テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
マナの記憶
*キャラ大捏造
ーーーー
家に居場所がなくて
学校もあんまり楽しくなくて
でも君と出会えたから
学校は好きかな
こんな俺に優しくしてくれてありがとう
これからもよろしくね
伊波ライ
ーーーー
伊波ライは俺の親友。同じ小学校の同級生。
ある朝、一緒に学校へと向かっていた時、猫を見つけたんだ。とってもかわいい。
ライはその猫を追っかけてった。遠くから猛スピードでやってくるトラックに気付かずに…
ライは病気になったらしい。ptsd…?っていうやつらしい。
先生からは、前よりも優しくしてやってくれと言われた。心の病気なのかな
いつもの秘密基地へ向かう。俺もライも、ママに放されてるから、ここしか居場所がないんだ。
ボロボロの布をめくって中に入る。
ライは、命は助かったものの、右腕を複雑骨折?していて、もう治らないと言われているらしい。物が持てないから、俺が代わりにランドセルを持ってあげてる。
でも最近元気がないのか、全く学校に行かなくなった。俺はまじめだからしっかり行ってるけど!
ママが机に置いてたお金で買った菓子パンを半分にして渡す。薄暗いけど、少し楽しそうなライの表情が見えた。
「なんか嬉しいことあった?」
『いま』
脳に傷がついているらしく、前よりも話さなくなっちゃったけど、だからこそこうやって俺に何かを伝えてくれるのが嬉しかった。
「今日で学校終わりだよ。明日ないよ 夏休み」
俺もライがわかりやすいように伝える。
また、少し笑顔になった
「つかれたし寝よっか」
『うん』
夏休みが始まる空気と共に、俺はゆっくりと眠りについた。
ーーーー
うるさい蝉の声で目を覚ます。
「ライ、おはよう」
『おはよう』
「朝早いのに暑いねぇ」
『うん』
「教会行く?」
『いく」
俺たちの秘密基地その2、教会の大聖堂。水曜日のお祈りの日以外は誰もいないから、暑い日はだいたいそこにいる。お祈りの日も、俺たちを まるで孤児をみるような目で見てくるだけだから別にいいんだけど。
「あ、朝ごはん」
立ち上がったライはフラフラで、とても歩けそうになかった。
ライを座らせて自分の家へ走る。玄関は鍵がかかってるから裏口から入る。寝てるママを横目にカゴの中を漁る。
緑茶と食パンがあった!!これをライに持っていこう!!
ガタン
[何してんの、早く出て行ってよ!!!]
まずい。ママ起こしちゃった。まずい。
なんで生まれてきたの
なんでこんな子に育ったの
なんで
なんで
もう慣れた口うるさい文句を後に、俺はそそくさと裏口から逃げた
もう裏口使えないかな、次はどこから入ろうかな
顔が青ざめている気がする。いや、今はそんなことよりライだ
ボロボロの布をめくって中に入る。
『マナ』
何かを察したのだろう、ライは俺にもたれかかって『俺がいるよ』とでも言わんばかりにすり寄ってくる。まるで猫みたい。
猫…?
あの時の光景がフラッシュバックする。血にまみれて軋んだ体。鉄の匂い。あらぬ方向に曲がった右腕。
真夏の熱気と過呼吸の音だけが辺りに蠢く。灰色の粒子が流れていく。
あかん、このままやと…
死ぬ
バッ
意識を戻す。ベッドの上、鉄格子で囲われた窓。机の上の手紙。
家に居場所がなくて
学校もあんまり楽しくなくて
でも君と出会えたから
学校は好きかな
こんな俺に優しくしてくれてありがとう
これからもよろしくね
伊波ライ
2024年とかかれたその手紙を手に取り、俺はため息をつく。
〔朝食のお時間です~って、緋八さんどうしたのその腕!〕
腕?
自分の右腕に目をやる。
右腕、いや、かつて右腕だった「ソレ」は、ぐちゃぐちゃに潰れていて、ベッドシーツごと血に染まっていた。
でも、なぜか笑顔になってしまう。
「ライのいたずらっ子」
ーーーーーー
夢の中って諸々がぐちゃぐちゃなんだよね。でもぐちゃぐちゃになったのは夢だけじゃなかったみたい。