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植まどか
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#能力者
紅優
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勇者は拓海にかざした剣、”聖剣”の力で拓海の記憶の中にダイブした。
(これが彼の記憶の世界……)
空の一部が割れ、異世界人が現れる。その場は混乱の渦に巻き込ままれる。すると、拓海の記憶に直樹が映る。その瞬間、勇者の目の色が一瞬にして変わる
「……!!この少年は……!?」
それから勇者は記憶を読み進んで行き、考え込み、頭のおかしくなった悪役みたいに笑い出した。
「ふっ……はははははあっ!!!」
「……!?」
突然目の前で勇者が笑いだし拓海は驚く。
なぜ笑っているのか、何が面白いのか拓海には分からない。
「なぜ思いつかなかったんだろう……!?最初からこうすれば良かったんだっ!」
勇者は興奮を落ち着かせて拓海に言った。
「君の言う通りにしよう。僕は”勇者”としての役割を果たす。そして君を元の世界に送ってあげよう」
「……本当に!?」
「ああ、僕はここにいる。準備ができたらいつでも声をかけてくれ。君には返せないほどの借りができたからね……!」
・ ・ ・
「……タクミ!!探したぞ」
ルバークは歩いていた拓海を見つけ走り寄った。拓海は暗い顔をして俯いている。
「……ルバークごめん。俺……怖くて、関係ないのに全部みんなのせいにした。ほんと、自分勝手でごめん」
「………」
ルバークは拓海の肩に手を置き何かを言おうとした時、ルバークの後ろから誰かが言った。
「いや……タクミの言うことも一利ある」
現れたのはユーフュリカと呼ばれたヤマアラシの獣人だった。ユーフュリカは話を続ける。
「世界がこんななのに、関係ないやつにいちゃもんつけてたワシもどうかしてた。ほんと、何やってるんだろうな、わしら。これから、何をしたらいいのか分からない」
「……なら、提案がある」
下を向いていたユーフュリカもルバークも拓海の方を向く。
「俺、元の世界に変える方法が見つかったんだ。だから今日中には帰るつもり。だけど、俺一人じゃ仲間すら助け出せない……!」
拓海はスボンを握りしめ深いしわができる。
「だから一緒に、一緒に来てくれないか……!?」
その場に居た誰も手を挙げる者はいななかった。拓海と一緒に行くこと、それは魔王と戦うと言うこと。勝てるわけがない。誰もがそう思っている。
(やっぱり……無理に決まってるよな……)
諦めかけたその時、ルバークは耳をつんざくような声で叫んだ。
「私は行くぞぉ!!」
「……!?」
ユーフュリカは驚き針が広がる。
誰もが驚きルバークを見る。ルバークは気合を入れて拳を顔の前に作る。
「タクミが行くなら私も行く!勝てなくても、タクミは守る!ハードな修業になるぞ!」
「ルバーク、無理しなくても──」
「無理をしてるのはタクミの方だ。タクミは私たちと違って戦える力がないのに自分で何とかしようとする。そんなこと私には出来ぬ事だ。だから私はまだ弱い、修業してタクミのように強くなりたい!」
「ルバーク……」
ユーフュリカは髪、ではなく針をくしゃくしゃに掻き混ぜて叫んだ。
「ああぁもう!わしも行くぞ!人間に遅れを取るなんてありえない!獣人に負けぬ戦はない!みな覚悟はできているなぁ!?」
「おおおおおおおっ!!!」
その場にいた獣人が大声を上げ吠える。
拓海の体がその音の振動で震える。
「ありがとうっ……!」
「準備ができたようだね」
振り返るとそこには勇者がいた。
ルバークとユーフュリカは知らない人物が出てきて不思議そうに見つめる。
「この人は勇者、俺を元の世界に送ってくれる人だ」
「勇者!?」
ルバークとユーフュリカは目を見開き驚く。
「その反応には飽き飽きするよ。行くなら急いだほうがいいよ?」
「わかった」
「もう少しデカくて太い剣はないか!?探してくる!」
「まったく、早くしろ!」
「それじゃあ、門を開くよ。幸運を祈る……向こうでまた会おう」
「え?またって──」
拓海が初めて異世界に来る前のように、その場が光りに包まれた。