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「おはよ!シルト!」
声をかけられ、顔を上げた。そこには、銀さん達がニコニコと笑いかけ、“挨拶”をしてくれた。
・・・へんなの、あいさつなんかしても、どうせにんげんは“すぐしぬのに”
けれど、これを嫌だと思ってはいない、むしろ心地よいと感じている。
無意識にそう思っているとは、
シルトには知る由もなかった。
「・・・はよぉ」
✵✵✵✵✵
「今日はパンケーキを作るよ!!」
「先生、この時間は、数学では?」
「パンケーキ食べたくなったから!!今日はパンケーキ作る授業にする!!」
「唐突すぎる・・・」
そんなこんなで、数学の授業が急遽家庭科となった。
✵✵✵✵✵
「なぁなぁ!ブラックはなんのパンケーキにするんだ!」
「・・・チョコレート・・・ですかね?」
「おぉ!美味そうだな!俺のと後で1口交換しようぜ!」
「いいですよ」
と、作りながら、分け合いっこの話をしているブラックと赤ちゃん。
「兄貴、これくらいなら食えっか?」
「・・・ん、あんま甘くなくてうめぇな」
「だろ?」
と、手馴れた作業で作っていくブルーとレッド。
「ぼくはフルーツパンケーキにしよう」
「バナナ・・・貴様はリンゴアレルギーなのだから、リンゴを入れようとするなよ」
「・・・そうだな・・・じゃあ、“さくらんぼ”を・・・」
「それもバラ科だ!!」(リンゴもバラ科)
自分のアレルギーである果物を入れようとするバナナに慌てて止めるマネー。
「シルトはどんなパンケーキ作るんだ?」
「・・・どん、な?」
シルトは銀さんに言われ、首を傾げた。
「・・・どん、な・・・わかんない」
シルトはそうこぼし、首を横に振る。“どんな”なんて言われても、自分に“好き”も“嫌い”も存在しない。
すると、銀さんは少しなやみ、答えた。
「なら、これからシルトが好きな物を探せばいいんじゃねぇか?だって、時間はこれからもあるだろ?」
と、銀さんは笑顔でシルトの手を握った。
シルトは目を丸く、キョトンとさせていた。
──へんなにんげん、でも、“これ”がいやかっていわれたら・・・
──たぶん、“いやじゃない”・・・だとおもう。
✵✵✵✵✵
初めて食べたパンケーキは、甘ったるかった。
・・・けれど、嫌いではなかった。