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あぁ…ダメだぁ。さっきのこと…もうどうしたらいいの!
今1番好感度が高いのってひょっとして仁王なの?ゲージがバグったままだから確かめようがないけど…。
だってさ!「俺のことよく見とけ」と「目、離すなよ」は他の男見んなって意味でしょ?いや夢女の拡大解釈かもしんないけど!
え…好きじゃん、私のこと……。
「主!」
「…丸井?」
「メシ、一緒に食う約束してただろい?」
「そっか…そうだったね」
あ、もうお昼なんだ…。時間の感覚マヒってた。頭ん中いっぱいいっぱいでもう無理で候…。
「どうしたんだよ?さっきからぼーっとしてさ」
「あ、え、そうかな?」
常々彼女になりたーいって喚いてた相手が自分のこと好き(あくまでも不確定)だったら地に足つかずにずっとフワフワしちゃうよ…。
しっかりしなきゃ。
「主」
ギャーッ!?!仁王!?いつの間に!?背後取られた…戦場なら死んでたわ。いやそうじゃなくてっ…どんな感情でいればいいワケ?
「ちょ、オレもいるって!」
「ん?おったんか」
「お前わざとだろい…。オレ達これからランチだからさ」
「なら俺も一緒にええか?」
まさかの参戦!うそーん…。
「えー!ま、いいけど。主は?」
「…うん、いいよ」
夢にまで見た展開だけど…素直に喜べぬ。こっちはマトモにあなたの顔も見れない状態なんですが!?
「……?」
ランチタイムは何事もなかったかのように進んでいった。仁王はいつも通りだし、ただ楽しいだけ。気にしてんのひょっとして私だけ?
「まだ食い足んないなぁ…購買行こっかな」
「…太る」
仁王がボソッと呟く。
「うるせー!聞こえてるし」
通常運転ならここで二次創作で見たことある展開だウッヒョーィ!!!って大歓喜するんだろうけど今それどころじゃないから…。あー!もう!なんなの…。
「ちょっと主。一緒に来てくんない?」
「へ?私?なんで?」
もう…食えません…状態なんですが?購買行ってどうすんの?
「いいから!さ、行こうぜ!」
あ!ちょっと!
「待ってよ!」
仁王は…。
「食べたら眠くなっきたのぉ…ひなたぼっこしてくるき。俺のことは気にせず行ってきんしゃい」
自由だなー…。やっぱガチガチに意識してんの私だけなのかな。
「わかった…授業までには帰ってきなよ」
「ピヨッ」
そう言うと後ろ手を振ってどこかへ行ってしまった。
「おーい!主ー!」
「今行く!」
お言葉に甘えて行ってきますか…。
わざわざご指名でなにかと思えば、ふーん…一緒に来た理由って…ふーん。
数分前のこと。
「購入制限あってさ。1人で買える分じゃ全然足んねーの。だから…」
なんの購入制限かというと購買で売ってるパンのこと。一部の生徒が買い過ぎるからだろうけどその一部の生徒って…。ま、いっか。
「私が買うってこと?」
「そ、お金はちゃんとオレが払うから問題ナシ!」
という理由だったようで。なーんかいいように使われた気が…いや、全然いいんだけどね!少しでも必要とされるだけでハッピーなんで。
今はパンを抱えて2人で教室に戻っている。
「なぁ、ずっと思ってたんだけど…仁王となんかあった?」
!?勘のいいイケメンは嫌いじゃないよ…でも今は困る!どしたん?話聞こか?ってことだろうけど人に話すようなことじゃないし…。
「ううん…別に」
「ウソだ」
「えっ…」
即答じゃん…!そんな顔に出てた?
「わかるって…お前のことずっと見てたし」
見てた…?私を?
「嫌なら何があったかは聞かないけどさ」
え、優し…。性格までイケメンじゃん!知ってたけど!でも…。
「…ごめん」
やっぱ言えないよなぁ…こんな色ボケ増し増しな悩み。
「謝んなって!なにがあったか大体想像つくし」
「え…?」
わかるの?なにがあったか?
詳細を聞く前に教室に着いてしまった。
こっち来てから全然心が休まらない。度肝抜かれてばっかだ。もちろんいい意味でだけどちょっと疲れた…。ん?ブン太なにしてんの?パン、机に置いたまんまじゃん。食べないの?
「コレさ…お前に」
その手には紙袋が。
私に?とりあえず受け取る。
「ま、コレ食って元気出せよ!」
中身はなんだろ…これは…カップケーキ!クオリティ高ぇ…お店とかにあるヤツと変わんないじゃん。トッピングもめちゃかわいいし!
「いいの?もらっちゃって」
「いいよいいよ!だってこれ…お前に渡そうと思って作ったから」
「えっ!?私に?」
今明かされる衝撃の真実!
「あー…実はさ、ずっと渡すタイミング狙ってた。いつもなら普通に渡せるのに…おかしいよな?なんか渡しづらくてさ。喜んでくれるかな?とか好きじゃなかったらどうしようとか考えちゃって…あー!オレ、なに言ってんだろ…」
いや…それ……
私のこと好きじゃん!!!!!
そういう解釈してもいいですよね!?今の発言は!!!
「とにかく!喜んでもらえたようでなにより」
「ホントありがと!あとで大事に頂くね」
キラリラリン♪
やった!好感度アップ!ってアレ…?それでもさっき見た幸村くんの方が高かった気が?それにめっちゃ高いワケでもなくこのカンジということは…好感度MAXだと一体どうなっちゃうの?というかゲージが表示されてる8人全員の好感度が上がり続けちゃったら…。
トキメキ過剰摂取(オーバードーズ)で死んじゃう!!!うおおおおぉ!!!頼むから耐えてくれ私の身体ーッ!!!!!
って思ったけど柳生は大丈夫だよな…アハハ……ハ?
なんかイヤじゃね?1人だけ好感度ゼロなの?え?イヤじゃね?普通に考えてさ?え?
仕方ねぇ…こうなったら……絶対好感度上げてやらぁ!MAXとまではいかないけど”私のご友人…いえズッ友です”って言われるぐらいには頑張って上げてやっからな!覚悟しとけよ!!!!
そこから『紳士のズッ友になるぞ☆大作戦』が始動したのだった。