これはいつの記憶だ
そうだ、俺が中学生でけちゃが保育園の頃だ
け『にちゃ、まぜに!!』
ま『ん?』
け『んへへっ』
ま『なんだそれ笑』
母『ふふっ、あなた達は本当に仲良いわねぇ!見てて微笑ましいわ』
父『まぜは本当にいいお兄ちゃんだね。けちゃも良かったな、優しいお兄ちゃんがいて』
ま『んふふっ』
け『きゃっきゃっ』
かわいい弟、大好きな家族
すごく幸せだった
俺も弟もたくさんの愛をもらった
でも、その幸せも長く続かなかった
ある日の夜、母と父が用事で出かけて
2人で留守番をしていた
19時、20時…
いつまで経っても2人は帰ってこなかった
ま『母さんと父さん、遅いな』
け『んぅ…』
プルル プルル
ま『電話だ!けちゃ、ちょっとまってろ』
け『あいっ!』
俺は急いで電話をとる
ま『はい』
?『もしもし、あなたがまぜたくん?』
な『?』
?『苺病院です』
苺『今すぐ病院まで来れるかな?今、お父さんとお母さんが事故にあって命が危ないの』
ま『はっ…』
一気に冷や汗が止まらなくなった
ま『わ、かりました』
嫌な予感がしてゾワゾワする
俺は電話を切ってけちゃを急いで抱えて急いで家を出る
家から走って10分
その嫌な予感は的中
結論から言うと父と母は死んだ
あとから聞いた話、即死だった
け『まぁまとぱぁぱ?』
ま『っ、もう父さんと母さんは居ないんだよ…』
け『?』
次の日、葬式終わった後俺たちをどうするのかの
話し合いがはじまった
ま『ギュゥ』
け『まぜにぃー?』
ま『…けちゃ、俺たちはずっと一緒だからな』
け『えへへ、けちゃ、まぜにといっちょ!』
ま『そう、ずっーと一緒』
可愛いおれの弟
たった一人の大切な家族
絶対に1人にしない
「うちは無理よ。子供が2人もいるんだもの」
「うちも無理だね」
「どっちかひとりならいいんだけど…」
「2人とも施設に入れる?」
「別々の方がいいんじゃない?」
ヒソヒソと話す声
俺たちを引き剥がそうと話していて気持ち悪くて耳を塞ぎたくなる
すると、1人の男の人に話しかけられた
俺が警戒心むき出しにしていると、男はそれに構わず話しかける
?『ふーん、きみがまぜたくんとけちゃくん?』
俺はけちゃを強く抱きして思いっきり睨む
?『おー、怖い怖い笑』
ま『…なんですか?用がないなら話しかけないでください』
?『そんなこと言わないでよ笑』
何故かヘラヘラと笑う彼をもう一度睨んだ
け『ふぇっ、まぜにいたいぃ…』
ま『あ、ごめん…お前は絶対俺が守るから』
け『けちゃはね、まぜにしゅきなの!』
ま『ふはっ、俺も大好きだよ』
?『…俺の事無視かよ』
ま『けちゃ、おいで。俺たちの家に帰ろ』
け『ん!』
けちゃを抱えて俺たちの家に帰ろうとすると男から手を引かれる
?『…ちょっ、おい!俺の事無視すんなって!』
ま『はぁ…まだ居たんですか?うるさいんだけど。んで、あなたは誰です?』
?『冷たいなぁ…笑俺はぷりっつ!今日からお前らと家族になるもんだ!!』
ま『は?嫌ですけど』
ぷり『…じゃあ、お前らは2人で生きていけるんか?食費は?電気代にガス代、お前払えるんか?』
ま『っ…』
ぷり『そいつが大事なんだろ?だったら俺んとこに来い。そいつと幸せに暮らすか2人で死ぬのか選べ』
ま『…分かりました』
ぷり『よし、決まりやな!2人ともまとめて幸せにしてやる!』
家に帰り、けちゃが寝たあと
俺はずっと気になっていたことを聞いた
ま『…あの、ぷりっつさんは母さんと父さんとなんの関係なんですか?』
ぷり『ぷりでいいで!あと、敬語はいらん。』
ま『じゃあ、ぷーのすけで』
ぷり『よし!じゃあ、説明するな。俺はお前らの母さんの弟でも言っておこうか』
ま『は?だって、そんな話母さんから一切聞いてないんだけど』
ぷり『まぁ、だろうな。お前の母さんは俺の事隠したがってたから』
ま『…?』
ぷり『あぁ、嫌われては無いで。ただ、俺とお前の母さんの目の色髪の色違うだろ?それで、俺とお前の母さんと比べられて、親からも親戚さえも雑に扱われた。そんな俺を見たお前の母さんは俺を遠くに逃がしてくれたんだ』
ま『っ…』
ぷり『でも、まさか死ぬなんて思ってなかった…笑』
そう言いながら悲しそうに笑うぷーのすけ
ま『…ぷーのすけは…今1人なの?』
ぷり『あぁ、でもなお前らのこと見つけて見放しには出来ねぇなって』
あぁ、誰も信じないって思ってたのに
ぷーのすけの顔が声が優しさがどこか母さんに似ていて胸が苦しい
母さん、父さん
俺はこの人を信じていいの?
母さんに父さんに会いたい…
俺もそっちに行きたいよ
『っ…おかぁさ…おとぅさ…あいたいよぉ…(ボソッ)』
ギュゥ
ま『…!?』
ぷり『泣きたい時は泣け』
ま『っ……ヒグッ、おかあさっ….おとぅさっ、会いた、いグスッ』
『な、んで…ゔぁぁぁあああんっ』
泣かないって決めてたのに
強くなろうと決めたのに
母さん、父さん
俺はこの人を信じてみるよ
?『………ぜ、………て…』
ま『ん…だ、れ…?』
?『…まぜち!!そろそろ起きろ!!』
ま『ハッ…夢…?』
?『ったく、やっと起きた…今日はみんなで出かけるって言ってたやろ!』
ま『へ…』
?『まだ寝ぼけてん?笑』
ま『…ぷーのすけ、おはよう』
ぷり『はい、おはよ!あと少しで出かけるからはよ飯食うで!』
け『まーた、まぜにぃ寝坊?笑』
ま『ムッ…けちゃお、うるせぇ』
ぷり『お前もはよ食え、けちゃ』
け『はーい』
あれから4年
俺は高校生
けちゃは小学生になった
俺たちはぷーのすけの元ですくすく育っている
あの時出会えなかったら俺たちはどうなっていただろう
死んでいたかもしれない
ま『…ぷーのすけ、ありがとう』
ぷり『お、なに?デレ期きたん?笑』
ま『うざ…』
ぷり『ひどっ…』
喧嘩したり笑いあったり、泣いたり遊んだり
毎日が楽しい事だらけだ
ぷり『まぜち』
ま『なに?』
ぷり『こちらこそありがとな』
ま『…ふはっ笑』
ぷり『あっ、笑ったなー!おりゃ!』
ま『ぅわっ!?』
け『え、なになに!僕も混ぜて!!』
これはある日ふたりぼっちになってしまった兄弟の話
母さん、父さん
俺たちは今、すごく幸せです
コメント
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まって、マジ感動した…