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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
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美虹「それで?さっき言ってた『部屋と扉にかかっているプレートが違う』ってどゆこと?」
行方不明になった莉來を探すついでに、二階の部屋のプレートが「部屋と合っていない」と主張する快晴に着いて来た美女の美虹が、二階に上がってから快晴に聞いた。
快晴「莉來さん探しついでに、改めて部屋を見ましょう」
快晴は階段を登って右側の手前にある「ちさえ」とプレートがかかっている部屋に向かった。
快晴「白いタンス、桃色のクローゼット、学習机、有名な白猫キャラぬいぐるみ三体…」
美虹「「ちさえ」さん?は、子供かしら?」
快晴「いえ。「ちさえ」さんは2児の母です」
美虹「え?でもこの部屋…全然大人っぽくないわよ?」
快晴「はい。おそらく、ここは「ろあ」さんの部屋でしょう。オーナーさんの妹の…」
美虹「え?」
快晴「大人の人には、学習机は必要ありませんからね」
美虹「あ…」
快晴「それで、隣の部屋…」
快晴と美虹は、「ちさえ」改め「ろあ」の部屋から出て、隣の「はじめ」の部屋に入った。
美虹「ゔッ…!血腥い…」
快晴「はい。パッと見凄く綺麗ですが、この部屋で殺していたんでしようね」
美虹「血の匂いと痕は中々取れないものね…」
快晴「先輩、下見てください」
美虹「?」
快晴は床を指差し、美虹に下を見るように促した。美虹は素直に快晴の指差す場所を見てみると、横一文字に付着した、黒いシミの痕だった。
美虹「血痕?」
快晴「はい。あと、この部屋、クローゼットが無いンスよ」
美虹「ホントね」
快晴「多分、ここで殺した死体をクローゼットの中に入れていたと思います」
美虹「オーナーさんの父親の、始さんが?」
快晴「プレートの通りなら、その通りです。ですが、見てください。この部屋にも学習机があります」
美虹「あらホント…」
快晴「この血腥い部屋の中をインプットしといて下さい。テストには出ません」
美虹「……そうね」
快晴「フウちゃんと比べてツッコミに威力が無いスね」
血腥い部屋から出た快晴は、扉にかかっている「はじめ」と書かれたプレートを取り、つでに隣の部屋の扉にかかっている「ちさえ」と書かれたプレートを取った。
美虹「私は列記としたこの辺の人ですから。関西地域的なノリなんて知らないわ」
快晴「サーセン」
快晴と美虹は会話しながら、先程の階段の前を通って、廊下の突き当たり大きな壁がある方へ向かった。
快晴「手前の部屋が「ろあ」さんの部屋です」
快晴はドアノブを下ろして、扉を開けようとしたが、鍵がかかっていた。
そのあと、美虹が「ろあ」の部屋の扉を掌でバンバン!!と強く叩いていた。
美虹「莉來ちゃん!!音奈ちゃん!!いる!?」
居なくなった二人の名前を呼んでから、扉に耳を傾けるが、扉の向こうは物音ひとつしなかった。
美虹「ここに閉じ込められてるかと思ったけど、違うっぽかったわね」
快晴「はい。フウちゃんに蹴破って欲しかったんですが。志土さんが借りてた部屋の扉を壊した時に、オーナーさんから物凄い静かに怒られたらしくて…。ちょっと反省してました」
美虹「あの時、オーナーさん自分で直してたわよねぇ。壊れた物を直せるイケメンとか素敵♡」
快晴「次の部屋ええッスか?」
頬を朱に染めて自分の両手を添えて、うっとりとした顔をする美虹。そんな美虹を見て、快晴は顔を真っ青にしながら、「じろう」と書かれたプレートの扉の方に入った。
美虹「へぇ〜。ここが「じろう」さん…オーナーさんの部屋なのね」
快晴「プレートが示すにはそうですね」
美虹「紫色のクローゼット…。なんだか、大人っぽいわねぇ。あら?」
快晴「どうしました?」
美虹「鏡台、引き出しの中……アイシャドウの粉が落ちてるわね…。オーナーさん、女装趣味でもあるのかしら?仲良くなりたいわ」
快晴「いえ。残念ながら、プレートが間違ってます」
快晴はそう言いながら持っていた赤色の日記帳を美虹に見せた。
美虹「それは?」
快晴「この部屋の鏡台の引き出しの中にありました。この日記に書かれてる和水始さんは、とても奥さん想いの良い旦那さんとして書かれています」
美虹「え?女嫌いじゃないの?」
快晴「奥さんとの結婚記念日をしっかりと覚えていて。毎年欠かさず、奥さんに贈り物をして日頃の感謝を伝えていたそうです」
美虹「……なんだか、聞いた話しと違うような?」
快晴「あとコレも見てください先輩」
快晴は美虹にA4サイズの白色のクリアファイルを取り出した。『アルバム』と女の子の丸文字で書かれたそのクリアファイルの中には、家族が写っている写真が沢山収められていた。
快晴「この優しそうな男性が、和水始さんで、赤ちゃんを抱いているのは奥さんの「ちさえ」さんでしょう」
美虹「とても人を殺す人には見えないわね」
美虹はそう思いながら、アルバムのページを開くと、「じろう」と「ろあ」が成長した写真があった。
美虹「あら?あのイケメンオーナーさんじゃないの?」
快晴「はい。本人が言うには、整形をしたようで…」
美虹「整形ねぇ…」
美虹はボソッと呟くと、最後のページを開いた。
美虹「あら?コレは、誰のお葬式?」
喪服を着ている始と、妹の「ろあ」が泣いている写真を見て、美虹は快晴に尋ねた。
快晴「多分、奥さんの「ちさえ」さんでしょう」
美虹「……え?」
快晴の言葉を聞いて、美虹はキョトンとした顔をしていた。