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「あと今日入れて3日だな」
「なにがですか、?」
「次のテスト」
「ッ……!」
第4話
莉犬side
「るぅと、置いてくぞ」
「わかってますー!」
「……」
今日、やけにさとちゃんとるぅちゃんの距離が近い気がする
朝学校に来てからも
挨拶したあとにさとちゃんはすぐるぅちゃんのところに行った
移動教室も
2人で行って、
休み時間も
2人でどこかに行ってしまう
今は昼休み
もう2人でどこかに行ってしまった
「あれ、莉犬くんひとり?」
「……ころちゃん」
トイレに行っていたころちゃんが戻ってきた
2人は?という顔をしている
俺が何か言うのを待っているのだろう
「2人でどっか行っちゃった、」
「えっ、さとみくんとるぅとくん?」
「うん、」
目を丸くして驚く
滅多にあの2人だけで絡むことがなかった
仲が悪い訳では無いけど
俺か、ころちゃんがいたし、
勉強教えてもらう姿ぐらいしか見たことがなかったのだ
「……ま、そういう日もあるでしょ、」
「……そうだね、ころちゃんお弁当食べよ」
「うん」
るぅとside
「とりあえず、10組のやつらをどうにかしないとな、、」
そういった後
唐揚げを口に入れた
うま、と呟くさとみくん
「てかるぅと、弁当じゃないよな、」
僕が手に持っているのは
購買で買ったメロンパン
「今日だけです。昨日買い物行けてないし、ころちゃんいたから」
「ふーん、えっちしたの?w」
「してないです!//」
ただ泊まっただけだから、
と伝えるとさとみくんはつまんなそうな顔をした
「って、、そんなことより、どうするんですか!!」
「そうだなぁ、、、」
顎に手を当て
うーん、と唸り声を2人で出す
「あ、勉強会するとか」
「僕たちが教えるってことですか?」
「そ、」
確かに、それなら……
「でも、先輩達は、?」
「部活の先輩達に頼む、もしくは俺らが勉強して教える」
「無理があります」
冗談だよ、と笑う
そして、ピンクのお弁当箱に蓋をしてから
「とにかくやってみようぜ、行動しないと何も出来ないし」
「……うん、そうですね、」
誰も、殺されないように、
もう誰かをなーくんとジェルくんに殺させないように
ななもりside
「血の匂いが消えへんなぁ、」
「ドアずっと開けてたもんね」
消臭剤を部屋中にスプレーで吹きかけるジェルくん
少し長い髪がジェルくんの動きと一緒ひょこひょこ動いている
ふと、机の上にあるキーホルダーが目に入った
生徒会室に先週落ちてたもの
これは多分るぅとくんのだろう、
綺麗な水色の中にキラキラと小さな星が見える
丸い形で、宇宙みたいに綺麗だ
るぅとくんはこれを
俺と2人の時に
『これ、ころちゃんの目に似てるんですよ』
ニコニコの笑顔で教えてくれた
内緒ですよ、と少し顔を赤らめながら後付けした
「あれ、それるぅちゃんのやないん?」
俺がそのキーホルダーを手に持ったら
ジェルくんが首を傾げて不思議そうにこちらを見た
「落ちてたんだよ、届けに行ってくるね」
「OK!」
グッと親指を立ててから
ジェルくんは自分の席に座った
今は昼休みだから屋上だろう
4人でいるかなぁ、
るぅとくん、多分この前のやつ見てるよなぁ
1人だった?
いや、気配は2人だったはず
ころちゃん?さとみくん?莉犬くん?
〈ーーー、?
〈ーーー、、
るぅとくんの声、あとは、、、
さとみくんかな?
2人だけしか声が聞こえない
とりあえず、キーホルダーを届けようと
ドアノブに手を置く
「あれ、2人?ころちゃんと莉犬くんもいると思った」
「なー、く、ん、、ッ、」
2人とも顔を青ざめた
るぅとくんは目を見開いてなぜここにいるのかという顔だった
さとみくんは目を鋭くさせ、めちゃくちゃ睨んできた
「どーしたの?なんか怖いよ?」
できるだけ笑顔で、できるだけ自然に
いつもの“優しいなーくん”
を演じる
「何か用?」
低い声で俺を警戒しながら聞いてきたさとみくん
「るぅとくんに落し物を届けに、ね」
るぅとくんに1歩近づくと
肩をビクッと震わせる
「これ、るぅとくんのでしょ」
「!?」
ポケットに手を入れる、
いつもポケットに入っていたキーホルダーが無くなっているのに気づいていなかったのだろう
「……ありがとうございます、どこにあったんですか、、?」
「生徒会室だけど、」
「ぇっ、、……」
受け取ろうとした手をピタッと止める
さっきよりも顔を青ざめた
「先週かな?一緒にご飯食べた時、るぅとくん生徒会室まで呼びに来てくれたもんね」
「それとも、、」
「それ以降に生徒会室来たりした、?」
「ッ……行ってない、ですっ、」
嘘がバレバレなんだよなぁ、w
さとみくんもずっと警戒してるし
2人とも震えてるし
「あ、もう戻らないと、またね」
「……うん、、」
軽く手を振ると
るぅとくんは小さく会釈を返してくれた
まぁ、彼なりの優しさなんだろう
普通はバレた瞬間すぐに処理する
しかし、彼らは上位クラス
簡単には殺せない、この街の希望だから
るぅとside
「はぁぁッ……」
「おいっ、大丈夫かよ、」
なーくんが扉の向こうに消えていくのを確認したら
力が抜けてクラっと倒れそうになる
「お前なぁ、、何落としてんだ、」
「ごめんなさいっ……」
多分、落としたのは
この前あれを見た時だ
「やばいな、なーくんにバレてるぞこれ」
「ですよね、、」
沈黙が続いた
これからどうしよう、なーくんにバレてるなら尚更、警戒しないといけない
ガチャッ
「おーいっ!もうすぐチャイムなるよ!?」
「え、莉犬!?」
「予鈴なったの気づいてない感じ?」
「ころちゃんも……」
莉犬はぷくっと頬をふくらませながらさとみくんに近づく
なにか2人で話していた
その2人を見つめていると
ころちゃんがデコピンをしてきた
「い”だッ……」
「時間見てよね、あほ」
ころちゃんと莉犬は不思議と
すごく不機嫌だった
莉犬side
あれから、さとちゃんとるぅちゃんは
一緒にいることが増えた
朝は、さとちゃんが早く出る
移動教室、休み時間、昼休み、放課後……
ほとんど2人でいる
部活にもおくれて来ることが多々あった
もうこんなことが2週間近く続いている
「ガチで浮気なんじゃね?」
「やっぱりそうなのかなぁ……」
昼休み、残されたころちゃんと俺は
るぅちゃんとさとちゃんのことを話していた
「なんか隠してる?とか聞いても絶対るぅとくん言ってくれないもんな、」
「多分さとちゃんも、、」
お互い、考えてる事は同じようで、
相手に聞いたところで……
というような感じだった
「やっぱ、探るしかないか、」
「だよね、そうするしかないもん」
最初、この話をした時にも出た
[探る]という案
これは相手のことを疑っているような行動になるのでできるだけ抑えたかった
でもここまで来たら仕方がない
「じゃ、とりま今から屋上に盗み聞きしに行こ」
「い、今から!?」
「善は急げってやつだよ!」
笑顔でそう言うころちゃんだが、
絶対[善]では無いと思う
屋上に着くと、誰もいなかった
「…….どこにいるんだろう、」
「綺麗に避けられてるな、これ」
頭を抱える
なんでいつもの場所に居ないんだろう
ほんとに俺たちに言えないことだったら、、、
「莉犬くん、予鈴なりそうだから戻ろう」
「うん、」
18時を過ぎた頃
ころちゃんとるぅちゃん、2人と別れてさとちゃんと家に帰っている
少し前を歩くピンクの髪が
オレンジ色の光でキラキラと輝いていた
「はぁぁっ、、疲れた、」
そう呟いた背中に
「さとちゃん、あのさ……」
と声をかける
「ん?どーした?」
優しくて、柔らかい声で聞き返してくれた
その笑顔も眩しくて、穏やかで、
俺の大好きな笑顔だった
そんな彼が浮気してるなんて考えたくもなくて、
「……んーん、なんでもない、」
「?」
素っ気ない返事をしてしまった
「なにこれ!うまっ!」
声を荒らげて上手いと言いまくる
俺は嬉しかった
けど、[浮気]が頭の中を支配して
嬉しいなんて感情を
表に出すことなんてできなかった
ご飯を食べて、お風呂に入ってからゆっくりしていると
プルルルルルッ
と、部屋中に電話がなる音が響いた
「さとちゃんのじゃない、?」
「……ほんとだ、ちょっと出てくる」
「誰?」
るぅちゃんだったら、と思うと嫌な気持ちがおしよせてきた
るぅちゃんも大切な親友
でも彼氏は取られたくない、
そして、彼が放った名前は
「るぅとだけど、、」
「ッ、!!」
やっぱり、浮気なの、?
俺の事、好きじゃなくなったの、?
2人で居るのに、るぅちゃんを優先しちゃうくらいなの、?
「……」ポロポロ
「莉犬!?どーした!?」
背中をさすってくれる
あぁ、やさしいなぁ、あたたかいなぁ、
こんなことするから、好きになっちゃうんだよ、、
好きじゃないなら冷たくしてよ……
「さとちゃんは、、、るぅちゃんが好きなの、?」グスッ
「え、?」
「学校で、ずっと2人でいるじゃん、浮気してるの?俺の事飽きた?」ポロポロ
思ってることがボロボロと口からこぼれていった
自分がびっくりするほど
本音が溢れた
「……勘違いさせてごめん、けど、浮気じゃない、神に誓う」
「そー、、なの、、?」グスッ
一通り俺が涙を流しながら
文句のようにさとちゃんに話したあと
俺の頭を撫でながら
浮気じゃないと言ってくれた
「じゃあなんで!?俺ずっと寂しかったのに、、」
「ごめんって……」
「ちゃんと説明してくんなきゃわかんないっ!!」
さとちゃんをポカポカ叩く
泣いていたので力は入らない
その手をギュッと握られ、さとちゃんと目が合う
「莉犬、ほんとに聞きたいか?もしかしたら傷つけるかもしれない、トラウマになるかもしれない、それでも、ほんとに聞きたいか、」
真剣な目だった
俺の大好きな彼が真剣に、
俺に告白してきた時と同じくらい真剣な顔だ
でも、答えはもう決まっている
「うん、いいよ」
そして、俺は知ることになる
残酷な世界を
続き♡200〜