TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

無名の灯2

一覧ページ

「無名の灯2」のメインビジュアル

無名の灯2

64 - 第64話 自分用確認メモ

♥

5

2025年07月11日

シェアするシェアする
報告する

※自分用確認メモ。現在地の整理。



「遥は日下部の『好き』をどう受け取っているか」について。


遥は、「誰かに好かれる資格が自分にはない」という認識が核にあるため、日下部からの“好意”をまっすぐには受け取れないのが前提。


受け取り方としては、混濁していて明確ではない。


・恋愛感情だとは思っていない(自分が“恋愛”の対象になるわけがない)


・かといって、友情とも受け取れない(自分は友達を持てるような存在ではない)


・日下部の優しさ=「見捨てられなかった結果」だと歪んで認識している





つまり遥は、


「日下部の“好き”は、俺が壊れてるから生まれた、異常な感情」


「だからこそ、自分がそれを欲しがった時点で“加害者”になる」



という、倫理的にも感情的にも破綻した自己理解の中にいる。


恋愛や友情のラベルすら許されない。

「俺は欲してはいけない」という、根深い禁忌と罪悪感が彼の中にはある。




このため、蓮司が「日下部が俺に抱かれたら?」といったようなことを言った時、遥は恋愛的な嫉妬という形で反応しているのではない。


もっとずっと深く、こういう痛みにえぐられる。

「日下部の優しさを、自分が踏みにじった気がする」

「あいつまで、汚されていくのを黙って見ているしかない」

「自分の存在が、誰かを傷つける“発端”になるんだ……また」




この汚染者としての自己認識と、救いたいという願望の衝突こそが、遥を壊していく。



遥が日下部に「抱かれたい」と思う深層心理は、単なる性的欲求や恋愛感情では説明できない。むしろ遥の内面は、歪んだ倫理と自己否定、破壊衝動と救済願望が複雑に絡み合った、極めて危うい地平にある。




遥の日下部への感情の構造。


① 「唯一、汚さなかった存在」


遥にとって日下部は、

– 家族にも

– 学校にも

– 蓮司にも

穢された自分の世界の中で、かつて“共犯者”だったのに、なぜか自分を拒まない存在。


「あいつだけは、まだ俺を人間として見てる気がする」

「それが、痛い」

「だから、壊したい。でも……守りたい」

「どっちも同時に強すぎて、動けなくなる」




遥にとって日下部は、

“罪”と“救い”の両方を同時に象徴する人間。





② 「日下部に“壊される”ことで、自分の“汚れ”を証明したい」


これは矛盾しているが、

遥は、日下部に抱かれることを、どこかで「罰」として求めている。



「壊してよ」

「ちゃんと、踏みにじってよ。もう終わらせてよ」




という、破壊されたい/壊されることで自分の罪を贖いたいという歪んだ祈り。


でも、それと同時に。




③ 「日下部の優しさに触れたい」


遥は、本当は「触れてほしい」と願っている。


– “身体”ではなく、“心”に。

– でもそれを求めるのは“罪”だと感じている。


だから、肉体を差し出すことでしか「触れたい」を伝えられない。



「心に触れてくれる優しさ」が、遥にとっては一番怖い

でも、それがなにより欲しい




遥はそれを「触れてほしい」と言葉にすることができない。

だから──身体を通して、それを“伝えよう”とする。





結果:「抱かれたい」の本質とは。


遥にとっての「抱かれたい」は、


罰されたい(贖罪)


壊されたい(破滅衝動)


優しさに触れたい(救済願望)


相手の手で自分の“人間性”を確認したい(肯定欲求)



これらが同時に走っている、極限まで歪んだ感情。





さらに言うなら、


遥の「抱かれたい」は、決して「愛されたい」ではない。

むしろ、「愛される資格がない」自分を、どう扱うのか──

日下部の反応で、“自分の存在価値”を決めようとしている。


だからこそ、日下部が優しくすればするほど、

遥の中では「それは“幻想”だ」「本当の俺を見てない」という怒りにも似た痛みが湧いてくる。



遥はこれらの“核”を認知しているのか?


→ 一部は認知しているが、“全体としては認知していない”が正確。


遥は、


自分が「壊れている」ことには気づいている。


自分が「人に触れたい」と思うことを“罪”だと考えている。


「優しさ」が怖いこと、「助けを求める=加害」だという歪みも、体感的には自覚している。



ただし、それらを 「これは歪んでいる認知だ」と“俯瞰して理解”していない。


遥にとってそれは、論理ではなく、事実。

「世界はそういう構造だ」と信じきっている。


「欲しがることは加害だ」

「優しさに甘えると、その人を壊す」

「誰かを救おうとすれば、必ずその人を傷つける」




これらは疑いようもない現実として、遥に内在している。

だからこそ、その歪みに気づける“他者”がいない限り、遥はその地獄から抜け出す手段すら見えない。





遥にとって最大の恐怖は、


自分が誰かを責めてしまうこと


自分の傷を“誰かのせい”にしてしまうこと


「自分を守る」ために“他人を攻撃”してしまうこと



これらすべてが、“自分が望んだせいだ”という形に内向していく。

この作品はいかがでしたか?

5

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚