番外編12 『執事が現代に来たらどうなる?』
後編
みんなが私の世界に来て2日目。
生憎部屋には困ることは無かった。
(タワマンだからね😎)
でも、困ることは他にも沢山あった。
みんなはこの世界のことを何も知らないということだ。
『これはなんですか?主様。』
『あ、それはね。紅茶のティーパックだよ。これをカップに入れてお湯を注げば少しづつ色がつくの。』
『なるほど…。主様はこちらにいる時はこれを飲んでるんですね…。』
『あ、もちろんベリアンの作る紅茶が1番美味しいよ!』
『主様?これなんですか?(^^(圧))』
『え、ロノ怒ってる…?』
『冷蔵庫?の中に賞味期限きれてるものがあるんですけど。』
『まだ!まだ食べれるから!火を通せば!』
『…屋敷では栄養バランス採れたもの食べてもらいますからね。』
『……はい。』
『なぁ主様。この冷蔵庫?の中に材料がもう無いが買い出しに行かなくていいのか?』
『あ!そうだね、行かないと。』
『主様。力仕事ならお任せを。』
『ありがとう。じゃあ行こうか。』
私は車の鍵を持つ。
(あーでも全員は連れていけないな…。)
『あの、車に乗れるのが10人乗りなので、9人は家でお留守番なんだけど…。』
ピクっ
執事達の目の色が変わる。
『昼の買い物組と夜の買い物組で分かれてもらえるかな。』
『これは負けられない…。』
『主様と最初に居たいな。』
『俺もっすよ!』
『年長者だから譲りたいところだけど…主様と買い物なら譲れないかな♪』
『ではここは私を採用していただければ、必要な費用で必要なものを揃えますよ!』
『はぁ?ナックと買い物なんか絶対嫌なんだけど?』
『まぁまぁじゃあ、ジャンケンして決めてね。』
数分後。
昼の買い物組
『俺が栄養バランスの良い食材を買いますね!』
1階からはロノ
『主様とお出かけ楽しみです。荷物持ちなら任せて下さいね。』
『まぁ当然だよな( ・´ー・`)』
2階からはハウレス、ボスキ
『主様の世界のワイン楽しみだなぁ♪』
『大人しく留守番ですよ?ラムリ。』
3階からはルカス、ナック
『主様とお出かけ…ワクワクしますね。』
地下からはラト
『誠心誠意お供します。主様。』
『主様とお出かけなんてラッキー!』
別邸1階からはユーハン、テディ
『ふふ、主様とお出かけ楽しみだなぁ。』
別邸2階からはベレン
『気をつけていってらっしゃいませ、主様。』
『うん!あ、そうだ。家にいる間暇だろうから……。本とか呼んだり自由にしてて大丈夫だからね。』
『ありがとう、主様。ん?あるじ様。あれはなんだ?』
『え?』
バスティンは棚の上にあるかごをゆびさす。
『あぁ、あれはね。ハムスターのもちちゃんです。』
『モフモフ……。』
『ふふ、撫でてもいいよ。だけど気を付けてね。もちちゃん初対面の人に触られると緊張して噛むんだよね…。』
『あぁ。大丈夫だ。』
(既に噛まれてる。)
『主様。あのカゴの洗濯物畳んで置きましょうか。』
『ありがとうフルーレ。畳んだらカゴに入れて置いてくれたら大丈夫だよ。』
『はい。わかりました。』
『じゃあ行ってきます♪』
私はマンションの駐車場に停めてある車に乗る。
『ちょっと待て主様。主様が操縦するのか?』
『え?うん。そうだよ?』
『主様に危ないことさせられねぇ、俺と変われ。』
『うん。捕まるね。』
『捕まる?』
『えっと、これは自動車って言って車っていうんだけど、免許を持った人しか運転できないんだ。』
『そうなのか?』
『うん、私は免許持ってるから運転できるの。みんな、シートベルトつけてね。』
『しーと、べると?』
『えっと、タスキみたいな感じかな。これをここに差して…。』
カチッ
『うん、それでOK。じゃあみんな行くよ〜。』
『すげぇ、人が沢山いますよ!エスポワールより栄えてるな〜。』
『辺りみんな高いビルばかりですね。』
『あの店オシャレだな。』
『あ、美味しそうなワインだ。』
(ふふ、みんなはしゃいでる。可愛い。)
『着いた〜。ここが今日買い物するショッピングモールです。』
『広いですねぇ。鬼ごっこしたら楽しそうです。』
『あ、みんな入る前に忠告ね。私から絶対に離れないこと。みんなはこの世界のこと何も知らないから大変な目にあったら危ないからさ。』
『大丈夫ですよ。主様。主様に気概を加える輩は私が許しませんから。』
『はい!俺もです!』
『うん。既に不安かな…。』
『とにかく、私の言うことを聞いて欲しいってだけはお願いね。』
『かしこまりました。』
こうして執事たちとショッピングモールに繰り出す。
スーパーにて。
『うまそーな食材ばかりですよ!新鮮な果物も沢山あります!あ、あっちには美味しそうな肉も!』
(フフ、ロノ嬉しそう。)
『今日の夜ご飯どうしようかな…。』
『主様、こちらのお米でよろしいですか?』
『うん、ありがとうハウレス。』
『なぁ主様。これもいいか?』
『クッキー?ふふ、いいよ。』
『おい、ボスキ主様のお金だぞ。』
『あ?主様がいいって言ってんだろ。』
『お前な……。』
『2人とも落ち着いて…。あれ?ルカスは?』
『ルカスさんならあちらに……。』
『?』
『見たことないワインだね…あ、すみません、このワイン試飲出来ませんか?』
『申し訳ございません、お酒の試飲は出来なくて…。』
『えぇ、珍しいですね…。』
いや何してんの最年長。
私はルカスを連れ戻す。
『申し訳ありません、つい…。』
『ワインなら買ってあげる、1本だけね。』
(世話のやける…。)
『後買うものは…。』
『え、この上等な食材がこの値段で買えるのですか?』
『うん、これは半額シールって言うの。そしたらこの値段の半額で買えるの。』
『流石に安すぎませんか…?こんな怪しいものを主様に食べさせるわけにはいきません。ここの会社に連絡を…。』
『ナック落ち着いて、えっと…。』
(ナックでも納得するように説明するには…。)
『えっと、私はここの常連だからだよ。特別価格ってやつ。 』
『…なるほど!流石主様です!』
(納得してくれた…。)
スーパーでの買い物を済ませ、私は洋服屋さんに来た。
洋服屋さん
『この生地肌触りがいいですね…フルーレがいたら喜びますよ。』
『ふふ、そうだね。あ、これ欲しかったやつだ。』
『えっと困ります…。』
『1着だけ、1着だけでいいので着てみてくれませんか?』
『ユーハン?どうしたの?』
『えっと、こちらの方に洋服を勧められて…。』
『すみません、あまりにも綺麗だったのでこれを試着して欲しくて…。』
その服は和のテイストを取り入れた洋服出ユーハンに似合いそうだった。
『…ユーハン、着てみたら?』
『え?…主様が仰るなら…わかりました。』
シャッ
『どうですかね…。』
『お似合いですお客様!』
『どうですか?主様。』
『か、か…。かっこいい…っ。』
『あ、ありがとうございます。』
『…( ˙-˙ )スンッ(我に返る)すみません、このカードでコレを買います。』
『え、よろしいのですか?』
『みんなには内緒ね♪』
『は、はい!』
(主様からのプレゼント…ふふっ。)
お腹も空いたので、サービスエリアに来た。
『おさんじにしようか。甘いもの何食べたい?』
『主様。ここは俺達に行かせてください。』
『え?』
『買い物してて疲れたでしょ?俺とテディくんとハウレスくんで買ってくるよ。』
『ありがとう…。』
私はお金を渡す。
『いらっしゃいませ〜。』
『あの、すみません…。』
『はい、お伺いいたしま――( ゚д゚)ハッ!』
女性店員ビジョン
✨✨✨✨✨
(な、なにこのイケメン達…っ。)
『このストロベリータルトを2つと、チョコタルトを3つ、後、バナナマフィンとパウンドケーキと、あんまんとチョコオレンジケーキをお願いします。』
『か、か、かしこまりました!』
(カッコよすぎる…。)
数分後。
『おかえり…って、凄く沢山買ったね。』
『いえ、店員の人がおまけしてくれて…。』
(顔にやられたんだなぁきっと。分かる。)
『頂きま〜す。』
みんなそれぞれ好きなものを食べる。
『チョコタルト…悪くないですね。』
(ラトお気に召したようでなにより。)
一方その頃――。
『これがティーパックの紅茶ですか。…私の方が上手く作れます。』
紅茶のティーパックと喧嘩すな。
『もち…そう警戒しないでくれ。俺はお前をモフりたいだけなんだ。』
うん。かわいい。
『この本面白いな…。これも、これも…。』
本に夢中なようです。
『綺麗に咲くんすよー。』
水やりありがとう。
『どっかにお菓子ないかなぁ。』
主の家やぞ。(可愛いから許す)
『この灯り…蝋燭じゃないとするとなんなんだろう。』
まぁ気になるよね。説明がムズい。
『…見なかったことにしよう。』
何を見たのかなぁ?
『このお酒もいけるな。』
何してんねん。
『暇だな…。』
退屈だよね…シロシロ。
『ゴロゴロ…♪』
ムーちゃん可愛いね…♪
私とハウレスでお皿を下げに行く。
その帰りに女性に囲まれる。
『[´·ω·`]カチーン』
『あ…。』
『あのお兄さんお名前聞いてもいいですか?』
『かっこいいですね!』
『あ、えっと…///』
『……。』
(推しの照れてる姿はいいね。あ、いけない。助けないと。)
『ハウレス。』
『!あ、主様。 』
『すみません、私達急いでて…。』
『えぇ、せめてお名前を…。』
『は、ハウレス…です。では、失礼します…。』
ズギュンッ😍💘
名前を言っただけでかっこいい。
はい、少女達の初恋泥棒。罪な男。
『さて、買えるものも買えたから帰ろうか。』
『はい。』
(みんなとこうして私の世界で買い物したり何か食べたりするのって初めてだから楽しいな…。)
私は家に帰る。
『ただいま。』
『おかえりなさいませ、主様。』
『ただいまみんな。夜ご飯にしようか。』
『俺も手伝うぞ、主様。』
仲良く夜ご飯を食べ…夜の買い物組とコンビニに出かけた。
『夜にこうして買い物なんて新鮮ですね。』
『夜に買い物なんてなんだか不思議だ。夜はだいたい屋敷にいるからな。』
『こうして夜ご飯の後にコンビニに買い物行くのが楽しかったりするんだよね〜。』
『ふふ、主様が楽しそうで良かったです。』
『俺もっすよ!主様が喜んでくれるならどこへでも行きますよ。』
『ありがとう…///』
『あ、主様みてください!星が綺麗です!』
『本当だね。綺麗だ。』
『俺たちの世界と同じなんですね。星が綺麗なのは。』
『そうだね…。』
『…そんなしんみりした顔すんなよ、主様。』
『え?主様が望むならずっとこっちに居てやるよ。』
『ハナマル…。』
『あぁ。指輪の故障とやらが直っても、お前が望むならな。』
『シロ…ありがとう。』
(ホントならずっと居て欲しい。だけどみんなはみんなでやることがある。)
私は気持ちを押し殺して家に帰り、眠りについた。
翌朝――。
『すやすや…あれ、みんな…いない?』
(そっか、指輪のバグが直って…。)
『…。』
私は指輪をはめ込む。
ヒュンッ
『え、主様…?』
『やっぱり…みんなといたくて。』
『主様ァ!』
ムーが私に飛びつく。
『ふふ、ありがとうございます。主様。』
『主様が望むなら誠心誠意お仕えしますよ。』
やっぱりみんなといるのが1番♡♡
次回
番外編13 『担当執事がスマホから出てきた!?』
コメント
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ぷちちゃーん!大好きだよ〜!続き待ってる。体調管理しっかりね!
現世で執事達と過ごせるとか前世でどれだけ徳積んでんのって話
ぷちちゃん大好き🫶🫶🫶 まじ最高❣️