テラーノベル
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―くっそ可愛いじゃないかっ!―
ジンは心の中で思った、今日の彼女は明るいハニーブラウンの髪を複雑に結い上げているものだから、可愛い顔の形や細い首がハッキリ見える
そしてジンが選んだティファニーからの贈り物、指輪に合うダイヤのピアスと、リボンの形にクスエアカットされ、これまたダイヤがあしらわれたネックレスを首につけている
顔周りにはクルクルとカールされた、おくれ毛が散らされている、休日の彼女はオフィスと違って、なんだか妖精のようだ!
ティンカーベルのように透明の羽をパタパタさせて、粉を振りまいて歩き回っていても、きっと自分は違和感を感じないだろう、むしろ粉をかぶりにいく勢いだ
―いかん、いかん、浮かれるな!これはデートでも何でもないんだから―
彼女に自分の愚行の尻ぬぐいをこれからさせようとしているのだ、それなのに彼女と街を歩くというだけで胸は高鳴った どうやら自分は本気でこの「偽装婚」を楽しみにしているらしい・・・
最後にこんな気持ちになったのはいつだったか思い出せない、ジンは彼女の晴れやかな装いと笑顔が眩しくて、わざと前を歩いた
.:・.。. .。.:・
まず二人は御堂筋沿いの大阪市中央区役所の「休日受付」にやってきていた、ガラス張りの近代的なビルは、御堂筋の華やかさと調和しつつ、役所特有の事務的な雰囲気を漂わせる
ジンと桜は婚姻届を提出するため、書類の束を抱えて窓口に立っていた
「ねぇ桜・・・もう一度聞くけど・・・本当にいいのかい?この書類を提出してしまえば、もう後戻りはできないよ?」
と心配そうに桜の顔色をうかがう、桜は優しくジンに微笑んだ、今の彼女の手には婚姻届と戸籍謄本、そしてジンのパスポートのコピーや在留証明書など・・・桜が揃えた国際結婚に必要な書類ファイルがぎゅっと握られている
「社長!私は大丈夫です、偽装とはいえ書類は完璧にしないと審査官にバレます」
「う・・・うん、そうだな・・・」
そうこうしている内に二人は窓口に呼ばれた、窓口の職員が書類をチェックし始める
「え~と・・・パク様の結婚要件具備証明書は・・・あれ?これの翻訳がありませんよ」
職員の言葉に二人が目を合わす
「え、翻訳!? ああ!私、忘れてました! ごめんなさい!」
桜が鞄を慌てて漁って書類をみつけてほっと一息つく、婚姻届けの承認欄にはジンの会社の部下の名前を二人書いた、そして職員が書類を確認してようやく受理された
「ご結婚おめでとうございます、これで婚姻が成立しました、受理証明書はこちらです」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
桜が証明書を受け取り、市役所を出た所で二人はホッと一息をついて微笑み合った
「ジンさん!これで私達は夫婦です!これから半年間よろしくお願いしますね!偽装だけど!」
「ああ・・・助かるよ・・・こちらこそよろしく」
ジンも一安心といった感じで桜を見つめた
クス・・・ 「なんか・・・名目だけの婚姻届けを出すのなんてロマンティックでもなんでもないな・・・」
そう言って彼ははにかんだ、その一瞬で口角が上がり、隠れていた彼のえくぼが現れた
桜は目を細めて彼を見つめた、じっと隠れていても笑うと現れる彼のえくぼ・・・ もう一度見たくて、思わずもっと笑わせたくなる・・・ 彼のえくぼにキスをしてこう言いたい
―ねぇ・・・海外では「えくぼ」は天使のディープキスの痕だと言うけど本当なの?―
私にとってはこの人の笑顔が何よりロマンティックだわ・・・
桜は心の中でそう思った
コメント
2件
ジンさんの心の声可愛い(∩´∀`∩)💕 2人とも相思相愛🫶これからお互いにもっと気持ちが高まるはず🙌✨
おふたりさんの心の中でのお互いへの賛辞がかいらしいわぁ🤭💖