テラーノベル
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❤️💙×💛(霧矢)
※同棲、クロスオーバー要素、暴力表現あり
❤️視点
「なあ元貴。涼ちゃん全然部屋から出てこなくね?」
3人での休日、ソファに座りスマホをいじっていると、突然若井が声をかけてきた。言われてみれば今の今まで2階から物音ひとつしていない。壁に掛け飾られた時計を見やり、そっとスマホを机に置く。
「あー…、もう12時?まだ寝ちゃってんのかな。起こしに行ってくるわ。」
「任せた。俺なんか軽く食べれるものコンビニで買ってくる。」
少し眠気を主張する重い身体をソファから起こし、大きく背伸びをする。起こしに行く旨を若井に伝えると、ソファに雑に置かれていたアウターを手に取った若井が車の鍵を探し出す。
「昨日、自分で鍵そのアウターのポケット入れてたよ。あ、後なんか甘い物買ってきて。若井チョイスで。」
キッチンのカウンターに置かれている小物辺りを探し始めた若井の背中にそう言い放ち、ついでに自分の食べたいものを頼む。ポケットに手を入れた若井が鍵を取りだし、くるりとこちらに振り向いた。
「俺のセンスまじやばいからね。えっぐいから。」
「どっちの意味で??」
自信満々にそう言った若井に呆れた笑みを返し、適当にツッコミを入れる。だが、今はこんなおちゃらけたやつに構っている場合では無い。「外寒いかな〜」なんて独り言を零す若井の横を通り抜け、2階への階段へ向かう。
「涼ちゃーん!!!もうお昼だよー!!!」
「なんでそんな朝のお母さんみたいな起こし方なの?普通に上行けよ。」
人の気配を感じない涼ちゃんの部屋に向けて階段の下から叫んでいると、準備を終えた若井が向かってきた。
「別にいいだろ、てか早く行けよ。」
「はいはいはーい。俺鍵持っていかないからここ閉めといて。帰りインターホン鳴らすわ。」
何かを伝えてきた若井の言葉を適当に受け流し、手すりに手を添えながら階段を登る。丁度2階についたところで玄関の扉が閉まる音がした。若井のチョイスしたスイーツは何になるんだろうか、と少々期待を膨らませながら、涼ちゃんの部屋へと向かう。
「涼ちゃーん。開けるよ。」
一応適当な数のノックをし、ドアノブに手を添える。開けようとしたその時、何か嫌な予感を感じた。ただの勘でしかないが、少しこの部屋から不穏な気配がする。
「……なんだろ。」
身に覚えのない違和感に、疲れているのかと自分を疑う。だが、自分の勘は今まで当たってきたことが多い。触れていたドアノブを回し、勢いよく開ける。瞬間、開けた扉をもう一度力強く閉めた。すると、何かがぶつかった音と共に、聞き慣れた声の苦しそうな息が聞こえた。
「いっっ……たぁ、…」
恐る恐る扉を開くと、そこには涼ちゃん…………ではなく、涼ちゃんに似た誰かがいた。
「は……、?」
俯く彼の姿を目に映し、勝手に口から困惑した声が溢れ落ちる。その声に気付いたのか、蹲っていた人物が勢いよく顔を上げた。見開かれたその瞳に光った鋭い眼光。一瞬にして感じた本能的な危機感に冷や汗が頬を伝う。まずい、と感じ後退った時にはもう遅かった。
「……っっっ、!?」
「ここ、何処っすか?早く口割らないとこの首、ポッキリ折れちゃいますよ〜♪」
気付いた時には壁に追いやられていた。喉元を圧迫する彼の腕を反射的に掴む。確かに姿形は涼ちゃんとよく似ていたが、髪は金髪をハーフアップで結んでおり、ガラガラとした模様のジャケットを身にまとっている。そして何より違う点は、俺に向けられている視線だ。いつものようなおっとりとした視線ではなく、的確に、獲物を捉えるような瞳だ。
「、っ、ぅ゛…りょ、ちゃ……」
「あ〜…なんて言ってっか分かんないっす。自己紹介でもしてるんっすか?俺名前聞いてるわけなくじゃなくて、場所聞いてるんっすけど。」
段々と息が苦しくなってくる。ヘラヘラと笑いながらも力を強める彼の狂気さには理解が出来ない。何とか拘束から逃れようともがいていると、突然彼の腕が降ろされた。開放された身体が必死に酸素を求め、床に投げ出される。
「ってか、ここ家?俺こんなとこ来た記憶ないんっすけど。…うわ、スマホもないじゃないっすか!!また冬橋さんに怒られちゃいますよ〜……。」
俺を見下しながらそう何か独り言を語り出す彼の目は、自分よりも下の弱者を馬鹿にする視線だった。涼ちゃんじゃないなら彼は一体誰なんだ。酸欠で震える手足を必死に起き上がらせ、彼を見上げる。改めて全体を確認した時、はっ、とした。
「…もしかしてリブートの、?」
「は?…リブート?なんで一般人がそんな単語知ってるんっすか?はぁ〜…やっぱこっち側の人間だったんすね。じゃあ口割ってもらわなきゃ……」
驚いた彼が1歩踏み出した時、下から玄関の開く音がした。
「元貴ー!!玄関の鍵閉めてないじゃん!てか、涼ちゃん起きたーー!?!?」
「わかっ……」
状況に似合わず響いた若井の声に、反射的に助けを呼ぼうと口を開いた。その瞬間、腹部に走る鈍い激痛。何かが込み上がる感覚と共に、我慢しきれず嗚咽が出る。
「……、」
同時に俺にかかった影を見上げる。先程までの笑みはなく、無機質な表情を浮かべる彼の足先は俺の腹を向いており、蹴られたことは一目瞭然だ。自然と目尻から流れ出る涙は、蹴られた痛みよりも、自分の愛す人から向けられている冷たい視線による悲しさの方が強い。そんな俺に少しは同情したのか、視線を合わせるようにしゃがんだ彼が俺の髪の毛を雑に掴み、顔を上げさせた。
「痛いっすよね…、俺だってやりたくてやってるわけじゃないんっすよ〜?めんどくさいこと起こされたら俺だって困るーーー……」
そうベラベラと語る彼の後ろから近づく人物。ゆっくりと足音を立てずに近寄る若井に彼は気付いていないようだった。もう少し、あと一歩の時、話を続ける彼の眉毛がピクリと動いた。勘づかれた、そう思った時には、身体が勝手に動いていた。彼の腕を力強く引っ張り、バランスを崩させる。案の定倒れ込んできた身体を避けるように横に転がり、投げされていた腕を掴み、思い切り床に押し付けた。俺の行動に反応した若井も素早い動きで彼の背中に跨り、項あたりを強く床に圧迫していた。
「…ちっ、くっそ……!、なんなんすかマジ!!次から次へと!誰の回し者っすか!!もしかして合六さんっすか!?」
バタバタと身体を捩らせ抵抗しているが、ビクともしていない。掴んでいた腕を若井に託すと、両腕をひとつに纏め、彼の背中側で拘束し始めた。 余程若井が力を込めているのだろうか、苦しそうに吐かれる息と、眉間に寄せられた皺が目につく。
「お前、まさか霧矢直斗?」
苦しげな表情を浮かべる彼にそう話しかけてみる。俺から発せられた名前に驚いた彼が、こちらに顔を向けて食い入るように言葉を発し始めた。
「っ、は…なんで俺の名前知ってるんっすか!?やっぱり合六さんの〜……!!!俺ちゃんとばっちし埋めてましたよ、っ…!!」
埋める、という単語が何をさすのかは分からないが、あまりいいものでは無いことは何となく分かる。恐らくこいつは”霧矢直斗”。にわかには信じ難いが、涼ちゃんが”リブート”というドラマで演じている役と一致している。とは言っても、現実世界に霧矢が存在するとはどういうことだろうか。だがまあ、この人物は口が悪いし暴力的だし、俺らの知っている涼ちゃんとはかなり異なる。若井がどんな反応をしているのか、と顔をみやると、何か裏のありそうな笑みを浮かべていた。
「若井?」
「…元貴……、これやべぇかも…、」
そう発された言葉の意味を理解するよりも先に、若井の下でもがいていた霧矢から突然甘さの混じる声が上げられた。
「…っ、ぁ、!?ちょ、ちょっと何するんっすか!?!?俺男っすよ!!!どこ触ってんっすか!!!」
「あぁ〜…………やばい、俺これやばいわ。ちょ、元貴、これ腕掴んでて。」
「あ、うん……」
どうやら若井が霧矢の臀部に触れたらしい。突然託された彼の両腕を掴み、ズボンのベルトを外し出す若井に軽蔑した視線を向ける。
「え、なに…まさかするつもり?」
「そりゃそうでしょ。だってこの涼ちゃんさ〜、あ、まあ正確には涼ちゃんじゃないけどー……」
このわけのわからない状況を理解するよりも先に、こいつは性欲に走ったらしい。取ったベルトで何やら器用に輪っかを2つ作り出した若井の手元を観察する。これから何をするのかは何となく検討がついたが、何も言わないでおく。ただひとつ言えるのは、若井の瞳の中に浮かぶ熱が、今まで見た中で1番だった。ベルトを結び終わった若井に、掴んでいた腕を向ける。向けられた両腕に輪っかを通した若井が、ぎゅっ、とベルトを引っ張った。
「…っ、!?これも合六さんの指示なんっすか、…!!冬橋さんは、?冬橋さんはなんか言ってましたか、っ!?!?」
良く分からない人物の名前を叫びながら、目を白黒させている霧矢を見つめる。あまり良い展開にはならなそうだな、なんて思いつつ、まだズキズキと痛みを主張する腹を庇うようにさする。すると、拘束した腕を片手で抑えた若井が、徐に霧矢の髪を掴んだ。そのまま上に引っ張り、無理な角度で後ろに目線を向かせる。
「何言ってんのかわかんねーけどさ、…元貴に何か、したっしょ?」
「…………っは、ちょっと腹蹴ったくらいっすよ〜!!そんな致命傷に至るくらいじゃな……」
薄らと笑いながら言葉を並べる霧矢が言い終わる前に、鈍い音を立てて床に頭が押し付けられた。見るからに痛そうな光景に、思わず目を細める。だが、若井は何も躊躇していないようで、痛さに咳を零す彼を見下したまま、ニヤリと口角を上げた。
「あぁ〜、………まじでさぁ…、めっちゃ躾け甲斐あるわ♡」
ここから先続けるか迷ってます🐑✒️
コメント
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久しぶり に しきさん の 作品 拝見 しました ~ 😭 ✨ 更に 腕 が 上がっていて ほんと 尊敬 します 🥹 💞 リブート霧矢 の 登場 最高です ✨ 霧矢 に 対する 2人の 反応 も めちゃくちゃ 良い です 💞💞 良ければ 続き を 希望 したいです … 🫣 気になる……👉🏻👈🏻💞 次 の 更新 心から 楽しみに してます 😆💞
めっちゃ続きみたいです✨️✨️
大好きです…。 霧矢さんどタイプなんですよ…。 続きが気になります…!
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