気象予報士の阿部ちゃんの、天気予報もたまには外れることがある。
🩷「雨、降らないって言ったじゃん」
デートで郊外のテーマパークに来ている。
朝の阿部ちゃんの番組で紹介していたから、楽しみにして来ていた。
💚「ごめん…」
気象庁代表のようにしょげる車の中の阿部ちゃんの頭をポン、と撫でるように叩いて。
🩷「いいよ。ただし、昼飯は佐久間さんに奢らせろ?」
💚「えっ?」
🩷「いつも会計出遅れんの、ちょっと嫌なんだよね〜」
こっちは笑ってるのに、阿部ちゃんの顔がまだ思案顔だ。
💚「え、俺、スマートじゃなかった?」
🩷「違う!!俺にも年上ぶらせろって言ってんの」
💚「佐久間の負担になりたくないんだけど…」
🩷「ああ、もう!いいから、今日は全部俺の奢り!!!」
年上ぶりたい俺と、彼氏ぶりたい阿部ちゃん。
俺は阿部ちゃんと車を降りて、傘をさして入場ゲートへと向かった。
今まで年上としか付き合ったことがなかったから、相手が年下で、しかも同じメンバーなんて、擦り合わせ事項が多くて仕方がない。
考えてみたら友達から恋人ってのもレアケースだ。いつもだいたい一目惚れだし、俺。
ズンズンと先立って歩いて行くと、慌てたようについてくる阿部ちゃん。
脚のリーチで負けるので、あっという間に追いつかれてしまった。
クソ。
💚「雨でも晴れでも、佐久間といられて嬉しいよ」
飛び出たいじらしい阿部ちゃんの言葉に、こういうところなんだよなあ、と思う。
阿部ちゃんは感謝とか、配慮とか絶対に忘れない。
俺が差し出した手を、阿部ちゃんは嬉しそうに握った。
🩷「何から回る?」
💚「えっとね…」
スマホを片手に検索している阿部ちゃんを見ていたら、視界の隅に見慣れた人影。
🩷「お前らも来てたの!?」
💚「へ?」
向こうもほとんど同じタイミングで俺たちに気づいた。
💜「奇遇だなぁ、お前ら」
💛「お疲れ…」
俺と阿部ちゃんは目を合わせて、笑った。
🩷「雨の理由、わかったわ」
💛「もう!絶対言うと思った!!!」
むくれる照にみんなの笑顔が重なる。
その日は、最高に笑って、最高に楽しい1日になった。
そして、男気じゃんけんに勝利した深澤にその日の会計は結局全部奢ってもらいましたとさ。
おわり。
コメント
28件
あべさくだけじゃなく夫婦まで…✨ 栄養補給出来ました(*^^*)
イイネッ尊い
💚🩷は可愛い何〜🤭🤭🤭 💛💜登場...。あざっす🙏💖