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ぴかわど
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第四話「世界の歪み」
「…その歪みって言うのは…私、ですよね…」
AZさんの話に、私はこう返した。
「…そうなるだろうな…」
「そやな、別の世界から来たっていうやつは、ミラしかおらんもんな…歪みでしかないな」
すると、入り口の扉が開いた。
「AZさん、ただいま~」
「あ”~…づがれだ~…」
「ポケモンたちもひんし寸前です…」
入ってきたのは、ガイ、デウロ、ピュール…MZ団のメンバーだった。
「あれ、そこにいる方たちは…?」
ピュールが私たちを見て言った。
「……げっ、サビ組…」
「え?ガイ、どうしたの?」
カラスバさんの存在に気づいたのか、ガイが焦り出す。
デウロは何も知らない様子なので、この世界は、
借金についての話が出る前の時間に戻ったのだろう。
「あー、それで来たんやない、そやからまだ大丈夫や。
いつか返してもらうことに変わりは無いけどな」
「え、あ、はい」
「え?え?どういうこと??」
カラスバさんにそう言われ、ガイは少し困惑しつつも返事をする。
デウロは状況を理解できていないようだ。
「……まさかガイ…」
ピュールは、ガイが焦っている理由を察してしまったのか、ガイを睨んだ。
「あ、いや…」
「…ちょっと来てください」
「え、ちょっ…うわああ~!」
ガイは、情けない声を上げながら、ピュールに連行されていった。
「ちょっと、どういうこと!?待って~!!」
それを追って、デウロもエレベーターに乗る。
そして、エレベーターの扉が閉まった。
「…さて、話を戻そう」
「何でそんなに落ち着いてるんですか、AZさん…」
「あれはガイの問題だ、気にしても仕方が無いだろう」
「…あっさりしてんなあ…あんなもん見た後だっちゅうのに…」
カラスバさんは、AZさんの反応に少し引いている様子。
「ガイたちの疲れた様子を見ただろう。暴走メガシンカの対応をしていたのだが…」
「もしかして、暴走メガシンカが異様に強いとか?」
私の問いに、AZさんが答える。
「そう言うべきだろう。時が戻る前よりも
暴走メガシンカが強くなるスピードが早いのだ」
「…つまり、どういうことや?」
AZさんは、険しい顔で言った。
「プリズムタワーの中には、アンジュという装置があり、
それがメガエネルギーを放出しているのだが、
その放出の規模が大きくなるスピードが異常なのだ」
「時が戻る前は、こんなに早くはなかったですよね?多分…」
「そうだな…そして、こんな状況が続けば、
アンジュが暴走するのはもうすぐということになってしまうだろう」
その言葉に、カラスバさんの顔が曇る。
「それはまずいわ…本来なら、もう数ヶ月は持つはずやもんな」
「あの~…すっごい今関係ない質問していいですか?」
「なんや、どないしたん、急に」
「この世界に、ポケモンのレベルって概念はありますか…?」
「ああ、それなら一応あるで。オレのポケモンが今50くらいやな」
それを聞き、私は言った。
「アンジュが暴走した時って、アンジュはレベル70はあったんですよ。
だから、早くに暴走してしまうってことなら、
みんなポケモンを育てないとまずいんじゃないか、って思って…」
私の言葉に納得したように、AZさんがうなずく。
「…たしかにそうだな。MZ団のポケモンのレベルはまだ40ほどだ。そう言っておこう」
「そういえば、ミラのポケモンはレベルどのぐらいなんや?」
「ポケモン…?もしかして、ゲームのままだったり……」
…その通りだった。
ゲームで使っていた手持ちを、そのまま持っていた。
どうして今まで気づかなかったのだろうか。
そして、そのままであれば、レベルはもちろん…
「……みんな90か80後半です」
「「oh…」」
地味に引かれた。
「二人してそんな反応しなくたっていいじゃないですか…」
「いや、思ったよりも2倍高かったので、つい…すまない」
「いやいいんですけど…」
「ほんま、何をどないしたらそこまでいくねんで…」
「え、暴走メガシンカ鎮めまくって、タワーも鎮めて、
ZAロワイヤルインフィニティをやりまくったらこうなりました」
「「oh……」」
さっきよりも引かれた。
「いやだって、ゲームやってたときはそのぐらいやってましたから…!」
「…とりあえず、ミラなら大丈夫やな…AZさん、はよ続けろや…」
「ああ…」
改めてAZさんが話を再開した。
「では、これからの対策についてまとめよう。まず一つ、ポケモンを育てる。
レベル70には行きたいところだ」
「ミラはやらなくてええからな」
そう言い、カラスバさんがにやにやしながら私を見てきた。
「わかってますよっ!!!」
「そして、二つ。暴走メガシンカはMZ団で対応するが、
二人にも手伝ってもらいたい。場所はこちらから知らせよう」
私は、その言葉にうなずいた。
「ああ、暴走メガシンカの数、増えますからね。わかりました」
「…ミラだけでもええんちゃうか」
カラスバさんがボソッと言葉をもらす。
それに対して、私は言った。
「そんなことないですよ!!カラスバさんがいてくれたら心強いし、
私も嬉しいんですけど…ダメですか?」
「……そんな言い方、ずるいやろ…」
「え?なんか言いました?」
「いや、何も…まあ、そんなに言うなら…」
「ありがとうございます!!!!」
カラスバさんは、顔を背けた。
今どんな気持ちなのかは、十分予想できるけど。
でも、言ったことは本心だ。カラスバさんと一緒に戦えるなんて、嬉しすぎて死ぬ…
「ひとまず、今できることは以上だ。何かあればまた連絡する。
今日のところは帰ってもらって構わない」
「わかりました。…死なないでくださいね?AZさん」
冗談交じりにそう言う。
「もちろんだ、死にはしない。こんな状況で死ぬわけにはいかないからな」
AZさんは、笑顔でそう返した。
帰り道。私とカラスバさんは、すっかり暗くなってしまった道を歩いていた。
「よく考えたら、カラスバさんの家ってホテルZからそんなに離れてないんですね」
「確かにな…ああ、ジプソにも、もう帰ってもええって連絡せんとな」
そこで、私は違和感に気づく。
「あれ、カラスバさんのキーストーンって、そんな色してましたっけ…?」
「え?…ホンマや、紫になっとる。何でや?」
「あっ、私のも変わってる…」
「ホンマやな…ミラのも紫に…」
どうして、色が変わっているんだろう?
というか、いつから…?
まあ…いいか。
「これ、ちゃんと動くよな?動かんくなったりしてへんよな?」
カラスバさんは、真面目にキーストーンを確認している。
「まあ、カラスバさんとおそろいになって、なんか嬉しいです!」
「…そうやな」
カラスバさんは真剣な顔をしていたが、私の言葉を聞いて、笑顔に戻った。
「あ、おそろいと言えば…」
そんな流れで、雑談が始まる。
今日の夜は、いつもよりも静かな気がした。
コメント
3件
イラスト変わったんだね。今のイラストもすっごい素敵。
うわあ、第4話読み終えたよ…! 「歪みはミラ自身」って自己認識の場面、すごく刺さったな。異世界から来た存在ってだけで「歪み」って言われる切なさと、それを自分で認めるミラの強さが同居してていいシーンだった。 あと、ポケモンレベルが90台って言った瞬間の「oh…」の空気感、めっちゃ伝わってきた(笑)。ZAロワイヤルインフィニティやりまくった結果ってのが、ゲーマー心をくすぐる。 キーストーンが二人とも紫色になってるところ、これ絶対後で重要になるやつだよね…気になる! AZさんの「死にはしない」って台詞、逆に不安になるなあ…伏線じゃなければいいけど。