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ロブロ愛の塊2世
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明け方近くになって、またしても足音が聞こえてきた。今回は一人分の足音だけだ。
「失礼いたします」
低く落ち着いた声。振り返ると、凛とした佇まいの若い武将が立っていた。細身だが筋肉質の体つき。鋭い眼差しは観察するように俺を見据えている。
「私は明智十兵衛と申します。お噂はかねがね伺っております、倉木殿」
来た。第一号の訪問客だ。彼の瞳の奥に隠された計算高い光が見え、俺は背筋に冷たいものを感じた。この男こそが、将来本能寺の変を起こす反逆者だと知っている。そんな思いが頭をよぎる。
「私のような野良犬に、名門明智家の御当主様が何用で?」
皮肉混じりに応じると、十兵衛は微笑んだ。だがその笑みには温かみというものが微塵もない。
「実は近日中に大きな戦があるのです。信長様は貴殿の知恵をお借りしたいとのこと。私にも色々と考えはあるのですが、どうしても決定打に欠けていまして……」
十兵衛の目が輝いている。この男は本当に何かを企んでいるのか、それとも純粋に戦略を探しているのか判断がつかない。いずれにせよ、ここでの発言一つで歴史が大きく変わってしまう可能性もある。
「さて……桶狭間のことですね」
十兵衛の表情が微妙に変わった。驚きとも警戒とも取れない微妙な変化だ。
「なぜそう思うのです?」
「雨雲の動きを見ていて悟りました。近いうちに嵐が来ます。嵐の日の合戦は、防御態勢を固めた方が有利です」
もちろん嘘だ。だが少なくとも彼に不信感を与えずに会話を続けなければならない。
「ふむ……確かに最近天気が不安定ですね」
十兵衛はしばらく考え込んだ後、懐から簡易な絵図を取り出した。
「このような構想があるのですが、ご意見いただければと……」
時間が遅くなるまで十兵衛との対話は続いた。彼が提案してきた戦術は概ね合理的だが、いくつか致命的な弱点も含まれていた。特に稲荷山からの降下作戦については、実際に起きた桶狭間の戦いとはかなり異なっている。
帰り際、十兵衛は静かに言った。
「明日また参ります。それまでに少し考えてみてください」
彼が去った後、俊之助の体を通して俺は深い溜息をついた。これから次々と訪れるであろう歴史上の英雄たちに、どのように接すればよいのか。そして何より、俺の持つ現代知識をどう活用すべきなのか—
雨粒が牢獄の屋根を叩く音が聞こえ始めた。桶狭間の戦いまで、あと六日。運命の歯車が、静かに回り始めようとしていた。
翌朝、雨は止んでいたが、依然として灰色の雲が空を覆っている。そんな中、昨夜の予告通り再び明智十兵衛が土牢を訪れることになった。
「昨日お話した件について、もう少し具体的にお聞きしたく……」
そう切り出す十兵衛に対し、俺はまず現代の視点から疑問を呈した。
「一つ確認したいことがあります。あなた方は今川義元の本拠地を直接攻めるつもりですか?それとも前線部隊を叩くだけですか?」
十兵衛は僅かに眉を寄せた。
「無論、両方です。ただ、敵の大軍を正面から相手にするのは自殺行為ですので、まずは主力を引き付け、その間に精鋭部隊で首級を奪う策を考えています」
やはりそうだ。これは歴史上の桶狭間の戦いの基本パターンと同じだ。だが現代の知識を持つ俺には分かる。この時点で既に信長軍の方が圧倒的に不利な状況なのだ。単純な奇襲だけで勝てる保証はない。
そこで俺は思い切った賭けに出ることにした。
「稲生ヶ原で迎撃するのは得策ではありません」
俺の言葉に十兵衛は即座に反論した。
「なぜでしょうか?あそこは地形的に防衛に向いているはずです」
「確かにそうです。しかし、それだけに敵もこちらの意図を読みやすい。もし私が今川軍の立場であれば、その策を見抜き迂回路を使って総大将がいない隙を突きます」
十兵衛の表情が微妙に変わった。警戒感が増したことを感じ取った。
「面白い考え方ですね。では、あなたならどうしますか?」
一呼吸置いて、俺は計画を述べ始めた。もちろんこれは歴史上の結果を踏まえた上で、さらに生存率を上げるための最適解を選んだものだ。
「まず、偽情報を流してください。例えば、信長公が重病で危篤だという噂を広めるんです」
「ほう?」
十兵衛の目が光る。
「加えて、信長軍の主力は現在、美濃方面への侵攻準備をしていると。これにより今川軍は我々が油断していると確信するはずです」
「なるほど……だがその後は?」
「正面決戦は避けるべきです。雨天を利用して今川本隊が油断した瞬間を狙います。大高城と沓掛城の中間地点あたり……特に今は廃墟となっている古戦場跡などは理想的かもしれません」
言いながら自分でも震えていた。これは単なるアドバイスではない。歴史改変への第一歩なのだから。
十兵衛は長い沈黙の後、ゆっくりと立ち上がった。
「本日はこれまで。しかしあなたのアイデア、非常に参考になりました」
彼が出て行った後、俺は安堵のため息をついた。上手くいったかどうかは分からない。しかし少なくとも敵の意表を突く作戦であることは伝わっただろう。
コメント
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うわああ第2話も面白すぎた!!😭💕 明智十兵衛との会話、めっちゃ緊張感あってドキドキしたよ〜!主人公の「これは歴史改変への第一歩」って内心の震え、すごく伝わってきた…!あと「雨雲の動きを見て」って嘘をつくシーン、カッコよかったのに実は嘘ってとこにグッときた😂✨ 次も気になる!桶狭間、どうなるんだろう…!!