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MIGI♡SAKU

第1話 - 【💙】かわいいひと

2025年04月14日

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cham

【sk】

今日は朝から翔太の機嫌が悪かった。

理由はなんとなく分かっているけど、みんなに宥められてブーブー言ってる姿が可愛くて静観していた。

宥められているというか揶揄われているというか…俺よりも体の大きい男達がきゃっきゃしている様子はすごく微笑ましい。

「しょっぴー子供みたいでかわい♡」

一通り揶揄って満足したラウがにこにこしながらやってきて俺の隣に座る。

「かわいいでしょ」

「佐久間くんは行かないの？」

「行かなーい。どうせすぐ呼ばれるもん」

ちらっと翔太の方を見ると一瞬目が合ったけど、すぐに逸らされてしまった。

「佐久間くんまたなんかしたんでしょ？」

「してないよ人聞き悪いな！」

ケタケタと笑ってみせるが、ふーんと不適な笑みを返されて最年少の洞察力に将来が怖くなる。

「まあいいけどさ、仕事始まる前になんとかしてよね」

しょっぴー朝から佐久間くんのことばっか見てるよ、と耳元で囁かれた時、

「さくまぁ！」

と、翔太のどデカボイスが楽屋に響き渡った。

「わあ怖ーい♡」

キャハッと笑ってその場を立ち去るラウの後ろ姿を呆然と見送る。

確信犯じゃんこいつ…

おかげで更に機嫌の悪くなった翔太の元へ向かわなければならなくなった。

恨めしげにラウを見てから、はいはーいと声だけは明るく返事をして翔太の元まで走る。

「どしたの？」

椅子に座っている翔太の目の前に立って尋ねると、むすっとした顔で睨まれる。

「俺今日用事あるから」

「ん？」

「だから今日は会わない」

やっぱり昨日のことを根に持っている様子の翔太につい笑みがこぼれてしまう。

「ねえ！なんで笑ってんの！」

「ごめんごめん翔太が可愛くてつい」

「今日俺に会えないけどいいの！？」

「うーん残念…昨日のお詫びにご飯行きたかったんだけど…」

周りを見渡してみる。

巻き込まれたくなさそうなのが数人、乗っかりたそうなのが数人。

「今日は照と深澤でも誘おっかな」

「！！」

「俺行けるよー」

「さくちゃん、俺もー！」

すかさず反応してくれる頼りになる２人。

２人の元へ向かおうとすると、ぐっと腕を掴まれた。

「…ご飯ぐらいなら行ける」

俯いて小さな声で呟く翔太に愛しさが募る。

この不機嫌の原因は、昨日俺が翔太の誘いを断って友達とご飯に行ったから。

翔太と付き合いだしてからは、どちらかの家で過ごすことがいつの間にか当たり前になっていた。

だけどここ１週間はお互いの予定が合わなくてゆっくり過ごせていなかったから寂しかったんだろう。

とはいえ、元々約束していた友達との付き合いを蔑ろにすることはできない俺の気持ちも分かってほしい。

昨日ご飯の後に家行っていい？と聞いたら、まだ拗ねモードだった翔太に断られたこと、俺だって寂しかったんだよ。

「そっか、じゃあ一緒に食べよ」

こくりと静かに頷く翔太の耳が赤くなっている。

面倒くさい部分もあるけど、こういう所が本当に可愛い。

乗っかってくれた２人にごめんねと視線を向けると、やれやれと言わんばかりに微笑まれた。

「あんまりいじわるしないでよ…」

「いじわるなのは翔太でしょ」

拗ねてるからって嘘ついて気を引こうとするのは駄目だよ。

言葉にはしなくても、じっと見つめると翔太が気まずそうに目を逸らす。

「今日はいっぱい甘えていいよ」

「…だから今日は、」

「俺も寂しかったから甘えたい」

「…！！」

釣れた。

「今日どうするの？」

「予定キャンセルする…」

「…翔太？」

「ごめんなさい嘘ついてました」

「よし、いい子！」

素直に謝れた可愛い恋人の頭をくしゃくしゃになるほど撫で回す。

やめろよ！と言いながらも嬉しそうに笑う翔太に今すぐ飛び付きたくなるのをなんとか堪えていると、

「あんな面倒くさいの飼い慣らせるの佐久間ぐらいだよな」

「俺は絶対無理だわ」

「佐久間かわいそう…」

「佐久間に拾ってもらえてよかったね」

「捨てられないようにね～」

「ちょ、言い過ぎやって」

「佐久間くん俺とご飯行こうよ」

「聞こえてるから！！」

遠巻きにメンバーから揶揄われて怒る翔太に今度は笑いが止まらなくなる。

「笑ってないで助けてよ！」

「はー…もう自業自得じゃん」

「うっ…」

「仕方ないな…今日の夜たくさん慰めてあげるから」

みんなに聞こえないように小声で囁くと、目を輝かせて俺を見た後、がばっと腰にしがみつかれた。

よしよしと頭を撫でながら、今日の夜は大変そうだなーと遠くを見つめる。

ふと目が合ったラウがピースしてきたのでふふっ笑うと、更にぎゅっとしがみついてきて頭をぐりぐり押し付けてくる。

他の人見ないでって素直に言えない所も、下手な嘘で気を引こうとする所も、面倒くさいよりも愛しいと思ってしまう。

今日の夜は素直な翔太が見れるかなと思うと、それだけで心がふわふわする。

俺もかなり沼っちゃってるな…

不器用で、素直じゃなくて、やきもちやきで、そんな翔太をまるごと全部愛せちゃうのはきっと俺だけ。

溢れる愛しさを我慢できなくて、腰をかがめて俺のお腹で甘える可愛い人の頭にそっとキスをした。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

おまけ

Ｑ：なんであんなにしょっぴーいじめたの？

ふっか「さくちゃん困ってたから」

阿部「佐久間の手を煩わせたから」

照「佐久間のこといじめたから」

舘「単純に翔太よくないと思って」

ラウ「面白かったから」

こじ「俺いじめてない！」

めめ「佐久間くん俺のになんないかなって」

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