度ゲージが上がった音!?でも肝心のゲージがバグったままでどう上がったかわかんないじゃん!!開発さ〜ん!早くなんとかして〜!
「なぁ主」
急に真剣な顔しちゃって…どうしたの?
「な、なに?」
「俺のことちゃんと見ときんしゃい…目、離すなよ」
「!ねぇ…それって…?」
「…プリッ」
あ!ちょっ!逃げた!もう…なんなの〜!!!そんなことされちゃったらさ…あーッ!好きだよッ!?
1人取り残された屋上に虚しい叫びだけが響いたのだった。