テラーノベル
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昨日のライブの熱狂の夜から一夜明け、街はすっかり静まりかえっていた。ビジネスホテルのシングルルーム。カーテンの隙間から、容赦のない昼の光が差し込んでいる。
「んぅ…..」
ゆうまは、頭を締め付けるような軽い頭痛とともに目を覚ました。昨夜の打ち上げで、一体どれだけ飲まされたか記憶が曖昧だ。ただ、ベッドの横に見慣れない「変なシルエット」が転がっているのを見て、一気に記憶のピースが繋がった。
(そうだ、こいつが俺の部屋まで無理矢理着いてきて…..)
隣で無防備に寝息を立てているのは、だいきだった。ステージ上のあの圧倒的なカリスマ性はどこへやら、今はただの、少し寝相の悪い男だ。ゆうまはため息をつき、ベッドから抜け出そうとした。しかし、腰に回された強い力に遮られる。
「….どこ行くの、ゆうま」
いつの間にか目を覚ましていただいきが、掠れた低い声で呟いた。普段のコミニカルなトーンとは違う、寝起きの、やけに男っぽい声。
「….離せ、シャワー浴びる」
「やだ。まだ眠い。お前、夜中ずっと俺の胸に顔埋めてたくせに、朝になったら冷たいじゃん。」
「なっ….////誰がそんなことっ//」
真っ赤になって反論するゆうまの体を、だいきは楽しそうに、さらに自分の方に引き寄せた。
「おい、まじ離せってっ….!」
「やーだ。ゆうま、体あったかい。落ち着くわぁ」
背中から包み込まれるように抱き締められ、ゆうまの心臓はさっきから信じられない速さで鐘を鳴らしている。首筋に触れるだいきの吐息が熱くて、くすぐったい。ステージの上で見せるあのキレのあるラップからは、予測不能などこへやら、今の彼はただの、甘えん坊で強引な男だ。
「…..お前、昨日の夜の事、どこまで覚えてんの?」
ゆうまは、顔を隠すように枕にうずくまりながら、恐る恐る尋ねた。自分の部屋に転がり込んできて、散々絡んできた所までは覚えてるが、その後の記憶が少し怪しい。だいきは、ゆうまの肩に顎を乗せ、低く含み笑いをした。
「んー?全部。ゆうまが『だいき、もう帰んなよ』って言いながら、俺の服の袖ギュッって掴んで離さなかったことも、ちゃーんと覚えてるよ?」
「っ!そ、それはっ..///」
図星だった。赤面するゆうまの耳元で、だいきがさらに声を低くする。
「なぁ、ゆうま。シャワー入るなら、俺も一緒に入っていい?」
「入るわけねぇだろ!!」
ゆうまは残った力を振り絞り、だいきの腕からするりと抜け出すと、ベッドから飛び起きた。呆然とするだいきを置き去りにして、ホテルのユニットバスへと駆け込み、内側から勢いよく鍵をかける。鏡に写った自分の顔は、茹でダコのように真っ赤だった。
「….バカだいき////」
心臓の音を落ち着かせるように胸に手を当てながら、ゆうまは小さく呟いた。閉まったドアの向こうからは、「えー、冷たいじゃんゆうま!」という、いつもの少し気の抜けた、愛おしい声が響いていた。
えびふらい
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えびふらい
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コメント
8件
うん、なんかすごいありがとう 神ってるわ
えびふらいさん、第3話読みました〜! だいきの朝の甘えん坊さ、ギャップにやられました…! ステージのカリスマとは大違いで、「やだ」「覚えてるよ」とか言っちゃうのずるすぎます💥 ゆうまの照れ隠しに逃げ込むバトルも可愛くて、思わずニヤけちゃいました。続きが気になります! 素敵な1話をありがとうございます🌙