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『きゃーーっ!!さえちゃん ないっしゅー!』
「ねえちゃん!にいちゃん すごいね!」
『すごいねぇ、しょうらいはさっかーせんしゅだね!』
幼い頃、弟の凛ちゃんと一緒に冴ちゃんの試合を見に行った日の事だった
いつも通り、何も変わらない日常だったはずなのに その日 私は違和感を覚えたのだ
(凛ちゃんも、冴ちゃんくらいになったらサッカー始めるのかなぁ…ちょっと見てみたいかも)
まだ私より背の低い凛ちゃんの頭をポンポンっと撫でると、不思議そうな顔で私を見上げた
「どうしたの?」
『ううん、なんでも?』
「そっちボール行ったぞ!!」
「や、やべ!!避けろ!!」
『えっ、、?』
気づけば、ボールが私と凛ちゃんを目掛けて 勢いよく飛んできていた
(あ、やば…)
ーーーードカッ
瞬間、私の視界は暗転した
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ー「凄いぞ凛、俺とサッカーしろ」
ー「兄ちゃんは 優しい」
ー「俺は明日からスペインに行く」
ー「げ、あたりだ…」
ー「行ってきます 世界一のストライカーになる為に」
ー「行ってらっしゃい 兄ちゃん」
……あれ、れ?
ー「俺は世界一のミッドフィールダーになる」
ー「俺が一緒に夢を見たのは そんな兄ちゃんじゃない…!」
これ、知ってる…
ー「ぬりぃんだよ、慰めてもらえるとでも思ったか?低脳が」
ー「兄…ちゃ、、」
まって、これ知ってる……
この場面、このシーン
ー「俺は、俺の人生を狂わせたアイツを……」
『ちょっと待ったぁあああああ!!!!!』
「あ、おきた」
「ね゛ぇ゛ちゃ゛ぁああ゛…」
目が覚めると、自室のベッドの上だった
少しだけバツの悪そうな顔の冴ちゃんと、泣きまくって目を真っ赤に腫らした凛ちゃんが居た
ここ、、ブルーロックの漫画の中じゃん!!!!!!!!!
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プロフィール
糸師 鈴
ある日突然、自分がブルーロックの漫画の中にいることに気づいた元読者の女の子
冴の2個上、凛の4個上の姉
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