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翌週。
体育館の端で、柚希は雑巾を絞りながらコートを見つめていた。
――今日から、正式にバスケ部のマネージャーになったのだ。
コートの中央では、陽先輩が仲間に声をかけながらプレーを続けている。
鋭いパスも、軽やかなドリブルも、すべてが目を奪うほど鮮やかだった。
あの日、観客席から夢中で見つめた背中が、今はすぐ目の前にある。
ふいに横から響いた声に、柚希の視線が揺れた。
「ナイスパス！ その調子！」
声を張り上げているのは海だった。
仲間を鼓舞しながら走り回る姿は、普段と同じ調子でにぎやかだ。
けれど柚希の目は、すぐに再び陽先輩を追っていた。
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