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※自分用確認メモ。現在地の整理。
「遥は日下部の『好き』をどう受け取っているか」について。
遥は、「誰かに好かれる資格が自分にはない」という認識が核にあるため、日下部からの“好意”をまっすぐには受け取れないのが前提。
受け取り方としては、混濁していて明確ではない。
・恋愛感情だとは思っていない(自分が“恋愛”の対象になるわけがない)
・かといって、友情とも受け取れない(自分は友達を持てるような存在ではない)
・日下部の優しさ=「見捨てられなかった結果」だと歪んで認識している
つまり遥は、
「日下部の“好き”は、俺が壊れてるから生まれた、異常な感情」
「だからこそ、自分がそれを欲しがった時点で“加害者”になる」
という、倫理的にも感情的にも破綻した自己理解の中にいる。
恋愛や友情のラベルすら許されない。
「俺は欲してはいけない」という、根深い禁忌と罪悪感が彼の中にはある。
このため、蓮司が「日下部が俺に抱かれたら?」といったようなことを言った時、遥は恋愛的な嫉妬という形で反応しているのではない。
もっとずっと深く、こういう痛みにえぐられる。
「日下部の優しさを、自分が踏みにじった気がする」
「あいつまで、汚されていくのを黙って見ているしかない」
「自分の存在が、誰かを傷つける“発端”になるんだ……また」
この汚染者としての自己認識と、救いたいという願望の衝突こそが、遥を壊していく。
遥が日下部に「抱かれたい」と思う深層心理は、単なる性的欲求や恋愛感情では説明できない。むしろ遥の内面は、歪んだ倫理と自己否定、破壊衝動と救済願望が複雑に絡み合った、極めて危うい地平にある。
遥の日下部への感情の構造。
① 「唯一、汚さなかった存在」
遥にとって日下部は、
– 家族にも
– 学校にも
– 蓮司にも
穢された自分の世界の中で、かつて“共犯者”だったのに、なぜか自分を拒まない存在。
「あいつだけは、まだ俺を人間として見てる気がする」
「それが、痛い」
「だから、壊したい。でも……守りたい」
「どっちも同時に強すぎて、動けなくなる」
遥にとって日下部は、
“罪”と“救い”の両方を同時に象徴する人間。
② 「日下部に“壊される”ことで、自分の“汚れ”を証明したい」
これは矛盾しているが、
遥は、日下部に抱かれることを、どこかで「罰」として求めている。
「壊してよ」
「ちゃんと、踏みにじってよ。もう終わらせてよ」
という、破壊されたい/壊されることで自分の罪を贖いたいという歪んだ祈り。
でも、それと同時に。
③ 「日下部の優しさに触れたい」
遥は、本当は「触れてほしい」と願っている。
– “身体”ではなく、“心”に。
– でもそれを求めるのは“罪”だと感じている。
だから、肉体を差し出すことでしか「触れたい」を伝えられない。
「心に触れてくれる優しさ」が、遥にとっては一番怖い
でも、それがなにより欲しい
遥はそれを「触れてほしい」と言葉にすることができない。
だから──身体を通して、それを“伝えよう”とする。
結果:「抱かれたい」の本質とは。
遥にとっての「抱かれたい」は、
罰されたい(贖罪)
壊されたい(破滅衝動)
優しさに触れたい(救済願望)
相手の手で自分の“人間性”を確認したい(肯定欲求)
これらが同時に走っている、極限まで歪んだ感情。
さらに言うなら、
遥の「抱かれたい」は、決して「愛されたい」ではない。
むしろ、「愛される資格がない」自分を、どう扱うのか──
日下部の反応で、“自分の存在価値”を決めようとしている。
だからこそ、日下部が優しくすればするほど、
遥の中では「それは“幻想”だ」「本当の俺を見てない」という怒りにも似た痛みが湧いてくる。
遥はこれらの“核”を認知しているのか?
→ 一部は認知しているが、“全体としては認知していない”が正確。
遥は、
自分が「壊れている」ことには気づいている。
自分が「人に触れたい」と思うことを“罪”だと考えている。
「優しさ」が怖いこと、「助けを求める=加害」だという歪みも、体感的には自覚している。
ただし、それらを 「これは歪んでいる認知だ」と“俯瞰して理解”していない。
遥にとってそれは、論理ではなく、事実。
「世界はそういう構造だ」と信じきっている。
「欲しがることは加害だ」
「優しさに甘えると、その人を壊す」
「誰かを救おうとすれば、必ずその人を傷つける」
これらは疑いようもない現実として、遥に内在している。
だからこそ、その歪みに気づける“他者”がいない限り、遥はその地獄から抜け出す手段すら見えない。
遥にとって最大の恐怖は、
自分が誰かを責めてしまうこと
自分の傷を“誰かのせい”にしてしまうこと
「自分を守る」ために“他人を攻撃”してしまうこと
これらすべてが、“自分が望んだせいだ”という形に内向していく。