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君たちに


何からお話しようか










そうだな·····あれは僕が天使だった頃·····




下界(人間界)に降りてはイタズラをしていた


みんな僕のこと見えないから楽しくていつも飛び回って人間観察をしていた。


そんな時、期せずして1人の男と目が合ったような気がした。

そんなわけあるはずもないし、その男もすぐに踵を返してどこかに行ってしまった。


なぜか気になり、初めて人間に興味を持った。


彼の傍に行くと

浮いている僕に1度視線を向けるがすぐに他を向いてしまう。

けれど確実に目が合っている





僕は



喜悦した!




初めての人間…


初めて気に止めてくれた人…



何度も眺めに行くたびに

いつの間にか


僕は彼を


気になり……











見えているのはわかっているが



わざとらしく彼のそばでぐるぐると回ってみる!

背後にくっついてみる!

不意に物陰からヒョッコリとでていってみる!



それが


1日

2日

1週間

1ヶ月

3ヶ月



何日一緒でも飽きなかった


だって無表情だった彼が

少しずつ

反応しているのが


とても楽しかった。










ある日、彼は


いつも僕がいつも最初に訪れる木の前で


僕を待っていた……












『きみさ……俺が無視してるのわかってるよね』









初めて声をかけられた!


今までは怪訝な顔をされていたが

更に今日は顔を顰めて睨む


初めての睨み顔!


ああ、綺麗に怒るんだなぁー




「やっぱり見えてたんだね!僕ね、君のこと気に入っちゃった!」


上半身を前に出し顔を近づけ首を傾ける

やはり戸惑っている。


そんな表情もかわいらしい!


初めて可愛い顔を見た!



『きみは天使でしょ?俺の周りにいるってことは……

俺、天に連れていかれるのかな?』

「違う違う!ただ、一緒にいたかっただけなんだよ〜」

『それならいいんだ……けれど、こんなところで油売ってていいの?』

「んー……もしかしたらダメかもしれない……」

『じゃー早く帰らなきゃ!』

「もっと……きみといたいんだよね……

まぁ、1度帰ってくるよ」

『別にいいのに……』

「まっててね!僕の気になるきみ!」










そう言ってから1年


帰ってこなかった





















今に至るわけだ!


え?何も分からないことだらけだって?

あれ?そう?

ごめんごめん次はちゃんとお話するって肝に銘じとく





まぁ、なんやかんやあって、羽を没収されて天から落とされてね。

いまは

この

あの時の彼と一緒って訳だ!


今は天界と違って人間と恋したってエッチなことしたってなぁーんにも言われないのさ!


僕の初恋も

僕の初めてのキスも

僕の初めてのえっちも


ぜぇーんぶ彼のもの!






あ、昨日は激しくしすぎて腰痛いだろうから照れてもどこか行かないの!

ずっとずっと一緒にいようね!





































期せずして(きせずして)

予想していなかった出来事が起こるさま。思いがけず。偶然に。


肝に銘じる(きもにめいじる)

忘れないように心の中に深く留めておくこと。


喜悦(きえつ)…大喜び。心からの喜び。

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