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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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大みそかの午後。
前日からおせち作りしてる千歳(女子大生のすがた)を手伝おうかと申し出たが『一度自分で全部やってみたいからいい』と断られてしまった。
しかたないので大掃除代わりに風呂掃除して掃除機をかけて、終わって一息ついたら、千歳が小皿に乗った黄色いものをくれた。
『伊達巻のはしっこやる、味見だ』
「ありがとう」
口にすると、甘くてふわふわで、とてもなめらかな舌触りだった。
「おいしい! え、でも、うちフライパンしかないのにどうやって作ったの?」
伊達巻って、卵焼き器とかで作るもんじゃないの?
『フライパンで作ったから端っこが多く出たんだ、丸く焼いて巻いて端っこ多めに切ったんだ』
千歳は台所を指さした。いろいろ料理が並んでいる。
「へえー、千歳なんでも作れるねえ」
『まあ、割とやる方だと思うぞ、ワシ』
千歳はドヤ顔になった。
『おせち後は詰めるだけだし、雑煮も餅入れるだけにしておいたし、あと保温鍋におでんたくさん作ったから、正月は鍋温める以外なんもしない!』
「おおー、お疲れ様、いつもありがとう」
俺は拍手した。
それからもしばらく千歳はおせちに集中し、しばらくしてタッパに詰めたおせちを見せてくれた。煮しめ、かまぼこ、栗きんとん、黒豆、ブリの照り焼き、黒豆、昆布巻き、数の子。別のお皿には紅白なます。うわー、ごちそうだ!
「すごい、写真撮っていい? おばあちゃんに送りたい」
おばあちゃんに、俺がまともな年末年始過ごしてるって知らせたい。
『え、そんならもっとちゃんとしたのに詰めればよかったな』
千歳は首を傾げた。
「十分きれいだよ! あ、よかったら狭山さんとこのDiscordにもあげさせて欲しい」
『そ、そんな自慢するほどのもんじゃないぞ』
千歳ははにかんだ。
『まあ、でも、そんなら、ワシも写真撮ってTwitterとMisskeyにあげようかな』
「絶対いいねつくよ!」
そんな事を言いつつ、二人でスマホを出してしばしおせち撮影会をし、お互いSNSにアップした。
『じゃ、夕飯の鍋の支度するか。あ、つまみ先に作るから、お前先に一杯やってていいぞ』
「え、ありがとう、あ、でも、千歳と乾杯したいな俺。一緒に飲みたい」
『そうか? じゃ、暇なら先に風呂沸かして入っとけ』
「じゃ、先に頂いてきます」
お風呂済ませてくると、千歳が『おせちいいねついた!』と見せに来た。俺もスマホを見ると、おばあちゃんに「よかったねえ」と言われていたり、discordにおせちへのいいねリアクションがたくさんついていたりした。
「何か手伝う?」
『板わさと厚揚げできてるから持ってけ』
千歳に皿を渡された。
「あ、ありがとう」
『鍋ももうすぐ持ってくから、IHコンロ出しとけ』
「はーい」
こたつを食卓に整え、コンロを出し、レンチンだけど熱燗も作る。やっと二人でこたつに入り、買ったおちょこにお酌し合って乾杯した。
「あ、おいしいー、これが淡麗辛口?」
『うん、いい酒だ!』
鳥のハリハリ鍋もおいしい。日本酒と合う。板わさは言うに及ばず、厚揚げの生姜醤油がけも本当に日本酒が進んでしまう。
鍋の温かさのせいか、熱燗の温かさのせいか、予想よりはるかに早く酔いがまわり、ふわふわした心地になってしまった。
『おっ、顔赤いぞ、酔っぱらい』
千歳(黒い一反木綿のすがた)が笑う。
「へへへ、まあたまにはいいだろ」
こんなほのぼのとした年越し、過ごせるなんて思わなかったな。
ふわふわしたまま、年越しそばはなんとか食べたけど、寝てしまってその後はあんまり覚えていない。
コメント
1件
あーーめっちゃいい年末年始の光景!!😭💕 千歳がおせち作ってる横で風呂掃除して、伊達巻の端っこ味見させてもらうところとか、もうほっこり感がヤバい…!「ワシ」って一人称でドヤる千歳、可愛すぎるだろ。おばあちゃんに写真送りたいって気持ちも分かるし、SNSに上げたくなるのもめっちゃ分かる。日本酒で乾杯して、ほわほわになって年越しそば食べて寝ちゃうところまで、全部が幸せな大晦日だったんだなあって伝わってきたよ!🥺🎍