俺は諦めないからな!
広く綺麗な湖のほとりで、ある男が言い放つ。
何度も言わせるな。私は貴様が嫌いだ米国。そんな奴の傍で居る訳がないだろ。
そんな男の言葉に、間髪入れずに冷たく放つもう1人の男がいた。
何で……そんなに嫌がるんだ?何で俺を嫌うんだ?
米国と呼ばれたその男は、先程とは程遠い弱々しく今にも消え入りそうな声でそう呟く。
お願いだから何か答えてくれよ……日帝……。
日帝と呼ばれた男の肩がピクっと動く。
貴様に名を呼ばれる筋合いはない。
そう言い放ち、日帝は去っていってしまった。米国はそんな彼の後ろ姿を見つめる事しか出来ず、ただボーと見つめる事しか出来なかった。
……静かな湖のほとり。木々の掠れる音と、鳥のさえずり、そして米国の息遣いのみが聞こえる。
……絶対諦めない。だって俺はお前を……
そんな中に消え入りそうな、しかし先程よりも決意に満ちた呟きが漏れた。
起きてください!アメリカさん!
ンン…耳元で叫ばないでくれ日本……。
唐突に耳に響いた声に起こされ、キーンとする耳を抑えながら目を開ける。どうやら仕事中に寝てしまっていたようだ。
目を開けると日本が見下ろしていた。
だって仕事してる最中にアメリカさん寝ちゃっていましたし、揺らしても起きないものだから……。
日本は申し訳なさそうに言う。
いや良いんだありがとう日本。何か夢見ていただけだから。
俺は笑いながらクシャリと日本の頭を撫でる。
夢を見ていたんですか?内容は何ですか?
日本は頭を撫でられて困った顔をしながら聞く。
あー…
言葉が途切れる。なんて言えばいいのか。アイツとの昔の出来事を夢見たなんて。
そうだな〜遠い昔に好きだった奴との出来事を見てたんだよ。
今はどうなんですか?好きなんですかその方。
日本の問いに口が少し開く。
今は好きでもないし何とも思ってないさ!
生憎これは嘘だ。まだ好きさ。愛しているアイツの事を。
さぁまあとりあえず仕事残り終わらせて帰ろうぜ!な?俺の恋バナなんてどーでもいいからさ。
俺は日本の背中をグイグイとおして自身の席に座らせようとした。
その時にふと、日本の口から聞こえたものがあった。
……まだ愛しているくせに……。
まあ気のせいだろう!
アイツと日本は別人なんだから。
俺は日本を席に座らせ、自分も残りの仕事に取り掛かった。
"終
コメント
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わぁぁフォロー失礼します!🙇♀️めっちゃ好き!(๑♡∀♡๑)