コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私
達は、神を信じない。それは罪ではない。だが、神の不在を証明することこそが、この世界の存在意義なのだから。
私は今日も祈る。この身朽ち果てるまで。神よ、何故我を許したまえ。私は貴女のために全てを捧げたのです。
「神様はいないのかしら?」「いるわ」「じゃあどうして救ってくれないの?」「貴方を救うことが本当に正しい事なのか分からないからよ」「私が間違っていたら教えてくれないのね!」「……そうね。ごめんなさい」
彼女はいつも誰かの為に祈っている。だけどその行為が正しいかどうかなんて誰にもわからない。
私はただ彼女が幸せになってくれることを願っていた。それが例え私のエゴだったとしても。
私達は何も信じていない。神に救われたいとすら思っていない。だから神が存在しない証明をするために生きているのだ。
「ねぇ、君はいつまであの人のそばにいるつもりなの?君みたいな出来損ないがいても迷惑だよ」
「うるさい!あんたが言うな!!」
私はあの人が好きだ。誰よりも一番好きだった。その人のことを考えるだけで胸が高鳴り、苦しくなるほど愛していた。
しかしある日を境に私はその人から嫌われてしまった。私は理由がわからなかった。なぜこんなにも好きな人に嫌われなければならないのか理解できなかった。私はただひたすらに思い悩んだ。この気持ちを伝えたかったのだけれど伝え方がわからなかった。そもそも私の気持ちを伝えるということはすなわち告白になってしまうわけだから、とても恥ずかしくて言えなかった。私は考えた末、手紙を書くことにした。そうすればきっと自分の想いが届くと信じたからだ。
私は手紙を書き始めた。まずは自分の名前を書いた。それから次に年齢、性別、血液型、星座を書いてみた。しかし、それだけではつまらなかったから、好きな食べ物とか、趣味とかも書いておいた。その次はどんなことを書こうかなと考えながらページをめくっていったら、いつの間にか最後の一文になっていた。つまり私が書きたかったことは何も書かれていないのだ。私はもう一度最初から読み直してみたけれどやっぱり何も思いつかなかった。そこで諦めて本を閉じようとしたところでふと思い出した。そういえばこの本のタイトルはなんだっただろうか? 思い出せなくて少し考え込んでしまった。タイトルを忘れてしまった本なんて初めてかもしれない。それほどまでに面白い内容ではなかったということなのか……。自分で読んでいて面白くないと思った小説のタイトルを覚えている人がどれだけいることだろう。きっとほとんどいないはずだ。私だって自分が書いた小説の題名なんか覚えていなかったりするわけ